【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞四星球、夢の国もびっくりのカオティックテーマパーク

＜SATANIC CARNIVAL＞出演は6年ぶりとなった、四星球。その気合いの入れようは、30分間のステージでここまでやるか！というほど。夢の国もびっくりのテーマパークぶりだった。

◆ライブ写真

「舞浜からきました〜」とにこやかにステージに登場したのは、某有名キャラクターに扮した北島康雄（Vo）。そして仲間を紹介しますと続々とステージに出てきたのは、某おもちゃのフィギュアに扮したU太（B）、そしてランプの魔神に扮したモリス（Dr）、最後にステージを這うように登場したのは女の子の人魚に扮したまさやん（G）。今回も小道具担当・段ボーラーまさやんの力作である。が、見るからにカオスなステージ上に北島は「ここでよかったんですか！？」と観客に問うところからはじまるという、四星球ならではのステージだ。


「6年ぶりに、コミックバンドがサタニックカーニバルにやってきました」と言うなり、疲れたから休ませてとステージにうずくまる北島。「これ、生まれたての馬じゃない！？」というまさやんの一声でスタートしたのは数々のフェスやライブでもお馴染みだろう「UMA WITH A MISSION」だ。フロアの観客をしゃがませて、「馬が立ち上がったら一緒に立ち上がるぞー」とまさやんの音頭でみんなで《ぱっぱか　ぱっぱか　ぱっぱから》と大合唱したりフロアからは「頑張れー」と声が上がったりと、これまでのEVIL STAGEの流れとはまったくちがった、ほのぼのとしたムードが漂う。

続く曲はこの「UMA WITH A MISSION」をサタニック仕様でメロコアにアレンジしたという「馬コア」。抜かりない。このおもてなし精神が、ジャンルを超えたさまざまなフェスやイベントに呼ばれる所以でもある。この曲では《ぱっぱか　ぱっぱか　ぱっぱから》のサビパートで大きなサークルを作ろうと呼びかけられた。「馬コア」ではサークルでなく“競馬”、だという。ノリのいい観客たちが笑顔でぐるぐると回り、その楽しい競馬が自然と広がっていった。


「サタニックカーニバル、ラウド系バンドがいっぱい出たいというなかで、コミックバンドに1枠いただきありがとうございます」と、「クラーク博士と僕」では、いつの間にか黒の全身タイツ姿からブリーフ一丁となっている北島。モリスとU太がガッチリとリズムを担うなか、まさやんがバク宙を決めたり、北島が首でフラフープを回したりとシュールな状態になっているが、なぜだかラストには観客も大合唱でコブシを掲げているというカタルシスを味わわせてくれる。四星球の真骨頂だ。


今回の＜SATANIC CARNIVAL＞はとくに転換時間が短く、あらかじめセットした各バンドのステージをスタッフが人力で押して入れ替えていくものとなっているのだが、「久しぶりに出演したんですけど、すごいわ。ステージの転換」と感心するまさやんに、「それは、スタッフと拙者が朝から押していたんだよ」とステージ袖から“ちょんまげマン”（北島）が登場。キャラ大渋滞で「ちょんまげマンのテーマ」を披露したあとは、抜群のバンド感とパフォーマンス力で会場をどんどん巻き込んでいく「Mr.Cosmo」へ。


「今からみんなでUFOを呼びたいと思います」というU太の指揮で観客のシンガロングを起こすなか、袖から“スシロー”の看板を持った北島が登場した。U太はまさやんに「今日はBRAHMANが出ているから、TOSHI-LOWさん作ってって言ったよね？」というミスもありつつ、北島は“サタニック　大とろ祭り”とかいたスシロー風の巨大のぼりを手に、フロアを練り歩いてEVIL STAGEを盛り上げていく。


ちなみにBRAHMANの楽屋へ「今日TOSHI-LOWさんをいじらせてもらいます」と挨拶に行ったところ、「お前にはいじっていいフリーパスあげてるから」と言われたという。共演者にも愛されている四星球である。ラストは「薬草」をエモーショナルに聴かせ、エンディングには、この日の小道具からいろんなパーツを取り外して、“WE♡サタニック”という文字までも完成。次から次に起こることに片時も目が離せない圧倒的情報量だったが、最後の最後まで細かな芸で魅せ、楽しませてくれたステージとなった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎中河原理英