【今さら聞けない楽器のア・ソ・コ】お題「TB-303」
“楽器”と一口に言っても、多種多様さまざまな部品から構成されているのはご存知の通り。え、そうなの?的なものから、世界の民族楽器まで、今さら人には聞けない“楽器のア・ソ・コ”、ご紹介します。第112回のお題は「TB-303」です。
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TB-303は、ローランド社が1981年に発売した電子楽器で、特にエレクトロニック・ダンスミュージックやエレクトロニック・ミュージックの世界で非常に影響力のあるシンセサイザーのひとつ。TBは「Transistor Bass(トランジスターベース)」の略で、その名の通り、ベース音を生成するために設計された。
本機はアナログシンセサイザーであり、アナログ回路を使用して音を生成するため、ウォームでアナログらしい音が得られることが特徴。また内蔵されたシーケンサーにより、16ステップのパターンをプログラムすることが可能。これにより、単純なベースラインから複雑なパターンまで、多彩な音楽を作成することができる。さらに本機の特徴的な要素のひとつが、12dB/octのローパスフィルター。このフィルターを使って、音の変調やエフェクトをかけることができ、これがTB-303の特徴的なサウンドを生み出す要因となっていると言える。
本機は1980年代後半から1990年代初頭にかけて、シカゴのハウスミュージックやデトロイトテクノといったジャンルの音楽制作で幅広く使用された。特に、アシッドハウスと呼ばれるサブジャンルでは、TB-303がその特有のサウンドを提供したと言っていい。
一度は生産が終了した本機だが、その特別なサウンドと人気のために、中古市場で高価で取引されている。また、後継機種やソフトウェアエミュレーションも登場しており、TB-303のサウンドを再現することが可能だ。
TB-303は、エレクトロニックミュージックの歴史において重要な役割を果たし、今でも多くのプロデューサーやアーティストに愛用されている。その独自のサウンドは、エレクトロニックミュージックの多くのジャンルにおいて不可欠な要素となっていると言っていいだろう。
文・編集部
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