【インタビュー】SHANK、新作EPとライブ映像作品に“本質と実験”「進化してる部分がないと意味がない」
SHANKが9月2日、「Candy Cruise EP」とライブDVD/Blu-ray『THE HEAVY CLASH at SHINKIBA STUDIO COAST』を2作同時リリースする。CD音源としては2年ぶり、ライブ映像作品は3年ぶりの新作となる。
◆SHANK 画像 / 動画
「Candy Cruise EP」は自身初のEPであり、5月6日に配信限定リリースされた「Rising Down」を含む全5曲を収録。結成15周年のアニバーサリーイヤーを経てリリースされる新作ではあるが、だからといって大上段に構えることなく、自身の核を貫くナンバーの揃い踏み。しかし、そこかしこに見受けられる新たなアプローチがバンドの進化を感じさせる仕上がりだ。“くだらない感覚を乗りこなす”という意味を持つEPタイトルも彼ららしく秀逸である。
一方のDVD/Blu-ray『THE HEAVY CLASH at SHINKIBA STUDIO COAST』は、1月17日に新木場STUDIO COASTで行われた15周年記念ワンマンライブ<15th Anniversary One-Man Tour The Heavy Clash>の模様を収録。両タイトルをセットにしたBOX仕様の期間限定生産盤も販売される。SHANKの現在を物語る2作について、庵原将平(Vo, B)と松崎兵太(G, Cho)のふたりに語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■無理して曲を増やすぐらいなら
■5曲を詰めて濃いのを作ろうって
──新型コロナウイルスの影響もあり、活動が制限されてます。まず、最近の調子はいかがですか?
庵原:まあ、良くはないですけど、焦っても仕方ないし、やれることを探さないとな、っていう感じですね。
松崎:新しいこと、次のことをやるための期間にすれば、という。バンドを10何年やってきて、同じことばかりじゃないし、追われたというわけじゃないけど、今はゆっくり考える時間もありますからね。
▲庵原将平(Vo, B) |
庵原:オレらだけじゃなくて、バンドマンはみんな同じでしょうけど、そこまで苦労しなかったかも。ただ、ダレた期間はありましたけどね(笑)。最初は1〜2ヶ月ぐらいすれば落ち着くかなと考えてて、今までなかった休みぐらいに思ってたし。
松崎:気持ちの切り替えは、徐々にでしたけどね、やっぱり。“いい加減にして!”と思ってから、“「いい加減にして」と言ってもどうにもならないんだな”と理解するようになり、“だったら、何ができるんだろう?”と考え始めましたから。
──そういった中で、約2年ぶりの新作としてEP『Candy Cruise EP』がリリースされます。今年はリリース予定を変更するバンドも多いですけど、これはリリースタイミングとして予定通りでした?
庵原:そうですね。でも、ちょっとは押したのかな。
松崎:5月にリリースした配信シングル「Rising Down」は予定通り。ただ、そのタイミングで世の中の状況がどうなってるかで今回のEPを8月にするか、9月にするかっていう話をしてたんですよ。時期をズラせば、もしかしたら、っていう考えもあったし。だから、そんなに予定は変わってないですね。
──近年、SHANKはリリースのペースがゆったりしてますよね。このあたりのリリースを考えてたということは、曲がいくつか出来てきて、計画を立てたような?
庵原:いや、基本的にオレら、レコーディングスタジオの日程を押さえることから始まるんで(笑)、今回もそこから始めました。
松崎:今年1月にレコーディングだったんですけど、スタジオを押さえたのが昨年夏だったので、制作もそこからスタートでしたね。でも、半年で5曲っていうのはわりと余裕もあって。これまで、半年でフルアルバム分の制作をやってたりもしたから。結局、最後の1ヶ月はバタバタしたんですけど、のんびりとやれましたね。
──前作『WANDERSOUL』から楽曲制作にLogicを導入して、効率化できたという話がありましたよね。
庵原:もう、どっぷり使ってますね。使えるモノは使おうかなって。やっぱり、スタジオへ行って「ここはこうして、あそこはどうしようか?」みたいに言ってる時間がもったいないんですよ。家である程度は形にして、っていうほうがスムーズだし。
松崎:言葉でニュアンスを伝えるのって難しいじゃないですか。
庵原:だったら、デモを聴かせたほうが早いっていう。
松崎:とはいえ、軸や根本は変わってないと思うんですよね。ただ作業が効率化されたっていうだけで。便利に使ってますよ。
▲CD『Candy Cruise EP』 |
松崎:そうですね。最初、サイズに関しては悩んでて、それこそすげえ曲数でやることも考えてたりしたんです。
庵原:仕上げてはいないけど、ネタとしては他にもあったから。
松崎:ただ、形になってきたのが今回の曲たちなんです。そこから無理して曲を増やすぐらいなら、この5曲を詰めて、濃いのを作ろう、と。そうなったとき、シングルとしては曲が多いし、ミニアルバムというのも微妙というか。最終的にはフルアルバムに繋げたいから、ミニアルバムにしちゃうと、そこにつながらない気もして。
庵原:実際、この5曲でいい感じにまとまったかなと思ってますね。
──結成15周年のアニバーサリーイヤーを経ての作品にはなりますが、何かそういったことを意識したりは?
庵原:特にはないですね。普段通り、やりたいことをやろうっていうだけでした。
──聴かせていただいた印象として、凄くナチュラルな曲が並んでるなと感じたんです。無理やり踏み込むことも引くこともなくて。
庵原:たしかにナチュラルは大事にしてますね。今まで「Rising Down」みたいなアプローチの曲ってなかったんですけど、自分らの消化できる範囲で出せるモノをって考えたし。やっぱ、頑張ってる感が出ちゃうとちょっとしんどいから。
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