【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY3、ストレイテナー「このステージに立たせてもらっていることに感謝します」
ストレイテナーは、9月13日に事前収録した中野サンプラザ公演<THE SOLAR BUDOKAN IN SUNPLAZA>に出演。この公演のトップバッターとして佐藤タイジの紹介で登場した4人は、観客の拍手喝采に迎えられた。
◆ストレイテナー 画像
「よろしくお願いします、俺たちストレイテナーって言います」と、ホリエアツシ(Vo/Gt/Key)の挨拶から。観客がいて、いつも通りの挨拶を交わすこの当たり前の光景ですらも、今は新鮮にも感じるし、4人が定位置について楽器を手に取るところから“どんなライブになるんだろう、どんなセットリストでくるんだろう”と気持ちが先走ってしまう感覚だ。いち早く会場で体感した観客は、もっと前のめりだったに違いない。
たっぷりと溜め込んできた気持ちを助走に、1曲目となったライブのキラーチューン「Melodic Storm」の頭から、(大きな声は出せないものの)一気にエネルギーを爆発させた観客の様子も重なって、サウンドはよりエモーショナルに響きわたる。曲の終わりにホリエは「心の声が聞こえました、ありがとうございます」と笑みを見せる。ストレイテナー自身、観客の前でのライブは約8ヵ月ぶりだという。バンドも観客も、高いボルテージでせめぎ合うライブとなりそうだ。
続いては、会場が中野ということで、中央線つながりで「吉祥寺」を選曲。青春を過ごした時を懐古的にも、もう一度心掻き立てるようにも歌う曲が、切なく愛おしく響く。そして歌心あふれる曲から一転、日向秀和(B)のファットなベースとナカヤマシンペイ(Dr)のエネルギッシュなドラムがダイナミックに轟き、「DAY TO DAY」へ。瞬時に聴くものの心を掴むグッドメロディと4人のバンドアンサンブルの妙味を存分に味わえる曲から、ダンサブルな「彩雲」につなぎ、さらには今年4月にリリースされた「Graffiti」へと進んでいく。「Graffiti」は、観客の前で演奏するのはこの日が初めてだという。こんなタイミングに立ち会えるのは観客にとっても喜びだろう。曲の終わりには、会場が大きな拍手に包まれた。
中盤はホリエがキーボードの前に座り、ゆっくりとコードを鳴らす。そこに大山純(G)のギターが加わり、ベース、ドラムと重なって、「Lightning」をメロウに編み上げていった。繊細なコーラスとのハーモニーで高揚する歌が美しい。「Braver」ではさらに、メロディと対をなすようにギターがドラマティックなフレーズを奏で、4人のアンサンブルで壮大な物語を綴るようなカタルシスを味わう。卓越したそれぞれのプレイ、かき鳴らされるそれぞれに独立した音や美しい歌心が、やがてひとつの大きな河となってうねりを帯びていく。そんなイメージを思い浮かばせるようなスケールの大きなサウンドが圧巻だ。そこから、より重厚な「A LONG WAY TO NOWHERE」へとなだれ込む。
「日々状況が変わっていって、こうしてライブができるようになってきて。徐々にですけど、希望が持てるようになってきているのかなと思います。今日ここに至るまで不安や試行錯誤があったと思うけれど、このステージに立たせてもらっていることに感謝します。<THE SOLAR BUDOKAN>の皆さん、ありがとうございます」──ホリエアツシ
とホリエが語ると、会場からはいちだんと大きく長い拍手が起こる。観客もまた彼らと同じ思いを共有していることがわかる瞬間だ。
この<THE SOLAR BUDOKAN IN SUNPLAZA>の直前に、ストレイテナーとしては初の配信ライブ<TITLE COMEBACK SHOW>が実施された。彼らの作品の中でも、特に根強い人気を誇る2ndアルバム『TITLE』(2005年)の再現ライブとなったが、ここではその『TITLE』から「REBIRTH」を披露。ここ最近の曲とは違ったスピード感たっぷりに感情をバーストさせる曲が、このサンプラザでも勢いよく破裂する。ボルテージも最高潮となったところで、ラストは夏の名残をかみしめるような「シーグラス」にて、甘美でセンチメンタルな旋風を起こしたストレイテナー。ステージ中央で4人肩を組み、観客に挨拶する姿にもまたグッときた。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎柴田恵理
【ストレイテナー@中野サンプラザホール セットリスト】
02. 吉祥寺
03. DAY TO DAY
04. 彩雲
05. Graffiti
06. Lightning
07. Braver
08. A LONG WAY TO NOWHERE
09. REBIRTH
10. シーグラス
【配信第二週目タイムテーブル】
■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定
【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/sf/live/festival/ntsb
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