ミッキー・ディー「レミーが現在のポリコレを経験せずに済んでよかった」

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元モーターヘッド/現スコーピオンズのミッキー・ディー(Dr)は、歯に衣着せぬ性格でロックンロール人生を謳歌していたレミーが、社会制度だけでなく言語表現や創作物などでも差別をなくそうとするポリティカル・コレクトネスや、不適切な言動によって起こるキャンセル・カルチャーを体験せずに済み、よかったと思っているそうだ。

◆ミッキー・ディー動画

彼は『Metal Pilgrim』のインタビューで、モーターヘッド時代の特にクレイジーな思い出について問われると、こう答えた。「それは最高に難しい質問だ。なぜなら、レミーが言ってたとおり、“俺らは台本のないスパイナル・タップだ”からだ。毎日、くだらないこと、愉快なことが起こってたからな。楽しいことがあり過ぎて、1つを選ぶのは難しい。クレイジーなことがいっぱい起きてた。いま思い返すと、“あんなことがあったなんて信じられない”って感じだ」「いまのご時世では考えられないよ。世界は大きく変わったからな。俺がよかったと思っていることの一つが、レミーがこの我慢ならないポリコレを体験せずに済んだことだ」

いまもモーターヘッドが存続していたら、キャンセル・カルチャーの標的にされるかとの質問にはこう語った。「誰かをからかうとか、誰かからからかわれるとか、あって当然だろ。でも、いまは何も言えない。みんな、なんでもないことにビクついてる。ユーモアのセンスなんて全くない。レミーがこれを体験しないでよかったよ。彼はクレイジーになってたに違いない。彼は冗談好きだったからね。モーターヘッドはいつも、お互いをからかってた。それで俺らはカラっとしてた。どんな冗談だって受け入れてた。だから、クレイジーなことがたくさん、すごく楽しい感じで起きてたんだ。でも、いま考えると、“いまやってたら、刑務所行きだ。地球から追放だ”って思うよ」

レミーは、2015年12月28日に70歳で死去。その年、体調不良により公演をキャンセルすることはあったが、突然の別れだった。モーターヘッドはこれにより解散した。


Ako Suzuki
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