【インタビュー】-真天地開闢集団-ジグザグ、音源集と映像集に謎を解く鍵「きっとそれがヴィジュアル系の新しいスタイル」

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■音源集を聴いて映像集を観てもらえれば
■どういうバンドか一発でわかってもらえる

──「キーウィのさんぽ道」は1970’sフォークの匂いがある曲で、命さんの奥深さを感じます。では続いて、『ハキュナマタタ』と同時リリースされる映像集『慈愚挫愚 MV集 壱』発売の経緯を教えてください。

龍矢:「MV集を出したい」という話は以前からしていて、ミュージックビデオの本数もだいぶ溜まってきたので、リリースするならこのタイミングかなという感じで。発売日程に関しては二転三転したんですが、結果、『ハキュナマタタ』と同日になったんです。

──全8曲のミュージックビデオとオフショットが収録されていますが、1曲1曲のテイストが異なる映像にアイディアの豊富さもうかがえます。ミュージックビデオ撮影の映像コンセプトなどは、毎回スタッフを交えて綿密に話し合っているのでしょうか?

命:いや。今はほぼ僕らが好き勝手やっているというか、スタッフさんに当日ちょっとお願いして、お手伝いしてもらう感じです(笑)。僕が一旦ロケーションやカメラワークなど諸々決めて。それに対して、龍矢くんがやりながら意見を言ってくれたり、メンバーみんなで思い付いたことを足して作り上げていくという感じです。


──では、こちらも特に印象深い映像を挙げていただけますか?

命:もちろん全部気に入っているミュージックビデオなので、強いて挙げるとすれば、やっぱり「メイドカフェに行きたくて」かな(笑)。

──そうなりますよね。メンバー全員がメイドコスコスプレされていて、かなり衝撃を受けました(一同笑)。女装でもありますし、一大決心だったような気もしますが?

龍矢:いや、そうでもなかったですね。

影丸:すごく楽しかったです。

命:ははは。前ベーシストの脱退がちょうど「メイドカフェに行きたくて」のレコーディング前くらいで、当時の僕らには、もう失うものはなにもないみたいな感覚があったんです。ずっこけた後だから、なんの抵抗もなくやれたのかもしれませんね。『慈愚挫愚 MV集 壱』に収録されたオフショット映像には「メイドカフェに行きたくて」ミュージックビデオ撮影の裏側もあるじゃないですか。それを観てもらうと、誰も嫌々やっていない撮影現場のいい雰囲気が伝わると思います(笑)。

龍矢:僕のイチ押しは「Requiem」。ミュージックビデオは基本的に自分たちで撮って、すべての映像編集を命さんが行なっているんですよ。特に「Requiem」のミュージックビデオはスタッフの数がメンバー合わせて6人くらいだったんですけど。たったその人数で、ここまでのものを作れたということが嬉しいですね。モノクロっぽいけど、実はそうではない色彩感とか退廃的な雰囲気も気に入っています。

影丸:僕も全部のミュージックビデオが好きなんですよね。だから強いて挙げると「忘却の彼方」かな。野外で撮影したんですけど、ドローンを使った空撮映像がすごく好きです。スケールの大きいミュージックビデオになっているので、ぜひ観てほしいですね。



──同感です。個人的には、アニメ仕立ての「さくら さくら」も、すごく美麗でいいなと思いました。

命:「さくら さくら」はミュージックビデオをイメージしたとき、“楽曲そのもののテイストがアニメ主題歌になりそうだな”という発想がまずあって。そうしたら、もうそのイメージしか見えなくなってアニメでいくことにしました。さすがに自分でアニメをつくることは難しいかなと思っていたので、最初はプロのアニメーターにお任せすることも考えたんですが、あまりにも費用がかかって、あまりに期間も必要で。だったら、と僕が作ったんです。

──えっ!? 本当に?

命:はい(笑)。

──ミュージックビデオの映像編集は以前から命さん自身が手掛けていたということですけど、アニメの場合は元になる絵が必要ですよね。それも自身で描かれたということでしょうか?

命:はい。コロナで禊(ライブ)も無くなって、時間も作れたのと、もともと僕は絵が得意なので、やってみたらなんとか一応形になりました、アニメーションは初めてだったのでいろいろ大変でしたけど。

──……今回のインタビューは驚きの連続です。さて、音源集『ハキュナマタタ』と映像集『慈愚挫愚 MV集 壱』は-真天地開闢集団-ジグザグの魅力を満喫できる二作になりました。テレビ番組『有吉反省会』出演等が話題となったことを含めて、リスナーの入り口として最適なアイテムといえます。

命:ここにきて僕らに注目してくれる人が増えていることは感じています。『ハキュナマタタ』を聴いて『慈愚挫愚 MV集 壱』を観てもらえば、僕らがどういうバンドかが一発でわかってもらえると思う。

──注目が集まっている中での良質な二作の同時リリースということで、今後の-真天地開闢集団-ジグザグがさらに勢いを増していく予感がします。

命:そうなれば嬉しいですね。でも、あくまで僕らは媚びないスタンスで、良いと思えることをただやるだけ。その上で、それを聴いた誰かが「好きだ」と思ってくれれば、それはすごく嬉しいなっていう。そこは大事にブレずにやっていきたいですね。

影丸:僕はなんとかこのまま売れ続けて、豪邸に住みたいし、車も買いたい(笑)。その夢が叶えられるように、ジグザグに関するすべてのことに全力で取り組んでいきたいと思っています。

龍矢:今、命さんが話したように、自分たちが好きなことやカッコいいと思えることを3人で追求していきたいですね。それが今、僕らを聴いてくれているファンの人たちが感じているジグザグらしさだと思うので。

取材・文◎村上孝之



■音源集『ハキュナマタタ』

2020年11月25日(水)発売
【CD】CCR-042 ¥1,818(+税)
壱. Requiem
弐. コノハ
参. Guru
四. 拙者忍者、猫忍者。~木天蓼三毛蔵と町娘おりん~
五. キーウィのさんぽ道



■映像集『慈愚挫愚 MV集 壱』

2020年11月25日(水)発売
【Blu-ray】CXR-001 ¥4,091(+税)
壱. 好きになってくれますか
弐. きちゅねのよめいり
参. 復讐は正義
四. メイドカフェに行きたくて
五. Promise
六. さくら さくら
七. 忘却の彼方
八. Requiem
+ OFF SHOT


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