【ライブレポート】HOUND DOG、＜僕の歌は、君の歌＞東京3daysで大友康平熱唱「来年の45周年を成功させたい」

＜HOUND DOG LIVE Autumn Special「僕の歌は、君の歌～K's Selection 2024～」＞が9月14日から16日までの3日間、東京・有楽町ミュージックシアター“I’m a show”で開催された。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆HOUND DOG 画像

HOUND DOGは毎年、デビュー月となる3月にライブツアーを行ってきたが、2023年12月、大友康平(Vo)に腫瘍が見つかり、2024年2月の手術のために3月からのツアー予定をキャンセル／中止した。手術は無事に終わり、振替公演を5月からスタートさせることを発表したのが3月のこと。8月の仙台公演まで駆け抜けた同ツアーでは自らを「不死身のロックンローラー」と叫び、大友康平完全復活を印象付けた。


その翌月となる9月14、15、16日の3日間、有楽町のミュージックシアター“I’m a show”で行われた公演が＜僕の歌は、君の歌～K's Selection 2024～＞だ。2023年に続き、大友自らが厳選したHOUND DOG楽曲が中心のアコースティックライブとなるもの。春はロックロールのHOUND DOG 、秋はHOUND DOG楽曲のリアレンジによるしっとりとしたアコースティックが恒例化しつつある。

バンド編成は生ピアノ、ヴァイオリン、ウッドベース、アコースティックギターを中心に、アレンジ面ではフレンチジャズや、ケルト音楽っぽいものもある。これら多彩なサウンドが、ボーカリスト大友康平の歌声の幅広さを引き出し、3日間が日替わりのセットリストだったこともプラスして、奥行きと深みを持つ歌声を十二分に堪能できるステージとなった。この東京の後、9月21日、22日、23日には神戸・朝日ホールで同じく3日間のライブ＜僕の歌は、君の歌～K's Selection 2024～＞開催を予定している。


ステージコンセプトは、大友自身の家のリビングにお客さんを招いて行うというイメージ。「BRIDGE」「AMBITIOUS」などヒット曲はもちろん、通常のコンサートでは聴くことができない楽曲の数々に加え、MCでは様々な裏話が織り交ぜられながら披露されていく。ライブタイトルの＜僕の歌は、君の歌～K's Selection＞は、“僕の歌が1曲でも多く君の歌になるように”という願いが込められたものだ。

「1,000万円を越えるペルシャ絨毯の上で歌っているので、ドリンクをこぼさないようにしないと」と会場を笑わせるなど、大友らしい笑いと熱唱が繰り広げられたステージは、アンコールを含めて全13曲、約2時間。神戸公演を控えているため詳細には触れないが、前述した「BRIDGE」は、大友とピアノの二人で演奏されるなど、普段のバンドサウンドとは全く違うイメージで表現された。

また、伊集院静と歌詞を共作した「ハガネのように 花のように」ではエレキギターと共にしっとりと、2023年に残念ながら他界した同氏に捧げるような歌声が響き渡った。同曲は東日本大震災のすぐ後に伊集院と「何かできないかと曲を作った」という裏話ほか、伊集院のお別れ会の際のエピソードを語る場面もあるなど、＜僕の歌は、君の歌～K's Selection＞ならではの選曲といえるシーンとなった。


復活を遂げた大友自身を奮い立たせる原動力となっているもののひとつが、同じ東北出身でもあるドジャースの大谷選手の活躍であるという。来る2025年のHOUND DOGデビュー45周年を見据えた力強いメッセージもこの日のMCでは飛び出した。

「大谷選手が現在、50/50を目指していますが、僕も来年の45周年を成功させて、次は50周年ライブで50曲を目指したいと思います」──大友康平

東京3daysの最終日ライブ終盤には、来年2025年の45周年に加え、大友自身も69歳(ロック)になり、3月から大阪を皮切りにアニバーサリーライブツアーをスタートさせることも発表。大友康平は2025年も不死身のロックンローラーとして走り続けることが約束されたステージとなった。