【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>ENTH、「いろんな人が、愛を持って行動をした結果がこの景色」
サウンドチェックでのステージもフロアも一体となった盛り上がりから板付きのまま本番へと突入して、ど頭の「ムーンレイカー」から「歌おうぜ!」と大合唱を巻き起こしていったのは、ダト・ダト・カイキ・カイキ(Vo, B)、ナオキ(G, Cho)、タクミ(Dr, Cho)によるENTH。
◆ライブ写真
そのライブは怒涛の一言で、3ピースながら3ピースでひねり出しているとは思えない爆音と、ギターキッズが歓喜のコブシを掲げるようなギターリフ、縦横無尽なドラム&ベースのビートがフロアを絶え間なく沸き立たせていく。シャウト気味のボーカルに観客の体温がぐっと高くなる「"TH"」、そこからBPMを一気に上げて観客の叫び声や掛け声と渾然一体となった「HANGOVER」でフロアはさらにもみくちゃに。
会場内を満足げに眺め「最高だわ」というダト・ダト・カイキ・カイキの声から、「Gentleman Kill」でさらにノイジーなロックをかき鳴らす。気持ちのいいギターのカッティングにステップを踏んだかと思うと、次の瞬間には3人のゴツゴツとしたいかついアンサンブルが豪速球で飛んでくる。耳をやられそうな怪音もまた気持ちがいい。
「幕張に帰ってくることができて嬉しい。今年はこの景色がより特別に思える」とダト・ダト・カイキ・カイキは語る。そして、「いろんな人が、愛を持って行動をした結果がこの景色。いろんな人たちが人生をかけて、ビジネスよりもカルチャーをとったからこそこの形になっている」と、コロナ禍を経て掴み取ったリアルで、エネルギーに溢れたこの空間を祝するように、「ここにいるみんなのために歌わせてくれ」と「NETH」のヘヴィかつ濃厚なリフとグルーヴとシャウトで、フロアをじっくりとかき回していく。'90sオルタナティヴロックの混沌とした芳香を漂わせ、ドライブ感のあるビートが興奮を煽った。
そのまま「LOVE ME MORE」へとなだれ込んで、“ナオキ・ボンバイエ”コールにのせてナオキがぐいっとアルコールを煽ると、フロアの歓声がいちだんと大きくなる。おちゃらけたコール&レスポンスをしながら、キャッチーでヘンテコにねじれたパワーポップ「WHATEVER」は、上昇一方のハイテンションの流れに、気持ちのいい緩急を生んでいる。
しかし後半は、再びカオスな展開に。チューニングしながらひずみとノイズが轟くアンサンブルを聴かせたかと思うと、「M.I.P.S」では重厚なリフと魔的にバウンスするビートで、観客を揺さぶる。めまいのするようなヘヴィさから一転して、「BLESS」は高速ビートを観客の体に打ち込んでいく。
「マジで、こんなぐちゃぐちゃになって楽しんでるのを見たら、いかれてると思われるかもしれない。だけど、見方を変えれば、(誰に迷惑をかけるわけでもない)こういうライブハウスという遊び場でやっているんだから、とても高尚な遊びだと思うんだ。みんな、胸をはって思い切り遊んでいってください」──ダト・ダト・カイキ・カイキ
そう言ってダイナミックな「SLEEPWALK」で遊び心もふんだんなロックを聞かせると、ラストは全身全霊の高速2ビートによるシンガロングチューン「Get Started Together」で、観客のジャンプを高く高くしていく。凄まじく熱量の高い演奏と音量と、3人の気迫溢れるパフォーマンスがフロアに風を巻き起こしていく。そんなステージだ。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎中河原理英
■<SATANIC CARNIVAL 2023>
6月18日(日) 幕張メッセ国際展示場 9-11
▼6月17日(土)出演者
AFJB
バックドロップシンデレラ
The BONEZ
Crossfaith
Dizzy Sunfist
Dragon Ash
ENTH
Fear, and Loathing in Las Vegas
FOMARE
ハルカミライ
HAWAIIAN6
Ken Yokoyama
locofrank
MONGOL800
ROTTENGRAFFTY
SHANK
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Survive Said The Prophet
Track's
WANIMA
Prompts (O.A.)
▼6月18日(日)出演者
04 Limited Sazabys
10-FEET
coldrain
Crystal Lake
dustbox
Fire EX.
GUMX
G-FREAK FACTORY
花冷え。
HEY-SMITH
LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS
マキシマム ザ ホルモン
NOISEMAKER
OVER ARM THROW
RAZORS EDGE
SAND
SHADOWS
SiM
Suspended 4th
Hi-STANDARD
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