【鼎談】“CRAZY”COOL-JOE × SAKURA × RIKIJIが語る、恒例イベントとDEAD END「あいつ自身が楽しみにしてたはず」

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DEAD ENDの“CRAZY”COOL-JOEを発起人とするイベント<“CRAZY”Rock Night>ももはや恒例となりつつあり、2020年で第4回目の開催を迎えることになる。今回はそのCOOL-JOEと、このイベントの参謀役を務めるSAKURA、RIKIJIを交えての鼎談をお届けすることになった。7月なかばの当日、まず取材現場の下北沢 GARDENに姿を現したのはRIKIJI。ほどなくCOOL-JOEも到着したが、めずらしいことに集合時刻を過ぎてもSAKURAが現れない。どうやら自宅を出発して早々、彼の運転する車がアクシデントに見舞われたようだ。

◆<“CRAZY” Rock Night> 画像

そうした事情から、取材はまずCOOL-JOEとRIKIJIによる対談形式でスタートすることになった。SAKURAには到着次第、会話に加わってもらうことにしよう。インタビューの主題はもちろん<“CRAZY”Rock Night>ということになるが、これまであまり語られてこなかったRIKIJIとSAKURAの関係についても探ってみたい。そして、できることなら去る6月16日に永眠した盟友、足立祐二に関することも。

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■「ベースのフレーズ全然ちゃうやんけ」って
■怒り気味に…それがファースト・コンタクト

──<“CRAZY”Rock Night>と銘打たれたこのイベントは、毎年恒例というわけではないにせよ、回を重ねて今回が第4回目となります。2013年に初めて開催された際、“CRAZY”COOL-JOEさんとSAKURAさんの対談記事のなかでもその発端などは説明してもらっているんですが、改めて首謀者であるJOEさんの口から簡単に話していただければ、と。

JOE:首謀者というか、べつに俺がやろうって言い出したわけじゃないんだけど(笑)。たまたま神戸のチキンジョージに遊びに行ってた時、オーナーの児島さんとは昔から知り合いなんやけど、一緒に呑んでた席で「なんかやれへん?」と言われて。あんまり企画とかそんなんはやったことないから「できるかどうかわからへん」と答えたんだけど「でもやってよ」って言うから、「じゃあちょっと考えてみる」と(笑)。それで結果的に何かやらないとしゃーないなあ、という感じになって。ホンマにそれだけの話で。

──そこで、何かやるにしても自分ひとりだとどうにもならなさそうだったのでSAKURAさんに声をかけた、ということでしたよね。しかしそれがこうして回を重ねてきたのは……やっぱり実際にやってみたら思っていた以上に楽しかったからですか?

JOE:うん、それはあるね。それまでやったことなかった人と一緒にやったり、いろんなジャンルのセッションがあったり……。こういう音楽をやらなアカンとか、そういうのもべつにないしさ。ハード・ロックとかばかりじゃなく、歌謡曲でもポップスでも何でもアリで、個人個人で好きなことをやる、というイベントなんで。そこで“ああ、こういうのも面白いな”と気付かされることもあるしね。結構、発見があるから。自分自身、特にプレッシャーを感じずにやってきたし、参加してくれる人たちにもあんまりそういうのを感じて欲しくないなあ、と思いつつやってるつもりやねんけどもね。

──もちろん緊張感や刺激はあるにしても、プレッシャーは皆無ということですね。RIKIJIさんは、これまでにも何度か参加してきましたよね?

RIKIJI:はい。まず2回目の時に1曲参加させていただいて、前回、3回目の時はTETSU (高野哲)とかと一緒に、ちゃんとバンド編成で参加して。

──そもそもJOEさんとは、いつ頃からの付き合いになるんですか?

RIKIJI:元々は……いちばん最初に会ったのは目黒の鹿鳴館でのことだったと思うんですけど。

JOE:そうやね。まだRIKIJIがTHREE EYES JACKをやってた頃。

RIKIJI:はい。当時のバンドが黒夢と一緒に鹿鳴館でやった時、JOEさんが観に来てくださって。あれは、たまたまだったんですよね?

JOE:まあね。THREE EYES JACKのギターの人がたまたま知り合いで、「ライヴやるから観に来て」って言われて、それで遊びに行って。面白かったよ。あの時も俺、言うたよな? 「良かったよ」って。

RIKIJI:はい。ただ、JOEさんが来られるって話をその当日に聞いて、清春とかとみんなで相談して、アンコールの最後に全員でDEAD ENDの曲をやろうって話になって、確か「Skelton Circus」とかをやったんですけど、その感想を尋ねたら「おまえ、ベースのフレーズ全然ちゃうやんけ」って、ちょっと怒り気味に言われてしまって(笑)。それがファースト・コンタクトだったんで、いまだによく憶えてます。

JOE:俺、そんなこと言うた? こっちはあんま憶えてないけどね(笑)。

RIKIJI:いや、怒られたというわけじゃないんだけど、「どうせコピーするならもう少しちゃんとやれや」「はい、すみません」みたいな(笑)。「Skelton Circus」と「Replica」、あとは「Dance Macabre」もやったのかな。なにしろ当日その場で急に決まったことだったんで、俺もちょっとテンパっちゃて。なにしろまだ21歳とか22歳の頃のことだし、まさか自分がずっと好きだったバンドのメンバーが観に来てくれるなんて思ってもみなかったから。

JOE:ふふふっ。実際、べつに怒ってたわけじゃないよ。

RIKIJI:で、その後はグレコ(神田商会)の飲み会とかで一緒になったり。だからもう、25年ぐらい前の話ってことになるのかな。

JOE:そうやね。ただ、一時期はそんなに顔を合わせてなかったよね。というのもなんか、RIKIJIのほうが有名になってしもうたから(笑)。

RIKIJI:いえいえいえ。

JOE:引っ張りだこで大忙しやったからね、ある時期は。

RIKIJI:そんなこともないですよ。というか、それよりJOEさんは、俺の前にオブリ(OBLIVION DUST)で弾いてますからね。

JOE:そうやったっけ(笑)?

RIKIJI:俺が入る前のベーシストのひとりですよ。それもまた不思議な縁ですけどね。俺、そもそも高校の時はDEAD ENDのコピー・バンドをやっていて。もちろんTHREE EYES JACKを組んでからはオリジナルをやっていたんで、新しいアルバムが出れば聴いてちょっとコピーする、ぐらいの感じにはなってたんですけど……やっぱフレーズが難しいんで、途中で断念することになるんすよ(笑)。だからJOEさんに対しても、かつてコピーしてた対象というか、雑誌とかテレビで見てた人という感覚が強かったですね、当時は。だからあんまりこっちから積極的に喋れないというか。実際、あの頃にあれこれ語り合った記憶というのもないですもんね。

JOE:そうやな、うん。最近になって、やっといろいろ話すようになったんちゃう?

RIKIJI:そうですね。

──JOEさんの側からすると、付き合い始めの頃のRIKIJIさんの印象は?

JOE:だいぶやんちゃな頃やね。俺の知らんところでだいぶ暴れてたんじゃないかな(笑)。そいうイメージしかなかったけど。

RIKIJI:いや、酒の席で暴れるとか他の誰かと喧嘩するとか、そういうのはないんですよ。それについてはむしろJOEさんのほうが新宿界隈とかで結構……。

JOE:……ん?

RIKIJI:いや、誰かを殴ったとかそういう話じゃないですけど(笑)、なんかちょっと怖い感じではありましたよ、当時の俺なんかからすると。というのも、JOEさんの先輩方というか、兄貴分にあたる方々がいるじゃないですか。その方々がちょっと怖かったかな。

──要するにちょっと近寄りがたい雰囲気があったわけですよね?

RIKIJI:そうですね。ホントにそうだった。こっちからすると、崇めてるからこそ逆に喋りづらさもあるというか。

JOE:そうなってくると、俺も俺でそんなに自分から喋るタイプでもないから、ますます話がはずまなくなる。どうしたもんかな、というのが確かにいつもあったかな(笑)。

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