PJハーヴェイ、7年振りの新作『I Inside the Old Year Dying』完成
PJハーヴェイのニュー・アルバム『I Inside the Old Year Dying』が2023年7月7日(金)にリリースされる。
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「休息空間、慰め、快適さ、癒し……今の時代にはタイムリーだと思う」とPJハーヴェイは新曲群について語る。『I Inside the Old Year Dying』の物語は6年前に遡り、2017年の前作のツアーの終了とその直後から始まる。彼女が痛感したのは、アルバムとツアーの終わりなきサイクルのどこかで、音楽そのものとのつながりを失っていたこと、その実感は言葉にならないほど悩ましいものだったという。
しかしふたつのことが、彼女を新しい歌や音楽へ向かわせるようになった。ひとつは『The Hope Six Demolition Project』期のシカゴで、アーティストで映画監督のスティーヴ・マックイーンに会ったときのこと。彼からのアドバイスは「言葉、イメージ、音楽について自分が好きなものを思い出し、“アルバム”を書くという概念を捨て、この3つの情熱に集中し、プレイしなさい」というもの。もうひとつは、シンプルに“演奏する”という行為だ。ギターを手にしたり、ピアノの前に座ってニーナ・シモンやボブ・ディランといったアーティストのお気に入りの曲をプレイすることで、音楽という芸術に対する情熱を再確認することができたのだそうだ。
そして彼女が新曲を書き始めたときは、音楽自身のために音楽を作るという解放感があった。同時に彼女の視点は、『Let England Shake』や『The Hope Six Demolition Project』の大きなテーマ(戦争、政治、世界を見つめる)から、より親密で人間的なものへと変化していた。「(新曲は)3週間くらいで私の中から出てきた。スタジオはライブ演奏用に設置され、私たちはそれしかしなかった」とハーヴェイは語る。本作がとても手触りが良く、人間的なレコードであるとすれば、それは収録されているほぼすべてがインプロヴィゼーションに根ざしているためと言える。「アルバムは、探し求めること、つまり初恋の激しさ、そして意味を求めることをテーマにしていると思う。でも、このアルバムから感じられるのは、愛だ。それが、この作品をとても歓迎すべきもの、つまりオープンなものにしていると思う」とPJハーヴェイは語っている。
なお、アルバムのプロデュースは、長年のコラボレーターであるフラッドとジョン・パリッシュが手掛けた。
『I Inside the Old Year Dying』
PTKF3032-2J[CD/国内流通仕様] 定価:未定
世界同時発売、解説/歌詞/対訳付
発売元:ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
■収録曲目:
1. Prayer at the Gate
2. Autumn Term
3. Lwonesome Tonight
4. Seem an I
5. The Nether-edge
6. I Inside the Old Year Dying
7. All Souls
8. A Child’s Question, August
9. I Inside the Old I Dying
10. August
11. A Child’s Question, July
12. A Noiseless Noise
プロデュース:フラッド&ジョン・パリッシュ
◆PJハーヴェイ オフィシャルサイト