【俺の楽器・私の愛機】1470「お金借りたオーダーメイドの１本です。」

【ESPオリジナル】（東京都　釜じじ　じじ歳）


1401、1414、1423、1433、1444、1450にてご掲載有難う御座います。多分これが最後の１本になります。

ESPさんにオーダーしたオリジナルのベースです。今から40年程前、当時はこれまでご紹介して来た一風変わったベース等を弾いておりましたが、バンドの年長メンバー達から「普通のベース1本持っておけ。」と言われ、頭金用にと5万円お借りしました。

普通のベースという縛りなので、最初はFenderのプレベ狙いで都内の楽器店ぐるぐる廻りましたが、「コレ！」という１本には巡り会えず。神保町のESPさんに行ってご相談の末に製作依頼致しました。とはいえ、全て有り物のパーツの組み合わせですがね。

ボディは確かアルダーでプレベ用の物。ピックガードは無しで、コントロールパネルはジャズベ用、ノブはプレベ用。ネックはメイプル材にローズ指板。可能な限り細めに加工をとお願いしたので極細です。ピックアップは型番不明ですが、パーツ決めの際に試奏させて貰って気に入ったPJ仕様です。当時のESPさんの新作でポールピースが太め、実際の音も極太、されど他の音に埋もれ無い抜けも有りです。このピックアップに出会ってオーダーを決めました。ペグ、ブリッジはESPさんのオリジナルです。レールが切って有ってその上を駒が動くタイプのブリッジは当時はまだ珍しかったですよ。塗装はオールブラックです。

1ヵ月位の工期で最終的に18万円位になって、頭金5万円、後は12回払いのローンで払いました。

お金借りたメンバー達にもご納得頂き、以後20代の半ばから6年程、メインベースとして行動を共にしましたインディーズだったけれど、初めてのレコーディングもこいつでした。関西方面への初めてのツアーも、こいつとアンプと一緒に東名走って行きました。

20代のとても若い自分が、このベース下げてステージに立っている写真は私にとっては宝物です。そしてこいつは、紛れも無く私の愛機です。



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おう、甘酸っぱい青春が詰まりまくったエピソードだなあ。こういう思い出や忘れられない出来事が、ひとつの楽器に込められている事自体が、わたしゃ宝物と思うのよ。若者が借金をし、さらにローンも組むというのは、大いなる希望と野望がそこに込められていた証ですからね。そのときに取った行動そのものこそかけがえのない財産です。その経験が指針になったり、その後の人生の歩み方に大きな活力を与えたりしますからね。いいお話です。（JMN統括編集長 烏丸）



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