【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>四星球、<下仁田ネギ収穫祭>を終え「次はこんなのをやりたい」

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「この時間だけは、<山人音楽祭>改め、群馬県名産=<下仁田ネギ収穫祭>!!」

北島康雄(Vo)の力強い開催宣言と共にライブをスタートさせた四星球。宣言の直後、アリーナのフロアに現われたのは、下仁田ネギを施した大きな御神輿と、その上に乗っかったU太(B)、まさやん(G)、モリス(Dr)。3人とも顔をネギ色に塗って、ネギの被り物まで。どこもかしこもネギだらけになって、アリーナをグルリと一回り。のっけから四星球の独壇場だ。

その勢いは止まることがない。オーディエンスを紅組と白組に分けて“ウォール・オブ・デスを仕切るヤツ対決”で競わせたり、まさやんが“ちょんまげマン原田”とツインリードを決めたり、湯もみ板を持つ北島がオーディエンスを引き連れてアリーナを周遊するなど、やりたい放題。そんな尽きることのない笑いと楽しさ、それになによりうまい演奏とライブ運び。四星球は今や、<山人音楽祭>に欠かせない存在でもある。

   ◆   ◆   ◆

──2016年から<山人音楽祭>にはほぼレギュラーで出演していますが、G-FREAK FACTORYとはどういう感じで知り合ったんですか?

北島:初対バンは、僕らがまだ大学生だったときで。高知にMUSHA×KUSHAというバンドがいて、徳島の僕らは、よく面倒見てもらっていたんですよ。そのMUSHA×KUSHAがG-FREAK FACTORYと仲良くて、一緒にツアーを回るにあたって、徳島でちょっとイベントを組んでくれないか、と話をいただいたんです。それが僕らが大学4年のとき。

──教育学部生から見たG-FREAK FACTORYはいかがでした(笑)?

北島:とんでもないバンドが徳島に来たな、というのは強烈に覚えてますよ(笑)。いや、見たことないというか。

U太:だって変でしたから、G-FREAK FACTORYは。ライブはもちろん凄いんですけど、ライブ前後の生活とかが。ライブ前に釣りへ行ったりとか。

北島:そう、変な人たちが徳島に来たっていう感じ。

──不審者呼ばわりじゃないですか(笑)。

北島:ほんま、それに近いです。異民族みたいな感覚でしたね。それに、もともと徳島にまで轟いていたんですよ、G-FREAK FACTORYの存在は。


──すぐに異民族との交流は始まったんですか?

まさやん:ちょっと時間が開いた感じします。

北島:むっちゃ覚えてるのは、盛岡で開催されている<いしがきMUSIC FESTIVAL>で久しぶりに再会したとき。何年も経っていたから、G-FREAK FACTORYはこっちのことを覚えてないんじゃないかぐらいの感覚で久しぶりにお会いしたんです。なのに、いきなり、ごっつかったですね。全然、ボーダーがないというか。ああ、これがG-FREAK FACTORYかと。

U太:G-FREAK FACTORYは細かいことまで覚えていて、あのイベントでは、あのバンドとこのバンドがいて、打ち上げ前にラーメン屋の前で大富豪したよね、とか(笑)。

北島:この前までG-FREAK FACTORYと一緒に<ローカルズ・ツアー>をやったんですけど、それぞれの土地の思い出をしっかり持って廻っていたんです、G-FREAK FACTORYは。これが“ザ・バンドマン”なんやなという。

まさやん:地元バンドに対してのアプローチもすごいですよ。G-FREAK FACTORYと一緒にツアー回ったとき、各土地で、地元バンドにも出てもらったんですよ。年齢的にG-FREAK FACTORYの半分ぐらいの若手のバンドマンにも、茂木さんはリハ終わりからごっつい話し掛けて、打ち上げでしっかり仲良くなって、連絡先も交換して。そういうのは、なかなかできることじゃない。

北島:僕らもいろんなバンドとカップリングで回らせてもらってますけど、地元バンドとの関わり方の日本一ですよ、G-FREAK FACTORYは。あれだけ「ローカルバンドの最高傑作」と言ってる意味が分かりましたもん。ライブだけの話してるんじゃないんやなって。

──なにをおっしゃる、四星球もいろんな意味の最高傑作じゃないですか。ライブのMCでも自ら話していたように、四星球のライブを観ていればリウマチも治るし、病気が治った人だっている。それだけ言うと、怪しい新興宗教のキャッチフレーズみたいだけど、真実だからしょうがない。

北島:そう、真実だから仕方ない(笑)。G-FREAK FACTORYとツアーを廻ったときに、「笑いはスゲエな」ってG-FREAK FACTORYのメンバーも言ってくれたんですよ。ツアー2カ所目から僕らのネタにG-FREAK FACTORYは積極的に飛び込んで来てくれて(笑)。


──ツアーでは茂木さんもネギ色に顔塗って下仁田ネギに扮したこともありました。

北島:1回、茂木さんにお願いしたとき、顔に塗らずに普通に出てきたんですよね。2回目にお願いしたときは自ら「塗る」と(笑)。

まさやん:「白く塗ったほうがおもしろいと思うんだよね」といって。

モリス:ドリフな感じなんです(笑)。

北島:本当にそのスピリットを持ってる。ステージに上がるとき、“絶対にかましたるぞ”ってのを持ってるんだと思います。YOSSYさん(G-FREAK FACTORYの吉橋)も、カップリングツアーのG-FREAK FACTORYの出番後に熱中症で倒れてたことあったんです。ところが僕らとセッションするとき、めちゃくちゃかましてくるんです。笑いというか、エンタメ的な部分でも、こっちに火をつけてくるバンドなんですよ。

──一流のエンターテイナーである四星球としては、G-FREAK FACTORY主催のフェスだからいろんな戦法も考えたでしょう。今回はネギまみれのオープニングから、もう、止まることなく笑いと楽しさがテンコ盛り状態でした。

北島:それ、核心かもしれない。会場のグリーンドーム前橋は、しゃべる人間として、音の反響がすごくて難しいところもあるんですよ。それが毎回課題で。今年考えたのは、音が一緒に鳴っているときは、ゆっくりめにしゃべって、それでなじませておいて、後半はこっちのペースでいっぱいしゃべり倒す、みたいな。それでやってみて、今年はこの会場を攻略できた感じあります。結果、時間的に2分巻いてしまいましたが。

まさやん:G-FREAK FACTORYの原田さんに出てもらいましたけど、狭いライブハウスだったら機材やエフェクターの置き方とかも気にしないといけないですけど、この会場みたいに広いと、いくらでもやりようもありますからね。

──ちょんまげマン原田とのツインリードを決めたときは、自然のリバーブが掛かって、シン・リジィみたいにカッコ良かった。

北島:嬉しかったのは、G-FREAK FACTORY以外のバンドでギターを弾いたことはほとんどないってことで。それなのに、うちらとやってくれたのは嬉しかったですね。

──四星球は、お客さんもなにもかも巻き込みますから。ライブを観ている受け手のままでいるのはカラダに悪いぐらいで。自ら四星球の笑いに飛び込んでいって、自分こそが主役ぐらいのノリで、ライブを楽しんじゃうんですよ。

モリス:今日なんか、紅組と白組に分けた運動会のときもそういう感じでしたからね。

──湯もみ板を持って北島さんがアリーナに降りて歩き出せば、お客さんが数珠なりでついていって、その感じは北島さんがハーメルンの笛吹きに見えました。そのまま全員を赤城山に連れてっちゃうのかって。

北島:遠い、遠い、赤城山は(笑)。


──四星球も結成から20年以上。経験を重ねて自信もついたことで、新たにやってみたいことも具体的にありますか?

北島:自信は毎回ないんですよ。「これはおもろい」という自信はあっても、「これがウケるかどうか」の自信は、やってみたいと分からないんで。でもライブをやっているときは、やりたいこともいろいろ浮かぶんですよ。次の<山人音楽祭>ではこんなのをやりたい、とか。

──もちろん、自分たちで言っちゃっていたように来年も出るんでしょ?

北島:G-FREAK FACTORYに呼んでいただければ(笑)。

U太:こっちが断る理由はないですから。

──<山人音楽祭>が続く限り、四星球は出続けるぐらいの勢いとやる気ですか?

U太:そうそう。

北島:アキレス腱を切っても<山人音楽祭>には出たい、と高木ブーさんが言ってたんですよ。91歳のブーさんをそう言わせるぐらいの<山人音楽祭>なんですよ。僕らも誘っていただける限りは、ずっとやらせてもらいたいなって思っています。でも今日、ブーさんと直接会いたかった、ほんまに。

U太:<山人音楽祭>にG-FREAK FACTORYありってのは当たり前じゃないですか。だから<山人音楽祭>に四星球あり、という感じでね(笑)。

北島:そう呼ばれるのが目標です。

取材・文◎長谷川幸信
写真◎野村雄治
ライブ写真◎HayachiN

<山人音楽祭2024>

日程:2023年9月21日(土) 、9月22日(日・祝)
開場・開演:開場 9:30 / 開演 11:00 (終演 20:00予定)
会場:日本トーターグリーンドーム前橋(群馬県前橋市岩神町1丁目2-1)

出演者
【9月21日(土)】
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / おとぼけビ〜バ〜 / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット / The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV (※五十音順)

【9月22日(日祝)】
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 / 四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY (※五十音順)

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