【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY2、Nothing’s Carved In Stone「信念のあるフェス、稀有なイベントだと思っています」
薄暗いステージに並ぶエフェクターと、そのスイッチを踏む足元。生方真一(G)の鳴らすギターサウンドを合図に、村松 拓(Vo, G)、日向秀和(B)、大喜多崇規(Dr)も、軽く音出しを始める。セッションのように呼吸を合わせたところで、Nothing's Carved In Stoneのステージは始まった。
◆Nothing’s Carved In Stone 画像
彼らが1曲目に選んだのは、8月に発表したセルフカバーアルバム『Futures』からの「NEW HORIZON」。メンバーの後ろ側には、ガラスを通して東京の景色が広がっている。まるで天空のステージで響かせるようなライブだ。そこから未来に向けた咆哮とも言える楽曲を轟かせる姿は、とてつもなくカッコいい。
さら続くのは、やはり『Futures』に収録された曲の数々だ。そこには1970年代のブリティッシュロックの魅力もあれば、メンバーがパンクを通してリアルタイムで育んできた熱いエネルギーも流れている。またメンバーそれぞれがテクニカルなミュージシャンだが、彼らのテクは人に見せるワザとしてではなく、自身の感情を伝えるためにある。豪快なプレイといいグルーヴといい、こちらの気持ちを見事にかき乱してくれる。そして村松のソウルシンガーにも通じるようなエモーショナルで力強い歌声は、こちらの魂を直撃する。
「呼んでいただき光栄です。Nothing's Careved In Stoneです。最後までよろしくお願いします」──村松 拓
村松の短い挨拶を挟んで突入したのは「Midnight Train」。大喜多の刻むリズムに、日向のスラップ奏法が絡み、生方がリズミックに分散和音を奏でる。洗練されたアンサンブルだが、しかしナッシングス流のグルーヴはしっかりと貫かれる。ミッドナイトにはまだまだ早いが、メンバーの後方に広がるのは、すっかり暗くなった東京の夜景。ビルの明かりも色鮮やかだ。ライブでありながら、曲調と相まってミュージックビデオのように絵になっている4人でもある。
とはいえ「Milestone」では、起伏ある流れを作りながらギターソロを炸裂させる生方。嬉しそうな表情を見せながらとんでもないフレージングで攻める日向。恐ろしい手数で曲を熱く彩る大喜多の姿も。
「ライブしているのが当たり前だった毎日ではなくなって…。今日、目の前にお客さんいないですけど、ここに集まっている人たちの前で演奏するだけで、やっぱ気持ちいいな。今回は中津川という名前が取れて、<THE SOLAR BUDOKAN>になってますけど、信念のあるフェス、稀有なイベントだと思っています。毎年出させていただいていて、今年、カメラ越しですけど、ステージに立てて嬉しいです。俺らは音楽をやりたくてやっているんで、発信し続けていけたらいいなと。くよくよしていてもしょうがないんで、変わらずいつも通りやっていきます」──村松 拓
その言葉から始まったのは新曲「Dream in the Dark」。その曲名からも分かるように、暗闇の中から見つけ出した夢や光などが描かれている。サビを歌い終えた村松は、力の入った表情で「行こうぜ!」と、みんなの背中を押すようにメッセージを投げた。
「最高だな。またライブします。そのときまで、みなさん、元気で」──村松 拓
今度は生のライブで会うことを約束して、ラストは『Futures』でも最後を締めくくっていた「BLUE SHADOW」へ。不安や葛藤があっても、まずは自分を信じて行動を起こせ。そんなメッセージが詞に込められている。こんな状況が半年以上も続いている今だからこそ、さらに意味を持って響いてくる。ライブならではの生々しいナッシングスサウンドと一緒になって、こっちの気持ちを覚醒し続けていった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎柴田恵理
【Nothing’s Carved In Stone@Billboard Live TOKYO セットリスト】
02. YOUTH City
03. Spirit Inspiration
04. Midnight Train
05. Milestone
06. Out of Control
07. Dream in the Dark
08. BLUE SHADOW
【配信第一週目タイムテーブル】
■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>
9月26日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:シアターブルック / a flood of circle / 怒髪天 / 奥田民生 / 田島貴男 (ORIGINAL LOVE) / PUSHIM with HOME GROWN / 小坂忠 with SOLAR JAM (佐藤タイジ・KenKen・Dr.kyOn・沼澤尚) / NOTHING BUT THE FUNK (US)
▼DAY2
9月27日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:ACIDMAN / the band apart / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / 武藤昭平with ウエノコウジ / Nothing’s Carved In Stone / ROVO / The Sunpaulo / Cian Ciaran from Super Furry Animals (UK)
▼DAY3
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定
【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/tsb20-st/
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