【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY4、民謡クルセイダーズ「素晴らしいですね。ずっと続けている。希望ですね」
二週にわたる<THE SOLAR BUDOKAN 2020>が本日10月4日、最終日を迎えた。多摩あきがわライブフォレストのステージ前に登場したのは、このフェスのオーガナイザーである佐藤タイジだ。ここまで出演したアーティストへの賛辞を送り、改めて「本当にやれてよかった。撮影クルーもバンバン成長しております。来年に向けて、ものすごい経験値を積み上げております」と前人未到、人類初のソーラーによるオンラインフェスを実現させたその手応えを語る。しかし最終日DAY4はこれから。「今日すごいよ、このステージやばいんだよ!」と興奮気味にまくし立てながら、「このバンドを紹介できることが本当に幸せです。このステージの一発目、行くぜ! 尊敬してます、民謡クルセイダーズ!」と愛の言葉たっぷりに、民謡クルセイダーズを紹介した。
◆民謡クルセイダーズ 画像
ギタリストの田中克海と、民謡歌手のフレディ塚本を中心に、東京・福生で結成した民謡クルセイダーズ。日本各地に伝承されてきた民謡と、ラテンのリズムとを融合し、エキゾチックにして日本人のDNAに訴えるハレの音楽を生み出すこのバンドは、今や世界をツアーするバンドとなり、その独自の音楽を共通言語に、昨年は南米コロンビアの音楽フェスにも出演した。彼らの出演は、多彩で豊かなバックボーンを持つアーティストが揃うこの<THE SOLAR BUDOKAN>にぴったりだ。
「みなさんこんにちは。一発目、民謡クルセイダーズがお届けします、ゆっくり楽しんでいってください」という田中の挨拶から突入したのは、「虎女さま」。日本最古の盆踊り民謡と言われるこの曲が、ボンゴ、コンゴ、そしてティンバレスのアッパーなビートにのって新しい咆哮を放つ。打楽器3人に、サックス、トランペット、キーボード、ベース、ギター、そして男女のボーカルによる総勢10名の大所帯バンドにとって、多摩あきがわライブフォレストのステージはやや手狭に見えるが、そんなことは関係なし。のっけから皆、笑顔も弾けるプレイで高揚感を加速させていく。
続く「広島木遣り音頭」は、まだ音源化されていない曲だという。田中の、“ワン、ツー、スリー、フォー”の掛け声で鳴り響くアンサンブルは、グルーヴィにして浮遊感も感じる未体験の気持ちよさだ。Shoji Ishiguroの柔らかに弾むようなベースラインをフレディ塚本のコブシがサーフする。リズムと節回しに自然と身体が動いてしまう。
「世界中のみなさん、こんにちは。呼んでいただいてありがとうございます。いかがですか、みなさん楽しんでますか? きっとお酒片手にいい感じになってると思いますので、楽しんでいってください」という田中の言葉にメンバーも楽しげに笑い、続くは「おてもやん」。トロピカルな打ち込みのビートに、管楽器やウィンドチャイム、電子音の音響が飛び交うキャッチーでユーモラスなサウンドに、女性ボーカルのmegが表情豊かに歌い紡ぐ。合いの手的に入るギターや鍵盤もいいアクセント。アウトロのポップなインプロビゼイションにて別天地に連れだったところで、続くもmegの歌による「安来節」が今度はメロウな空気を満たしていく。中盤はトリップ感が最高だ。
後半は一転し、「真室川音頭」から賑やかなラテンビートでテンションも温度も上げていく。フレディ塚本の艶っぽいボーカルが映えに映えた。日本の民謡とラテンミュージック、生まれた場所も音階も違えど、生活に根ざした音楽だからこそ通じ合うものがあるのだろうか。
「ありがとうございます。民謡クルセイダーズ、こんな感じでやっております」と田中。そしてステージ前の太陽光パネルや蓄電池を指さして、<THE SOLAR BUDOKAN>が太陽から生まれた電気でフェスを行なっていることについて、「素晴らしいですね。それでずっと続けているわけですからね、希望ですね」と語る。そして、民謡クルセイダーズも今後ライブ配信を企画しているそうで、「今年は盆踊りやお祭りができなかったので、オンライン上でみんなで楽しめないかということで、みなさんに携帯などで踊ってもらった映像とライブをコラージュしようと企画しています。この後、タイジさんにも踊ってもらいますよ」とMCする。ちなみに踊ってほしい曲は、次にやる「会津磐梯山」と「炭坑節」だ。
おそらくは、多くの人がどこかで一度は耳にしているであろう曲で、特に“月が出た出た、月が出た、ヨイヨイ”でおなじみの「炭坑節」では、軽快な16ビートのハンドクラップをしながら、“みんなで踊りましょう”と呼びかける。メンバーが盆踊りのように身体を動かし、ステージを嬉しそうに見ていた佐藤タイジもまた笑顔で踊る。“月が出た出た、THE SOLAR BUDOKANに出た” “フォレストに出た”と替え歌し、多摩あきがわライブフォレストをすっかりお祭り会場に変えた。生粋のお祭り男、佐藤タイジがリスペクトする民謡クルセイダーズ。来年はぜひ、観客のみんなで踊りたい。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎柴田恵理
【民謡クルセイダーズ@多摩あきがわライブフォレスト セットリスト】
02. 広島木遣り音頭
03. おてもやん
04. 安来節
05. 真室川音頭
06. 会津磐梯山
07. 炭坑節
【配信第二週目タイムテーブル】
■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定
【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/sf/live/festival/ntsb
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