【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>ENTH、「自分たちもやりたい祭りがある」

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榛名ステージの幕開けを華々しく飾ったのは、縦にも横にも、心も体も自在に揺さぶるENTH。5年ぶりの出演となったが、ゴキゲンすぎる「☆愛♡醒☆ (鬼ボンバイエMix)」で会場をグッと持ち上げ、自分たちにもしっかりアルコールを流し込み、午前中で体が動いてないんじゃないかというオーディエンスに活を入れるような「SLEEPWALK」からとにかく畳み掛けっぱなし。

危ないところに足を踏み入れたようなライブハウス特有のヒリヒリ感も充満し、キレッキレな「ムーンレイカー」を繰り出せばそこは完全にダイバー製造工場。G-FREAK FACTORYへの最大級のリスペクトを込めて、気取らずに思いっきり自分たちをさらけ出してくれた。

   ◆   ◆   ◆

──ENTHはトップバッターが似合うバンドだなと思ってるんですけど、昨日Xで「逆にトリみたいなライブしよかな」とダトさんがポストされてましたよね。

ナオキ(G):虚勢っす(笑)。

ダト・ダト・カイキ・カイキ(Vo, B):絶対に無理なんで、この時間(笑)。

ナオキ:スタイル的にもお酒飲んでライブしなきゃ心から楽しめないというか、脳汁の出方がバグってきちゃって(笑)。

──でも、SEからの流れでアルコールは一発決めてましたよね(笑)。

ダト:そうっすね(笑)。まあ、景気のいい感じはトップバッターに向いてるかなと思うっすね。でも、なんか……。

ナオキ:無理したのか、いつもより汗かいた(笑)。

ダト:むっちゃわかる!(笑)

──序盤からお客さんも集まって、榛名ステージは大盛況でした。

ダト:凄く嬉しかったです。

──最初にダトさんが「やっちまおうぜ!」って声をかけたじゃないですか。「やるぞ!」でもなく、「やれよ!」でもなく、「やっちまおうぜ!」。お母さんには内緒だぞ的な誘い文句というか(笑)。ENTHっぽいな、と。

ダト:そうかもしれないですね。たしかに「やっちまおうぜ!」ってワードがしっくりくるんで。

──G-FREAK FACTRYとの関係性は?

ダト:ちょいちょいフェスでも一緒になったりしますし、長尺のツアーになると毎回呼んでくれるんです。僕たちのいろんな良さを理解してくれてる先輩。会ってる回数より凄く濃い関係かなと思いますね。

ナオキ:ギタリストとして原田さんのことが大好きだし。

──原田さんをリスペクトするギタリストはホントに多いですよね。音の艶も素晴らしいですし。

ナオキ:リズムもヤバいですからね。


──ライブ中にも話してましたけど、ENTHもG-FREAK FACTORYも同じくローカルという場所を根城にしてます。ENTHはサウンドや映像といったモノを地元である名古屋のコミュニティで完成させてて。G-FREAK FACTORYはローカルバンドの最高傑作だと自負してますし、そういったところでシンパシーや憧れを抱く部分もあるのかな、と。

ダト:そうっすね……同じロン毛だし(笑)。

ナオキ 浅っ(笑)。

ダト それは冗談としても(笑)、前に千葉LOOKで2マンをやったんですよ。(店長の)サイトウヒロシの還暦記念でそれぞれ持ち時間が60分。で、「何でオレらとGとなんですか?」ってサイトウヒロシに聞いたら「お前ら、こういうの避けてそうじゃん」って言われて。そのとき、結構「たしかに!」って思って。

──それまでにも関係値はしっかりありましたよね。

ダト:もちろん、ツアーも何回も呼んでもらってたし。ただ、まともに撃ち合ったら勝てないかもな、っていう意識が自分の中にあったかもしれないな、って。オレらはポリティカルなことも言わないし、ただ無心で音楽を楽しもうっていうところにフォーカスしてるんですけど、その良さも理解してもらえて。そういうこともあって、もっとちゃんと向き合えるようにもなりましたね。

──スタンスとしては違うのに、認め合って、惹かれ合ってるのがいい関係性ですね。

ダト:そうっすね……認めてもらえてるのかな? 5年ぶりだけど(笑)。

ナオキ:ハハハハ(笑)。

──<山人音楽祭>にはどんなイメージを持っていますか?

ナオキ:5年前で言えば、うちの親父が愛知県から遊びに来て、すげえ楽しんでて。そういう風に年代も広く楽しめるんだろうな、って。

──<山人音楽祭>は世代もジャンルも様々ですよね。このミクスチャー感はENTHにも通ずる部分というか。

ダト そうっすね。今年で言ったらそこにザ・クロマニヨンズも来ちゃう、みたいな。その幅も懐も凄いなって思いますよ。

──自分たちでもこういった祭りをやりたい気持ちも?

ダト:マンパワーを感じるイベントをやりたいですね。

ナオキ:ただ、オレたちがやるとなったら、レジェンドに声をかけるというより、もっと仲間を集めて、っていう感じになりそうかな。

──もっと無邪気に遊べるような。

ダト:ただ、自分たちもやりたい祭りがあるんですけど、こういったイベントに出るとたいへんそうでちょっと萎えます(笑)。

ナオキ:2DAYSとか絶対に嫌だ(笑)。

ダト:昨日、FOMAREのアマダと一緒に飲んでたんですよ。夜中にアイツが「っていうか、茂木さん呼びます?」って言い出して(笑)。「絶対に忙しいから、やめとけ!」って止めたんですけど、実際その時間は会場にいたらしく。いや〜、たいへんっすよね。


──また、ENTHは改めての始まりとも言えるフルアルバム『ENTH』のリリースツアーのファイナルシリーズ直前でもあります。バンドはかなり仕上がってるのかな、と。

ダト:そうっすね。まだまだっすけど、ツアー初日よりかはだいぶ仕上がってますね。

──ファイナルシリーズは、9月25日にGORILLA HALL OSAKAで10-FEET、10月18日にZepp Shinjukuで04 Limited Sazabys、10月30日にZepp Nagoyaでマキシマム ザ ホルモンと強敵が待ち構えています。

ナオキ:シビれますね。全部決まると思ってなかったし。

ダト:決まるんかい、って(笑)。嬉しかったっすけど、もちろん。

──意気込みとしてはいかがですか?

ダト:強敵という感じではあるんで……いや、フォーリミは余裕か(笑)。

ナオキ:ハハハハ(笑)。

──フォーリミは同世代?

ダト:ほぼそうっすね。僕のひとつ上とかなんで。稼ぎにはだいぶ差をつけられてますけど(笑)。

ナオキ:年収が違う!(笑)

ダト:でも、僕らは僕らでフォーリミとは違う活躍の仕方を同じぐらいの年月、ずっと頑張ってきたし。10-FEETやホルモンにもライブは見てもらってるんですけど、自分らの冠、ライブの尺もフェスより長いとなると、ホントに本領が見せれるかなと思うんです。自分らのライブの空気、いろんな表情、そこを見てもらえるのが楽しみかな、と。その上でちゃんと食らわしたいですね。

ナオキ:マジでまわってきたツアーを、気負わず出せれば。オレはそういう役割だなって思ってるし。いつも通り、ちゃんといい音でいい演奏で、ってやりたいっすね。

取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎野村雄治
ライブ写真◎Kazuya Kohsaka

<山人音楽祭2024>

日程:2023年9月21日(土) 、9月22日(日・祝)
開場・開演:開場 9:30 / 開演 11:00 (終演 20:00予定)
会場:日本トーターグリーンドーム前橋(群馬県前橋市岩神町1丁目2-1)

出演者
【9月21日(土)】
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / おとぼけビ〜バ〜 / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット / The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV (※五十音順)

【9月22日(日祝)】
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 / 四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY (※五十音順)

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