キンクスのレイ・デイヴィス「“ウォータールー・サンセット”はリリースしたくなかった」

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Photo by Alex Lake

キンクスが1967年にシングル・リリースした「Waterloo Sunset」は彼らの代表曲の1つとなったが、フロントマンのレイ・デイヴィスは当初、これは家族のためのもので、世には出したくないと感傷的な想いを抱いていたという。

彼は英国の音楽誌『MOJO』のインタビューで、完成した同曲のアセテート盤を聴いたときのことについてこう振り返った。「家族が集まってたんだ。姉がオーストラリアから来てて、姪のジャッキーや甥たちもいた。僕は彼らを前にこのアセテートを20回くらいかけた。“これは僕らのものだ。リリースしたくない”って言ったんだよ。僕にとってとても大切だった……。僕が優れたビジネスマンじゃないってことを証明してるね。自分たちだけのものにしたかったんだ」

しかしながら「Waterloo Sunset」はすぐにリリースされ、多くの人たちがこの曲に共感を抱くようになったのを嬉しく思っているという。「人々が理にかなった形でこれと繋がりを持ってくれたのは嬉しい。“これを作ったのはあなたですか? 僕が作りたかった”って言われるのはこの上ない。曲作りの褒美は金じゃない……。他の人たちから認められることだ。共感だよ」「“Waterloo Sunset”を作っていなかったらって想像すると……、どれほど僕の人生は虚しかったことか」

レイ・デイヴィスが作詞作曲/プロデュースした「Waterloo Sunset」は、キンクスの5枚目のスタジオ・アルバム『Something Else By the Kinks』(1967年)に収録。アルバムのリリースに先駆けシングル・カットされ英国では2位につけた。

Ako Suzuki
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