【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY4、10-FEET「気持ちが負けたらあかん。心が負けたらあかん」

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芝生の輝く中津川公園を歩く3人。周りのカメラマンやスタッフから起こる歓声に笑顔で応え、「やりますか!」と気合いを入れるのはTAKUMA。ドラムにスタンバイしたKOUICHIのもとに、NAOKIとTAKUMAが向かい、コブシを合わせた。

◆10-FEET 画像

「おっしゃー、元気出していこう。俺が“イェー!”と言ったら、“タカツンジャーン”みたいな感じで。“タカタカズンジャーン”でもええし」

おそらく普段のライブ前も、そんな感じで3人は軽い打ち合わせをしているに違いない。そんなレアな場面を目撃しながら、TAKUMAの叫び声を合図に10-FEETのステージは始まった。ちなみに“タカツンジャーン”だった。


イントロと同時に「GO!」と威勢のいい声を上げて突入した「VIBES BY VIBES」。普段のライブだったらクラウドサーフも巻き起こるわけだが、今日は無観客状態で収録されたライブだ。しかし目の前にオーディエンスがいなくとも、3人は全身に力を漲らせ、パワーとエネルギーを放出する。そこから続く「SHOES」は寂しい心情が漂う歌詞だが、悲しみの中から見つけた前向きな光も描かれている。久しぶりに野外でデカい音で演奏する気持ち良さが、3人のプレイや歌に満ち溢れ、今日は前向きな光の強さがすさまじく伝わってもくる。

さらに力強く突き進めとばかりに「goes on」を決め、「よっしゃ、行くで。ノドがちぎれるぐらいに。行こうぜ、コロナ禍のその向こうへ!」と「その向こうへ」も叩きつける。心身ともに生き返らせ、いろんなものを充填してくれるのが10-FEETの曲やバンドサウンドだ。





「めっちゃ伸び伸び動いてるやん。ボール置いて、パスしながらやる?」と、NAOKIを見てTAKUMAが笑う。それに「ええね」とKOUICHI、「サッカーできそうやな」と言ったのはNAOKI。「バンドマンオリンピックとかできそう」とさらにTAKUMAはかぶせる。芝生の公園だからこその何気ない会話だが、平和な内容に、日常が少しずつ戻り始めた喜びも感じられた。そしてTAKUMAは「楽しいな、ライブ、やっぱ最高やな」と笑顔も見せる。

そこから続いたのは「シガードッグ」だ。ここ数年、TAKUMAはひとりでアコースティックの弾き語りライブなども行なっていて、それによって歌い方など変わった曲もあるという。この「シガードッグ」はそのひとつかもしれない。抑揚の付け方を音源とは変え、よりハートに伝わるエモーショナルさがある。また「RIVER」では、歌を大事にしながら、ダイナミックさと繊細さを兼ね備えた3人の演奏力も素晴らしい。コロナにより多くのバンドやアーティストが表立った活動を休止せざるを得なくなったが、10-FEETはその期間にバンド力というものを思いっきり成長させたと思う。それを実証させていくライブでもあった。

「はよう、収束したらええな。負けたらあかんで、ほんまに。負けたらあかんで、いろんなところに心が。病気にもウイルスにも負けたらあかんし、気持ちが負けたらあかん。心が負けたらあかん」

コードを軽く響かせながら、画面の向こうのみんなに向けてメッセージしていくTAKUMA。最後には「人を元気にできるパワーを、歌を、音楽を。そんなことばっかり考えて音楽やってます」とも語った。そして始まった「蜃気楼」は、感情を込めるあまり表情は歪み、涙もこぼしそうな、そんな歌い方。配信ライブだからこそ、カメラは間近で3人の姿を捉える。そのおかげで曲も気持ちも通常のライブ以上にダイレクトに入ってきて、心の震えが抑えられない。




「ありがとうとか、ごめんなさいとか、愛してるよとか、戻ってきておくれとか。恥ずかしさを超えて、勇気を出して、その一言を壁を超えて叫ぶことによって、運命を変えれることを心から願っているから。恥ずかしさを超えろ!」

ラストナンバー「ヒトリセカイ」でも次々にメッセージしてくる。精神的にタフで、優しくて、頼りがいのある兄貴たち。そんなステージを終始見せ続けた10-FEETだった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎MASANORI NARUSE

【10-FEET@中津川公園内特設ステージ セットリスト】

01. VIBES BY VIBES
02. SHOES
03. goes on
04. その向こうへ
05. シガードッグ
06. RIVER
07. 蜃気楼
08. ヒトリセカイ

【配信第二週目タイムテーブル】

■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>

▼DAY3
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定

【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/sf/live/festival/ntsb


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