ロジャー・ウォーターズ、独フランクフルトでの公演開催をめぐる訴訟で勝訴

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反ユダヤ主義的な言動を理由にドイツ・フランクフルトの市議会から同市内での公演開催を禁じられたロジャー・ウォーターズだったが、フランクフルトの行政裁判所は、ウォーターズには公演を開く権利があるとの判決を下した。

市議会は2月終わり、ウォーターズの“執拗な反ユダヤ主義の言動”を問題視した上、5月28日に予定されている公演の会場フェストハレ・フランクフルトがかつて、強制収容所へ送られる前のユダヤ人を収容していた場所にあることから物議をかもしていると、公演の中止を承認していた。

しかし裁判所は、ウォーターズの公演には悪趣味な側面があり、ナチ政権からインスピレーションを得たであろう象徴主義の要素があるものの、公演は芸術作品と見なされるべきだと、芸術的自由を判決理由の一つに挙げたという。ウォーターズのパフォーマンスはナチの戦争犯罪を美化したり相対化したものではないとも判断された。

市議会は、これに対し上訴する権利がある。

ウォーターズのフランクフルトでの公演開催が禁じられたことに対しては、ピンク・フロイドの元バンド・メイトであるニック・メイスンや、エリック・クラプトン、ブライアン・イーノ、ピーター・ガブリエルらが、市議会の決断をくつがえすため始まった署名運動に賛同していた。

現時点、この判決に関し、ウォーターズ側から声明は出されていない。

Ako Suzuki
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