【ライブレポート】“エンターテイナー”オーイシマサヨシ「20年やってもまだ音楽あきひんねん」

ポスト

オーイシマサヨシとはいったい何者なのか──。

◆ライブ画像

2001年に3ピースバンド、Sound Scheduleのギター&ヴォーカルとしてメジャーデビューを果たし、2年後には『ミュージックステーション』にも出演。2008年にはソロのシンガーソングライター“大石昌良”としてデビュー。アコースティックギターの弾き語りでの日本一を目指し始め、2014年からはアニメ、ゲーム、特撮ソングに特化した“オーイシマサヨシ”名義での活動をスタート。

2017年には大石昌良名義で作詞作編曲を手がけたアニメ『けものフレンズ』オープニング主題歌の「ようこそジャパリパークへ」が社会現象と言えるほどの大ヒットとなり、その後もサウンドプロデューサーであるTom-H@ckとのデジタルロックユニット・OxTとして制作したアニメ『SSSS.GRIDMAN』オープニング主題歌の「UNION」など、ヒットを連発。この時点ですでに4つの名義があるわけだが、さらに、「キンカン」のCMにも登場し、自称“アニソン界のおしゃべりクソメガネ”としてMCもこなし、Twitterのトレンドを賑わすことも多い。

ここで再び、冒頭の問いに返る。オーイシマサヨシとはいったい何者なのか──。その答えが、カタカナ名義でのデビューから8年目にしてリリースされた1stアルバムとワンマンライブに冠として掲げられたタイトルにある。オーイシマサヨシは、自身の音楽を通して人を喜ばせたり、驚かせたり、感動させたりすることが大好きな『エンターテイナー』なのだ。


2021年8月25日に1stアルバム『エンターテイナー』をリリースしたオーイシマサヨシは、9月19日(日)に“オーイシマサヨシ”のキャリアでは最大規模となるパシフィコ横浜で有観客&生配信のハイブリットライブ<オーイシマサヨシ ワンマンライブ「エンターテイナー」>を開催した。ステージ上には巨大なLEDスクリーンが設置されており、そこには開演前からツイッター勢、オンライン勢、現地勢を含むファンからの多数のコメントが流されていた。

開演時間になると、ステージ中央に置かれたボックスの幕の隙間から顔だけを覗かせて歌い出し、エンターテイナーとして生きていく覚悟と決意を込めたタイトル曲「エンターテイナー」でショウをスタートさせた。会場からゴスペルのような喜びに満ちたクラップが沸き起こる中、黒子のダンサーが持ち込んだパネルを使って箒に乗って空を飛んで見せ、日常とは別の場所へと誘った。さらに、アニメ『SSSS.DYNAZENON』のオープニング主題歌「インパーフェクト」から『トミカ絆合体 アースグランナー』のオープニング主題歌「世界が君を必要とする時が来たんだ」と朝のエネルギーを感じるヒーローソングでパワーと勇気を全力で届けると、客席は総立ちとなって拳を振り上げ、大盛り上がりとなった。


最初のMCでは、トーク中に配信ライブの値段である「#オーイシ1000円」が日本トレンド1位、世界トレンド2位を獲得したことを報告。LEDスクリーンの前に立ち、「みんなのコメントを浴びていたら光のエネルギーが満ち満ちてきたぞ! みんなの絆のエネルギーがどんどん溜まっていく」と語って変身ポーズを決めると、ウルトラマンロッソとウルトラマンブルが登場。特撮ドラマ『ウルトラマンR/B(ルーブ)』のオープニング主題歌「Hands」を一緒にパフォーマンスし、WEBアニメ『パワフルプロ野球 パワフル高校編』の主題歌「パワフルバディ」ではオーイシが赤いバットを振り抜き、見事なホームランをロックにかっ飛ばした。

ここで突然、「オーイシのこと、なんだと思ってる?」を問うTwitterアンケートを実施。5分間という短い募集ではあったが、アニソンシンガー35%/司会業の人4%/推しの友達23%/Twitter芸人38%という結果で、「ツイッター芸人」に決定。バンドメンバーからも拍手が起こったが、「僕はね、Twitter芸人ではありません! 金冠堂の広告宣伝次長です!」と宣言。ダンサーとともにキンカンを持って「キンカンのうた2020」を歌い踊り、ムード歌謡「沼」ではピンクの羽根に囲まれ、アニメ『多田くんは恋をしない』のオープニング主題歌「オトモダチフィルム」では、LEDスクリーン上が「俺も!」の合いの手で溢れかえる事態に。


さらに、スクリーンに花火が上がり、ステージ上に提灯が設置された「モラリトリアムダンスフロア」では、真っ赤な法被に早着替えしたオーイシが巨大な和太鼓を叩き、「神或アルゴリズム(feat.りりあ。)」は、紗幕越しのシルエットでダンサーとデュエットを再現。「楽園都市」ではこの日、初めてアコギを手にしてラテンやジャズのステップを見せるなど、1曲たりとも目を離せない演出と多彩なサウンドで画面越しの観客を含むすべてのオーディエンスを楽しませた。

また、ライブ中盤には、「いつの間にか、カタカナのオーイシマサヨシを立ち上げて7周年を迎えました。周年で言うと、9月19日、本日は漢字の大石昌良さんがSound scheduleでデビューした日なんですね。20周年。芸歴20年です。20年やっても、まだ音楽あきひんねん。病気やと思う。みなさん、ついてきてくれてどうもありがとうございます」とこれまでの歩みを振り返る場面もあった。


ここから、漢字の大石昌良なみの超絶技巧を魅せるのか? と思いきや、「お風呂にする? ご飯にする? それとも僕と寝る〜〜?」と言うセリフを発して「枕男子」に突入。“電気消して”というフレーズを真に受けた照明さんが会場の電気を消すというコントを展開すると、さらに、一転して観客を座らせて、「膝枕の曲」と紹介したバラード「ぼうやの夢よ」をしっとりと優しく歌唱。またまた一転し、本編の最終盤は、『モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け』の主題歌「英雄の歌」からアニメ『ドラゴン、家を買う。』のオープニング主題歌「ロールプレイング」という、軽やかながらも重厚さがあり、聴き手の心に幸せとは何か? を問いかけるエールソングを高らかに歌い上げ、アニメ『月刊少女野崎くん』のオープニング主題歌「君じゃなきゃダメみたい」でアコギを叩き鳴らし、“パシフィコじゃなきゃダメみたい”と歌詞を変えて歌って観客の心と体を弾ませ、本編は熱狂のうちに締め括られた。

アンコールでは「学園天国」のカバーに続き、オーイシマサヨシ×加藤純一「ドラゴンエネルギー」をLEDスクリーン上の配信者・加藤純一AAとデュエット。そして、最後に、“仮歌が得意なフレンズ”のオーイシお兄さんとして「ようこそジャパリパークへ」を熱唱。「今後もね、いろんな形でライブすると思いますけど、今日は今日かしかできない夜だったと思います。またみんなで集まって、いっぱい笑顔になったり、いっぱい泣いたり、いっぱい手拍子したり、いろんなことをしながら、みんなと楽しい時間を過ごしていきたいと思います」と語り、「本当にありがとうございます」と何度も感謝の気持ちを伝え、大団円という言葉が似合う大きな拍手に包まれる中で、オーイシマサヨシのエンターテインメントに満ちたショウは幕を閉じた。

取材・文◎永堀アツオ
写真◎大参久人

セットリスト

1. エンターテイナー
2. インパーフェクト
3. 世界が君を必要とする時が来たんだ
4. Hands
5. パワフルバディ
6. キンカンのうた2020
7. 沼
8. オトモダチフィルム
9. モラトリアムダンスフロア
10. 神或アルゴリズム(feat.りりあ。)
11. 楽園都市
12. 枕男子
13. ぼうやの夢よ
14. 英雄の歌
15. ロールプレイング
16. 君じゃなきゃダメみたい
17. 学園天国
18. ドラゴンエネルギー
19. ようこそジャパリパークへ

「オーイシ1000円を一緒に観ようの会」生配信

9月26日 17時55分~
オーイシマサヨシ Official Youtube Channelにて
https://youtu.be/twQkQw8995w

※こちらの配信では、オンラインワンマンライブアーカイブ映像はご覧いただけません。
※本動画のアーカイブ配信はありません。

<オーイシマサヨシ ワンマンライブ「エンターテイナー」>アーカイブ配信情報

視聴チケット 1,000円(税込)
※チケット代のほかに別途手数料が掛かります。
▼チケット購入・詳細はこちらから
https://ponycanyon.zaiko.io/e/oishimasayoshi0919

チケット販売期間
2021年9月11日(土)18:00 ~ 2021年9月26日(日)21:00

アーカイブ視聴期間
2021年9月26日(日)23:59まで

◆オーイシマサヨシ(大石昌良) オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報