【インタビュー】703号室の“オハコうた”は?
十八番(オハコ)をテーマに、アーティストの素顔と魅力に迫るTOKYO MXの音楽番組『Artist#18File』。2月は703号室の岡谷柚奈が登場し、衝撃を受けたというオハコうたや自身の音楽観などについてトーク。歌声はもちろん、芯の強さを感じさせる言葉のひとつひとつやチャーミングな笑顔にもぜひ注目して欲しい。
◆ ◆ ◆
──日食なつこさんの「水流のロック」をオハコうたに選んだ理由を聞かせてください。
岡谷柚奈:まず、この曲がとにかく大好きなんです。カラオケに行くと3回は歌っていますね(笑)。関ジャニ∞さんの番組でMVを見たのがきっかけなんですが、日食さんの弾くピアノはギターもベースもリズムも全部が鳴っているように聴こえたし、キャッチーだけど高低差の激しいメロディーをカッコよく歌い上げている。衝撃でした。好きな女性アーティストはたくさんいるけど、自分もこんな風になりたい!と憧れたアーティストは日食なつこさんが初めてでした。
──ご自身のボイストレーニングでもこの曲を歌われているそうですね。
岡谷柚奈:はい。こんなに好きなのに、自分にとってはすごく表現しにくい曲だったんですね。ファルセットとミックスボイスと地声の切り替えがすごく難しいので、苦手を克服するという意味で、先生に見てもらったりもしています。学生時代、何度かライブでも歌わせていただいていたんですが、今回は初めて原曲キーで歌わせていただきます。
──もう1曲は703号室の代表曲でもある「偽物勇者」。動画の再生回数が1,600万回を超えていますが、この反響をどうご覧になっていますか?
岡谷柚奈:とても嬉しいことですが、掴みたい夢はもっと先にあるので実は悔しさの方が強いんです。同じくらいの再生回数の曲は世の中にたくさんあるから、言ってみれば1番ではないじゃないですか?(自分に)自信は全然ないけど、音楽で生きていきたいという気持ちはすごくある。やるからには1番になりたいし、かっこいいって思われる人になりたいので、(この曲に限らず、再生回数として見たら)悔しい気持ちの方が今はまだ強くありますね。
──この曲はSNSでの誹謗中傷がテーマになっているそうですね。
岡谷柚奈:Twitterが流行り出した頃私は中高生で、誹謗中傷、アンチ、炎上を目の当たりにしながら成長してきたんです。それに対してずっとイライラしていたけど、ある日仲の良い友達がアンチコメントをしていると知って。ショックを受けたけど、話を聞いてみるとその子にはその子なりの正義があることが分かったんです。正義と悪、陰と陽、白と黒など、実は見ている角度が違うだけで本当はひとつなんだなって思ったんですよ。理解はできなくても、せめて相手の正義を受け止める心を全員が持てたら、またひとつになっていけるんじゃないかなって、そんな願いも込めて作りました。
──3曲目も703号室のオリジナル曲で「花笑む」。とても素敵なタイトルですね。
岡谷柚奈:この曲を作ったのが、平成最後の日だったんです。新しい時代の変わり目なので古くから紡がれてきた言葉を使いたいと思い、古語の中から選びました。その日は散歩をしながら街の空気を感じたり、天皇陛下のお言葉を聞いたりしながら時代の変わり目に立ち会っていることを実感していました。私は平成生まれですが、これまでを振り返って考えると、自分も含め同世代は自分に自信がないって人が多いということも感じたんです。令和という時代は、一人一人が自分らしく咲き誇る時代になって欲しい。自分も、自分らしく自分の道を突き進んで、それが連鎖してみんな笑顔になったらいいなっていう想いを込めました。今回は、その時に出てきた感情を大切にしながら歌いたいなと思っています。
取材・文:山田邦子
TOKYO MX『Artist#18File』
毎週火曜 21:54~ (再放送:毎週日曜 12:50~)
※スマートフォン用アプリ/Webサイト「エムキャス」(https://mcas.jp/)で同時配信
福井放送
毎週木曜 24:54~
※時間変更の場合あり
テレビ金沢
毎週金曜 25:59~
※時間変更の場合あり
2月ゲストアーティスト:703号室
配信情報
配信中
https://linkco.re/QMa65BsH