リナ・サワヤマ、初のジャパン・ツアー完遂。宇多田ヒカルのカバーもサプライズ披露

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(C)Sotaro Goto

リナ・サワヤマの初のジャパン・ツアーが1月20日、東京・東京ガーデンシアターで最終日を迎えた。同公演のオフィシャル・レポートをお届けする。

◆リナ・サワヤマ画像

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ロンドンを拠点に世界的に活躍する新潟県出身のシンガー・ソングライター、リナ・サワヤマが最新アルバム『ホールド・ザ・ガール』を引っさげたワールド・ツアー<Hold The Girl Tour>を母国である日本でも開催した。同ツアーは、2022年10月にスコットランド・グラスゴーで始まり、ロンドンでは由緒あるライブ会場として知られるO2 Academy Brixtonで行われた。

ジャパン・ツアーは1月17日(火)の名古屋公演を皮切りに、1月18日(水)に大阪公演が行われ、1月20日(金)にツアーファイナルを東京公演で迎えた。ここでは最終日であり、完売となった東京ガーデンシアターで行われた東京公演の模様をお伝えする。

東京公演の会場内では、『ホールド・ザ・ガール』のTシャツを着た若いオーディエンスや無類の音楽好きであろうエルダー層が訪れており、老若男女問わず多様なオーディエンスがリナ・サワヤマの凱旋ライブを観るために足を運んでいた。

ステージ上には階段を上り下りするための特設ステージが設置されており、豪華なライティングが印象的な作りとなっている。今回、リナはダンサー2名、ギター1名、ドラム1名の計4名を引き連れてステージに立った。

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ツアータイトルでもある最新作『ホールド・ザ・ガール』からの冒頭曲「Minor Feelings」でステージの幕を開けた。その後、息つく間もなくシングル「Hold The Girl」を披露。オーディエンスにクラップを呼びかけ、会場の溢れんばかりの一体感とエネルギーがオープニングから生まれた。リナはジャパン・ツアーでのMCは全て日本語で行い、この日も「ここがみんなにとってのセーフスペースにしてほしいから、近くの人に挨拶してみて!」と会場が愛とリスペクトに満ちた空間であるようにしている姿勢が印象的であった。

その後も、母親へと捧げた爽快なシングル「Catch Me In The Air」や日本航空JAL国際線キャンペーンCMイメージソングにも先日決定したばかりの「Hurricanes」を披露。強烈なライティングで観客を魅了した後に、「Your Age」、「Imagining」、「STFU!」、「Frankenstein」といったダークでインダストリアルでメタルな世界観へと誘った。「Frankenstein」では、緑の証明のなかゾンビを模したダンスムーブを見せ、会場を沸かせた。

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雰囲気は徐々にエモーショナルな方向へと進み、ファン人気の高い「Bad Friend」や非常にコンセプチュアルなバラード曲「Send My Love To John」、そしてエルトン・ジョンがゲストシンガーとして参加したシングル「Chosen Family」を力強く歌い上げる。

そして、東京公演のライブ前にリナは自身のインスタグラムで「これまでやったショーの中で1番規模が大きいので記念にスペシャルな邦楽カバーを歌おうっかなー どの曲にしようか?」とファンへ邦楽カバーソングのリクエストを呼びかけた。そんなリナが歌ったのは、宇多田ヒカルの「First Love」だ。自身が「昔から聴いていて、よく歌っていた」というMCと共にリスペクトする宇多田ヒカルの名曲を熱唱。このサプライズに呼応するように観客からもはちきれんばかりの合唱が巻き起こり、多くの人にとって忘れられない夜となっただろう。

ライブ終盤に向かって最新作収録の「Forgiveness」やメロディアスでリナのカムアウト・ソングとなった「Cherry」も歌っていき、またまたファンに人気な「Comme Des Garcons (Like The Boys)」と「XS」を立て続けに披露し、ファンを魅了し続けた。

アンコールでは、最新アルバムでも最も人気のあるLGBTQ+コミュニティへ捧げるアンセム・ソング「This Hell」を真っ赤なライティングやギター、ドラムソロの盛大な演出と交えて披露し、ライブを終えた。

力強いパフォーマンスでオーディエンスを魅了するのみならず、日本のファンのために日本語でMCを行うことで、なるべく多くの人に自分の発信するメッセージを届けようとするリナの姿勢に圧倒されるばかりの夜となった。パフォーマーとしてはもちろん、LGBTQ+コミュニティの一員としての意見やパーソナルで赤裸々な感情を打ち明け、人々にとっての等身大な姿を見せる彼女は今後も間違いなく世界にとって重要なアーティストであり続けるだろう。

(C)Sotaro Goto

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