【インタビュー】神はサイコロを振らない、“冬の大三角形”第一弾「キラキラ」に願い「ピュアで真っ直ぐなまま音楽をやっていたい」
神はサイコロを振らないが11月、12月、1月の3ヶ月連続で新曲をデジタルシングルをリリースする。題して、Monthly Winter Release “冬の大三角形”。そのキービジュアルはプロキオン、ベテルギウス、シリウスからなるもので、夜空が美しく輝かしい仕上がりだ。
◆神はサイコロを振らない 画像 / 動画
「いつも楽曲を聴いてくれるリスナーやファンの皆さんの生活を“夜空”だとするならば、この3曲が、この季節にひときわ際立つ“冬の大三角形“のような存在であって欲しい」という願いを込めてリリースされる新曲3曲。その第一弾が恒星プロキオン的存在と位置付けられる「キラキラ」であり、2022年に出演した数々のフェスや、友達から送られてきた高校時代の写真から着想したものだという。結果同曲には、神はサイコロを振らないメンバー4人の、大胆でパワフルでストレートで自由な姿が凝縮された。
BARKSは、神はサイコロを振らないの2022年の足取りを振り返り、この冬リリースされる三部作第一弾「キラキラ」について、じっくりと話を訊いた。
◆ ◆ ◆
■この曲の歌詞が刺さったことによって改めて
■俺、意外と青春を謳歌してたんだなと気づいた
──Major 1st Full Album『事象の地平線』以来のインタビューなので、まず、その間8ヶ月の話を伺えればと。少し前になりますが、アルバムのリリースツアー<Live Tour 2022「事象の地平線」>はいかがでしたか?
桐木:ツアーは全体を通してめっちゃ充実してましたね。1本1本に向き合いながらちゃんと反省して次に活かせたので、すごく実になった2ヶ月間だったし、ファイナルの渋谷(7月17日/東京・LINE CUBE SHIBUYA)もいいライブになったと思います。スタッフさんも含めたチーム感が高まったので、「ここをこうしたいんですよね」という話をしながら、お互いに高め合えたような感覚があって。そういうコミュニケーションも大事だなと実感しましたね。
──今年春から夏には、フェスやイベントにたくさん出演していましたね。
柳田:<OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2022>の時がすごかったんですよ。お客さん、一番後ろが見えないくらいたくさんいて、「跳べ!」って言ったら全員跳んでくれたので、「これは夢なのかな?」と思って。盛り上がれば勝ちというわけでもないですが、聴かせる曲ではちゃんと聴かせる一方、ライブチューンではこういう景色を作っていきたいと改めて思いました。そこから夏フェスが始まって、最初にその景色を見ちゃったから自分の中でのハードルが上がってたんですけど、フェスによってお客さんの層は違うから、正直悔しい想いをすることもあって。
吉田:やっぱりライブって1本1本違うし、だからこそ難しいなと改めて思いました。“俺たちがいつもブレずにライブをしていれば、お客さんもきっと盛り上がってくれる”という考え方はもう拙いというか。そういう考えでライブをやっても、100点までは行けても、120点にはならないんですよね。例えば、いくつかの現場でライブを観ましたけどSUPER BEAVERの皆さんは毎回アプローチが違って、お客さんの心を掴むのがマジで上手いなあと感動しました。自分たちも“今日のお客さんはこうだから”と1本1本向き合いながら、いいライブを作っていきたいですね。
──ライブ以外では、6月に「六畳の電波塔」、7月に「カラー・リリィの恋文」の配信リリースがありました。『事象の地平線』は20曲入りとフルボリュームでしたが、アルバムを作り終えたあと、燃え尽きたような感覚はありませんでしたか?
柳田:燃え尽きた感は全然なかったですね。確かにフルボリュームではあったけど、コンスタントにリリースしていたものに新曲を加えてまとめたアルバムだったので、僕らとしては、メジャーデビュー以降、制作リズムはずっと変わっていないという感覚で。
黒川:それに、自分たちにできることが増えると、曲をもっと作りたいと、より思うようになるんですよ。作りたい欲はむしろ増しているので、最近は僕と桐木で一緒に曲を作ったりもしています。“リズム隊が曲を作ったらどんな感じになるのかな?”ということで、桐木の家に集まって、2人でちょっとチャレンジしていて。
──いずれはその曲が世に出るかも?
黒川:まあ、採用されたらですけどね(笑)。もしもちゃんと出せるくらいのものを作ることができたら、神サイの曲の幅も広がるんじゃないかと、今頑張っているところです。
──そして2022年11月から2023年1月にかけて『Monthly Winter Release “冬の大三角形”』と題した3ヶ月連続で配信リリースが行われるということで。その第1弾楽曲「キラキラ」が11月25日にデジタルリリースされます。神サイの新たなライブチューンになり得る曲が生まれましたが、柳田さん、こちらはいつ頃作ったんですか?
柳田:10月2日に出演した<ぴあ50thAnniversary PIA MUSIC COMPLEX 2022>が2022年最後の夏フェスだったんですけど、その時に“ライブでこういう曲があったらもっとボルテージが上がるのにな”と思って。ライブが終わったあと、楽屋でずっと歌詞を考えていたし、帰ってからすぐにガーッと書き上げた曲ですね。そのちょっと前に、友達から送られてきた高校時代の写真が曲作りのきっかけになりました。高校生の頃、母校の小学校のプールに侵入したんですけど、そこでみんなでポーズをとっている写真で。
吉田、桐木、黒川:(声を出して笑い始める)
柳田:10代の頃って善悪の判断もまともにできなかったし、本当にノリと勢いだけで生きていたので、その写真を見た時、“懐かしい~!”と思ったんです。
吉田、桐木、黒川:(クスクスと笑っている)
柳田:あの頃の俺、男とばっかり一緒にいたんですよ。坊主だし、ラグビー部だし、モテないし。今思うと“そりゃモテんわな”って感じなんですけど、それでも野郎共とアホなことをするのがすごく楽しくて。そういう青春をまるっと曲にしたいなと思って書き始めた曲なんですよね。
吉田、桐木、黒川:(まだ笑っている)
──さっきからお三方がずっと笑っているのが、何かありそうで怖いんですが(笑)。
吉田:いや、結構強烈な写真なんですよ。最初はその写真をジャケットにしようとしてたんですけど……。
柳田:見ます?(と言いながら写真を見せる)
──あー……これはジャケットにはできないですよね。モザイク入れなきゃいけない。
吉田:僕はデモを聴いた時、まさかこういう写真が元になってる曲だとは思わなくて(笑)。
──「キラキラ」ってタイトル、すごくピュアですしね。
柳田:実は仮タイトルから「キラキラ」だったんですけど、歌詞をどう見返しても「キラキラ」以外考えられなくて。サビ頭の“キラキラしてたいな”という1行に結局この曲の全てが詰まっている気がしたので、いろいろ考えた挙句、1周まわってこれだなと思いましたね。逆に、他に何かあるのかな?ってくらい。
吉田:「ピース&キス」とか?(笑)
桐木、黒川:あはははは!
柳田:それもアリだったかも(笑)。
──キラーフレーズですからね(笑)。要は、“大人になるほど失われてしまいがちな純粋さ”がテーマになっている曲だからこそ、捻ったタイトルをつけるのは違うという話ですよね。
柳田:そうですね。
桐木:確かに、俺も最初は“え? キラキラ?”って思いました。
柳田:あはは、そうだよね。
桐木:でも、ラフミックスの音源を聴いてた時だったかな。ちょうど幼稚園の前を通って、子どもの姿を見た時に“ああ、確かにキラキラしてるわ。可能性は無限大だな”って思ったんですよ。
柳田:なるほど。
桐木:そう思った時に、曲を聴きながらちょっと懐かしい気持ちになれたのも自分にとってはよかったですね。もしも自分が学生時代に青春を謳歌できていなかったら、こういうキラキラした曲に対して、嫉妬や羨ましさが勝っちゃって、拒否反応が起きてたのかなと。この歌詞が刺さったことによって、改めて“俺、学生時代、意外と青春を謳歌してたんだな”と気づけました。
──斬新な解釈ですね。
桐木:もしかしたら、今ネガティヴなことをついつい考えてしまう人もいるかもしれないですけど、深刻に考えすぎず、この曲を聴いて“こういう考え方もあるんだ”というふうに捉えてもらえればと思います。
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