【ライヴレポート】MUCCの逹瑯、ソロ初ツアーのファイナルで「もっと尖っていたい」
MUCCの逹瑯が2月12日、神奈川・KT Zepp Yokohamaでソロ初ツアー<First Solo Tour『はじめまして逹瑯です。』>のファイナル公演を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆逹瑯 画像
ツアー<First Solo Tour『はじめまして逹瑯です。』>は1月15日および16日の東京・新宿LOFT公演を皮切りに、2月4日に東京・Spotify O-EASTで実施。大阪BIG CATおよび名古屋E.L.L.公演はコロナの影響で延期となっている。そして、KT Zepp Yokohamaはソロ始動発表の大反響を受けて組み込まれた追加公演となるもの。2022年2月2日、ソロデビュー作として2枚同時リリースした1st アルバム『=(equal)』『非科学方程式』収録楽曲の数々を混ぜ、新境地を提示したワンマン有観客公演だ。
ライヴは強烈なギターリフが轟く「CRASH MAN」から幕開け。ステージに立つ逹瑯は威風堂々と歌を力強く響かせ、序盤から会場のヴォルテージを突き上げる。続く「New Chaotic Paradise」では一文字区切りのストレートな歌い回しによるAメロが印象的。楽曲の豊かな構成とアンサンブルを駆け抜けた。アルバム『=(equal)』収録1〜2曲目の連投に続いては、逹瑯のラップが胸に彫り込まれるような「TATTOO」へ。オーディエンスは一斉に右手を上げて多幸感あふれるムーブが賑わいを見せた。
豪華な逹瑯バンドのグルーヴからはツアーで培った成長がビシビシと伝わってくるようだ。SORA(Dr:DEZERT)、Masa(B:NOCTURNAL BLOODLUSTのビートとボトムは強固。海(G:vistlip)と奈緒(G:アルルカン)のツインギターによるアンサンブルは表現力豊か。足立房文(Key)はプレイと立ち振る舞いでバンマスらしい存在感を示した。それらバンドメンバーへの信頼が、逹瑯の新たなスタイルを縦横無尽に解き放つ。
ライヴ前半から立ち込めていた熱気は、Ken(L’Arc〜en〜Ciel)の楽曲提供による「the love letter feat. DURAN」でさらに膨張した。CDおよび配信音源では“feat. DURAN”だがライヴでは逹瑯一人で歌う同曲では、逹瑯の声の特徴が最大限に生かされてエモーショナル。観る者の感情が大きく揺さぶられた。
MCで逹瑯は、アルバム2枚同時リリースについて、1stツアーでフルサイズワンマンができたことについて、真摯に感謝の意を伝えた。そしてバンドメンバーを紹介しつつ、これから先の“逹瑯ソロツアーファミリー”の展望に触れるなど、今後のソロ活動への期待感を高めてくれた。
ライヴ中盤はスタイリッシュなポップテイストの「DYSTOPIA」、煌々としたダンサンブルなビートで攻める「frigidity」、「壊れたピアノ」ではダイナミズムの広さも妖艶さも聴かせるなど、多彩なソロアルバムがヴィヴィッド輝くライヴ空間を演出した。
「ソロを始めてわかること、気づくことがたくさんあった」とはMCでの逹瑯の弁だ。「いろんなことに気づけただけでも、新しいことはやる価値があると思いました。フルサイズのワンマンをもっとやりたい」と感謝と熱意をオーディエンスに伝えた。さらに、「いろんな種を蒔いて、いろんな花がこれから先の未来、枯れるまで咲き続けていってほしいなと思います」という言葉を添えて、「bloom」へ。後藤泰観の煌びやかなヴァイオリンの音色が逹瑯のヴォーカルと絶好に絡み合い、美しいサウンドをKT Zepp Yokohamaに描いた。
「なんかいい感じになってきた」と逹瑯がふと放った言葉通り、続くテンポアップな「Mr.Countdown」からヴォルテージがさらに上昇。「新世界」ではフロアの一体感を生み出した。ソリッドで清涼感を帯びたポップチューン「compass」ではバンドサウンドが疾走。「新しい未来へ!」という逹瑯の叫びと共に演奏されたアグレッシヴな「cherry blossom」は逹瑯のシャウトと足立の繊細な鍵盤プレイのコントラストが見事だ。そして「door」でライヴが最高潮に。本編ラストはアルバム『非科学方程式』のラストトラック「朱色の月」。美しくドラマティックな楽曲を最後に逹瑯がステージを去った。
迎えたアンコールは3曲。「what if」に続いて、アルバム『非科学方程式』リード曲「赤い糸」は深い情念が込められつつ、衝撃の楽曲展開が生々しい。そして、ツアーの最後を飾るナンバーは逹瑯、足立、後藤の3ピース編成で『=(equal)』収録曲「good night」。しっとりと締めくくられた。
逹瑯ソロ初ツアーファイナルは、逹瑯が走り出した未来、まだ見ぬ世界への期待を広げてくれた。本編MCで逹瑯は、「もっとライヴをやりたい。もっと尖っていたいね! “あれがあって、こうなれたこともあったよね”という話を一つでも多く作れるように、一歩一歩進んでいけたらいいなと思っております」と語った。常に音楽を追求し、20年以上進化を遂げてきたMUCCのボーカリスト逹瑯は、ソロ初ツアーでも唯一無二の存在感を示した。その新境地は、極めて深い高揚感に満たされたものであった。
撮影◎冨田味我
■<First Solo Tour『はじめまして逹瑯です。』>2022年2月12日@KT Zepp Yokohamaセットリスト
02. New Chaotic Paradise
03. TATTOO
04. DESIRE
05. the love letter
06. DYSTOPIA
07. surrender
08. frigidity
09. 壊れたピアノ
10. bloom
11. Mr.Countdown
12. 新世界
13. 無限の花
14. compass
15. cherry blossom
16. door
17. 朱色の月
encore
en1. what if
en2. 赤い糸
en3. good night
■<First Solo Tour 『はじめまして逹瑯です。』>振替公演
変更前:1月28日(金) 大阪BIGCAT
1部showcase『非科学方程式』open17:00 / start17:30
2部showcase『=(equal)』open19:30 / start20:00
↓
変更後:4月11日(月) 大阪BIGCAT
1部showcase『非科学方程式』open16:30 / start17:00
2部showcase『=(equal)』open19:00 / start19:30
▼名古屋公演
変更前:1月29日(土) 名古屋E.L.L.
1部showcase『=(equal)』open17:00 /start17:30
2部showcase『非科学方程式』open19:30 / start20:00
↓
変更後:4月19日(火) 名古屋E.L.L..
1部showcase『=(equal)』open16:30 / start17:00
2部showcase『非科学方程式』open19:00 / start19:30
■振替のご案内■
※振替にあたり、開場、開演時間の変更がございます。現在お持ちのチケットは有効になります。
※残念ながら延期日程の都合が合わずご来場になれない、辞退するというお客様のため、返金の対応をさせていただきます。チケットの払い戻しをご希望のお客様は、払い戻し詳細をご確認の上、期間内にお手続きをお願いいたします。
https://www.tatsuro-soloworks.jp/news/articles/27
▼名古屋・大阪振替公演バンドメンバー
海(G:vistlip)
奈緒(G:アルルカン)
Masa(B:NOCTURNAL BLOODLUST)
宏崇(Dr)
後藤泰観(Vn)
足立房文(Key)
※SORA(Dr)のスケジュール調整が適わず、ドラムが宏崇に変更になっております。
■逹瑯インストアイベント
2月21日(月)19:00〜 天王寺ミオ本館12Fミオホール ※1月27日の振替
2月22日(火)18:00〜 名古屋fiveStars ※1月30日の振替
https://www.tatsuro-soloworks.jp/schedule
■MUCC ニューアルバム『タイトル未定』
収録曲:未定
■<MUCC TOUR 2022「 」〜Beginning of the 25th Anniversary〜>
6月12日(日) 水戸VOICE
6月18日(土) 新潟LOTS
6月19日(日) 金沢EIGHT HALL
6月25日(土) 神戸Harbor Studio
6月26日(日) 大阪 BIG CAT
7月02日(土) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
7月03日(日) 高松 festhalle
7月10日(日) 仙台 GIGS
7月16日(土) 札幌 cube garden
7月17日(日) 札幌 cube garden
7月23日(土) 浜松 窓枠
7月24日(日) 名古屋 ダイアモンドホール
7月26日(火) 京都 KBSホール
7月30日(土) 福岡 BEAT STATION
7月31日(日) 福岡 BEAT STATION
8月19日(金) Zepp Nagoya
8月21日(日) Zepp Osaka Bayside
8月28日(日) Zepp DiverCity Tokyo
※チケット詳細等は後日
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