【インタビュー】Mary's Blood、初のカバー盤『Re>Animator』完成「コスプレと近しいところがある」
8月26日、Mary's Bloodにとって初のカヴァー・アルバム『Re>Animator』が発売を迎える。しかもそこに収録されているのは、人気アニメとかかわりの深い曲ばかり。とはいえいずれもいわゆるアニソンの枠にとどまるものではなく、彼女たちのロック・バンドとしての本質や特性といったものを改めて浮き彫りにしてくれるかのような興味深さの伴った内容となっている。
◆Mary's Blood 画像 / 動画
今回の取材時、メンバーたちは最新のアーティスト写真とまったく同じコスチュームに身を包んで目の前に現れた。「まさか写真とまったく同じ姿で登場するとは!」と筆者が驚きを口にすると、EYEは「いえ、これは普段着ですから」と言い、全員が笑う。もちろん冗談だが、これは意外と重要なところを突いているかもしれない。なにしろ何かになりきったコスプレイヤーたちのように、4人はこうした色とりどりの楽曲たちを着こなしているのだから。
◆ ◆ ◆
■バンド系のアニソンというか
■そういう曲中心のラインナップに
──まずは何より、今回こうした作品を作ることになった経緯を教えてください。
EYE:では、私が代表して(笑)。私は普段、趣味でコスプレをやってたりするんですけど、Mary’s Bloodには恒例のハロウィン・ライヴというのがあって、その時にメンバーにも付き合ってもらいながらガチコス・ライヴをやっていて、いろいろとアニメの主題歌をカヴァー演奏したことがあって。それを観てくださっていたレコード会社の方から「アニメとか好きなんだったら、カヴァー・アルバムとかどう?」という提案をいただいて。ちょうど去年がバンドの10周年でひとつの節目を迎えたこともあるし、このタイミングでちょっと趣向を変えてやってみようか、ということで今回このアルバムを作ることになったんです。
──EYEさんにとっては、いつかやってみたかったことのひとつでもあったわけですか?
EYE:そうですね。個人的にもアニソンとかは好きで聴いてたりしますし、聴きながら“この曲、こういうふうにアレンジが変わったら面白そうだな”とか、いろいろ思ったりもしてましたし。正直、まさか自分のバンドでやることになるとは思ってませんでしたけど、この話が決まった時は嬉しかったですね。
▲EYE (Vo) |
MARI:まあ、好きですけどね。もちろん普段することはないですけど(笑)、このバンドでそうやってたまにコスプレする機会があると、やっぱり写真も撮りたくなるし、その格好でライヴをやるっていうのもすごく新鮮で楽しいし。だから実は毎年、楽しみにしてるんです。で、そのハロウィン・ライヴというのも結構恒例になってきていて、アニソン・カヴァーのレパートリーも年々増えてきてたんで、いつかそれを何かしらの形で作品とか映像とかに繋げられないかな、とは思ってました。
RIO:私は、特にコスプレ趣味はないんですけど……
EYE:なんか、完全にコスプレの話になってますね(笑)。
RIO:でも、コスプレイヤーをやってる友達もいたりするんですね。ただ、まさか自分がそれをやる側に立つことになるなんて思ってはいなかったんです。でも、楽しいんですよね。なんか、いつもと違う自分になれるっていうか。
──非日常を味わえる、みたいな。いわゆるステージ衣装を着るのとも感覚的には違うわけですよね?
RIO:そうですね。ステージ衣装を着てる時というのは完全に“Mary’s BloodのRIO”じゃないですか。でもコスプレの衣装を着るとそのキャラクターになりきれるというか。その衣装によっては、こんな自分でもなんか少しおしとやかになれたような気分になれたりするんですよ(笑)。そういうところが結構楽しくて、私は好きです。
▲RIO (B) |
RIO:あ、間違えました(笑)。逆にしましょう。普段はおしとやかなのに衣装によっては、ということに(笑)。
SAKI:ふふっ、私は、アニメは普通に好きなんですね。今回の選曲に関係のあるところで言うと、『魔法少女まどか☆マギカ』とかはすごく好きで見てたりもしたし。ただ、コスプレはなかなかやる機会もなかったし、実際やったこともなかったんですけど、ハロウィンの時はEYEちゃんが毎回そのための衣装を作ってきてくれて、ウィッグとかも被ったりして……なんか楽しいですね。自分ひとりでやるとなると、技術もないのでなかなか難しいでしょうけど。
──何人かでやることで可能になること、というのもあるんでしょうね。コスプレの件はさておき、今回はアニソンのカヴァー集ということで、正直なところあまりアニメに詳しくない僕にとっては未知の曲ばかりなんじゃないかと思っていたんですが、正直、驚かされました。そうか、これもアニソンとして分類可能なのか、というような曲が多々あって。
SAKI:そうなんですよ。「Forever Love」とか「Driver’s High」あたりは特にそういう感じですよね。曲のイメージがまず強いから“あ、この曲、実はアニメのタイアップでもあったんだ”みたいに気付かされた曲というのも結構あって。
──いざカヴァー・アルバムを作ろうということになれば、その選曲のあり方自体がアルバムの特色を決めることになってきますよね。実際、この11曲についてはどんなふうにして決めていったんですか?
EYE:アニメのカヴァーということが決まって、まず最初は「ナカミどうしよっか?」っていう話から始まったわけですけど、制作チームとの最初の会議の時に、こんなアニソンがありますよ、という資料が用意されていて。A4サイズの紙にぎっしりとタイトルが並んだリストが、確か10ページ分くらいあったのかな。“こんなにあるんだ!”と思いながらリストを眺めてるなかで、X JAPANの名前を見付けて“あ、マリリン(=MARI)好きじゃん”と思ったり、“SAKIちゃんの好きな聖飢魔IIもあるよ”と思ったり。L’Arc-en-CielはRIOちゃんも私も好きだし……。そういうメンバーの好きなアーティストの曲を入れたいよね、というをまずピックアップしていって、それを軸にしながら他の曲についても考えていって。たとえば私、エヴァ(ンゲリオン)が好きなんですけど、「残酷な天使のテーゼ」は他の方たちもカヴァーしてたりするから「魂のルフラン」をやりたいなと思って提案してみたり。そんなふうにしてあれこれ追加していって、バランスをとりながら絞っていった感じでしたね。
RIO:しかも“ただ好きなものだけ選んでみました”という感じでもなくて、実は結構、初ものが多かったりもするんです。今まだカヴァーされてなかった曲というのが。「Exterminate」とか、「unravel」もそうだし。結果的にはなんか、バンド系のアニソンというか、そういう感じの曲中心のラインナップになりましたね。もちろん、好きだからこそ選んだ曲ばかりではあるんですけど。
MARI:うん。やっぱりバンドがやってるアニメ・ソングを多く入れたいな、というのは当初から思っていたので。自分たちがリスペクトしてる人たちによる、大好きな曲をやりたい。それが基盤にはありましたね。
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