【レポート】＜THE SOLAR BUDOKAN＞DAY3、ヤバイTシャツ屋さん「普段のフェスではやらない曲を」

距離が離れていようとも、目の前には見えなくても、そこには築き上げてきた確かなものがある。そう訴えかけてくるような大熱演をBillboard Live TOKYOから繰り広げてくれたは、ヤバTことヤバイTシャツ屋さんだ。

◆ヤバイTシャツ屋さん 画像

いきなり鋭いキラーチューン「かわE」をドロップし、心躍るスタートダッシュを決めた3人。無観客での収録ではあったが、普段と何も変わることない前のめりなパフォーマンスだ。現場で培ってきた信頼があるからこそ、彼らの目の前にはお客さんが見えており、声援が聞こえているのだのだろう。




こやまたくや(Vo,G)は「いきますよ！　一緒に歌おう！」と声を上げ、しばたありぼぼ(B,Vo)は両手を耳に当て歓声を受け止める仕草を見せる。もちろん、そのタイトル通りの衝撃が響く「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」に入っても当然のように加速。躊躇なく振り切ることができる彼らだからこその突き抜けた快感がどこまでも気持ちいい。

激しく覚醒し、中盤にはこやまがコール＆レスポンスを投げかけた「貴志駅周辺なんもない(増税ver.)」でより興奮を呼び起こすだけに留まらず、「まだまだいくぞ」ともりもりもと(Dr)がオーディエンスを煽る声を上げてた。さらに「はたちのうた」、問答無用でテンションをぶち上げる「あつまれ！パーティーピーポー」と続ける様は痛快のひと言だ。





こやまが「全カットしてもらっていいですか？」と懇願した普通の会話風MCの後、「普段フェスではやらない曲をセレクトした」という説明から奏でたのはミドルバラード「肩 have a good day -2018 ver-」だった。叩きつけるように炸裂させた前半戦とは打って変わった、しっとりとしたムード。彼らの違った魅力に気づいた人も多かったのではないだろうか。

そして、そこからラストまでは破竹の快進撃。曲中にしばたが嬉しそうに飛び跳ね、それを見てもりもとも笑顔になった高速チューン「無線LANばり便利」、シリアスに疾走し、一心不乱にプレイするメンバーの姿にもグッときた「ヤバみ」、男女の関係を彼ららしいシャレのきいた視点で着目した「癒着☆NIGHT」と矢継ぎ早に繰り出していき、圧巻のフィナーレを飾ったのは代表曲でもある「ハッピーウェディング前ソング」だ。



同曲ではステージ後方の幕が開き、自然光に包まれた彼らの熱狂ぶりが凄まじい。サビ前の“キッス！キッス！キッス！キッス！キッス！キッス！キッス！ からの入籍！入籍！入籍！入籍！入籍！入籍！”という大合唱が会場中に鳴り響いてるような空気になっていったのだ。

ステージから去る際、「来年は中津川でお会いしましょう！」と叫んだこやま。その約束が果たされることを今から熱望してやまないライブとなった。

取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎上山陽介