【インタビュー】神はサイコロを振らない、“冬の大三角形”第一弾「キラキラ」に願い「ピュアで真っ直ぐなまま音楽をやっていたい」
■この曲はもう“パワー!”って感じ
■大事なライブチューンになりそう
──黒川さんはこの曲を受け取った時、どんなことを感じましたか?
黒川:僕もめっちゃ懐かしいなと思いました。小さい頃、新聞紙とガムテープで作ったバットとボールで野球をしてたんですけど、そんなこと今までずっと忘れてたのに、この曲を聴いて急に思い出したんですよ。
柳田:分かる。俺も曲を書きながら、“あの団地に住んでたな”とか“学校に行く道はこんな感じだったな”ってタイムスリップするような感覚でいろいろ思い出して。で、思い出しているうちに、“あの頃は学校終わったらみんなでカラオケに行ってたな。純粋に歌うことが好きだったな”とも思ったんですよ。今は自分が仕事として音楽を作る側だから、音楽を聴く時は“勉強しなきゃ”というスイッチがどうしても入っちゃうんです。“このドラムいいな”とか“この歌い方ズルいな”とか……昔だったら“ズルい”なんて絶対に思わなかったのに。あの頃のようなピュアな気持ちでもう音楽を聴けないんだと思うと、ちょっと切なくなるけど、それでも歌っている時は今でもめっちゃ楽しいし、あの時の感覚を忘れちゃダメだなと思って。ピュアで居続けたい、まっすぐなまま音楽をやっていたい、という僕の願いがこの曲には入っていますね。
──それはすごく伝わってきます。
黒川:ちょっと話が変わるんですけど、この前、4人でダーティ・ループスのライブに行ったんですよ。
柳田:あの日はおもろかったよね。桐木と黒川がダーティ・ループスを好きで、もともと2人でライブに行こうとしていたんですよ。俺と吉田は「いいなあ、俺たちもやっぱり観たいかも」という感じだったんですけど……そもそも、なんで4人でライブに行けることになったんだったっけ?
桐木:最初はチケットが売り切れてたんだけど、ちょっと時間を置いてからサイトを見てみたら、たまたま4枚だけチケットが残ってて。それで“運命かも!”っていうテンションになったような気がする。
柳田:そうだった! それで六本木のBillboard Live TOKYOに4人で行ったんですけど、ライブの前に周辺を散歩して、神社にお参りして。基本、僕らが4人でいる時間ってバンドとして稼働している時間だから、マネージャーさんやスタッフさんも一緒にいることがほとんどなんですよ。だから4人だけで過ごすのは意外と久しぶりで。
黒川:キッズに戻れた日だったよね。最近はそういう気持ちを忘れてたけど。
吉田:テンション上がりすぎて、六本木から歩いて帰ったんですよ(笑)。
柳田:なんか分からないけど「もう歩いて帰ろうぜ!」ってなって、歩いてる間、「そういえばあいつ、今何してるんだ?」という感じで、共通の知り合いに「元気?」って電話をかけたりして。あれはおもろかったな。
桐木:2022年のトップ3に入る出来事でした。
柳田:そういう何でもない一日って、大人になるほど、失くなっていっちゃうものだと思うんですよ。昔だったら友達と遊ぶ時、「とりあえず〇〇の家行くわ!」って感じで集まって、〇〇の家で漫画を読んだり、ゲームをしたりしてたけど、今って「飲みに行こうよ」という感じで何かしらの目的や理由がないと、友達と集まることもなかなかないなって。
吉田:確かに。
柳田:でも、“理由が何もなくても、友達んちに行ってもよくない?”ってたまに思うんだよなあ。
──その感覚はすごく分かります。だからこそ「4人でダーティ・ループスを観に行った日、すごく楽しかったよね」というのと同じように、「キラキラ」という曲が神サイにはあるということが今後大事になってくる気がしますね。
柳田:そうですね。この曲をライブで歌うことで“歌うことが好き”とか“ギター弾くのってめっちゃ楽しい”とか、そういうシンプルな気持ちを毎回思い出せそうだなと。そういう意味でも、この曲はめっちゃ大事なライブチューンになっていきそうだなと思います。
──歌詞もかなりストレートですね。“グーチョキパーのコンパスで”ってどういう意味ですか?
柳田:小さい頃は、じゃんけんで勝った人が何して遊ぶかを決めたりしたじゃないですか。大人になればなるほど、いろいろなことを頭の中で整理した上で答えを出すようになるけど、そのくらいラフに生きていたいなというテンションを込めた歌詞ですね。
▲Digital Single「キラキラ」
──なるほど。演奏面はいかがでしょう。レコーディングにはどんなテンションで臨みましたか?
黒川:この曲はもう、“パワー!”って感じです。
柳田:いいねー! 頭悪いねー!
──そういう曲ですしね。
黒川:はい。後半でスネアを連打しているところがあるんですけど 、あれもレコーディング中に自然と出てきちゃったもので。全体的に、勢いを大事にしながらレコーディングに臨みました。
桐木:ベースはライブを意識しました。ライブ中どうしても手元を見てしまうけど、それをなるべく減らしたかったので、“お客さんの方を向いて弾けるように”と考えながらフレーズを作りましたね。だから小難しいことはそんなにしていないです。
吉田:ギターもめっちゃシンプルです。シンプルだからこそ本能で弾こうと思ったんですけど、いつも使っているスタジオじゃなかったので、環境作りにちょっと苦戦して。“何がいけないんだろう?”と思って、レコーディングの途中でいつも使っているスプレーとピックを取りに行ったんですよ。そうしたら、三田のレコーディングスタジオだったから、“あいつ、ラーメン次郎三田本店に食いに行ったんじゃないか?”とみんなに噂されてたみたいで(笑)。
柳田:セッティングの最中に「あ、ちょっと……」って急に飛び出ていったから。もしも、“ちょっと浮かばないからラーメン食いに行ってくるわ”って話だったら、めっちゃロックだなと思って(笑)。
吉田:んなわけないでしょ(笑)。
柳田:でもそう言われたら、一周回って「まあいいよ!」って言っちゃいそうだな(笑)。
黒川:ギターソロ、めっちゃカッコいいもんね。
吉田:これは「小3の脳みそで弾いてくれ」と言われて。
柳田:最初、吉田がいろいろ考えてきたギターソロがあって、それもカッコよかったんですけど、小難しかったんですよ。だから「カッコいいけど、1回全部忘れてくれ」って。黒川じゃないですけど、パワー、そしてスピードだ!と。
──このギターソロも含め、早くライブで聴きたいですね。
柳田:冬フェスでは演奏するだろうし、そのあと2023年1月のツアーでも演奏できたらと思います。まだスタジオでも合わせたことがないので、どんな感じになるのか、僕らも楽しみですね。
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