【ライブレポート】白田“RUDEE”一秀、追悼公演<ありがとうRUDEE>で豪華盟友たちと40曲の共演

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2023年7月29日、脳出血のため白田“RUDEE”一秀が急逝した。惜しまれつつ逝去したギタリスト白田“RUDEE”一秀を偲んで著名アーティストたちが集結、メモリアルライブイベント<ありがとうRUDEE>が5月1日、東京・赤羽 ReNY alphaで開催された。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆<ありがとうRUDEE> 画像

5月1日は白田“RUDEE”一秀の誕生日であり、同イベントをプロデュースしたGEORGE (B)も同じく、この日が誕生日だ。GEORGEは白田“RUDEE”一秀をアニキと慕い、白田“RUDEE”一秀はGEORGEを長らく可愛がっていたという。両氏は白田“RUDEE”一秀生前最後のキャリアとなるハードロックバンドSEXXXXのギタリストとボーカル&ベーシストとして、HIMAWARI (Dr)と共に活動してきた。


白田“RUDEE”一秀は1987年にPRESENCEでメジャーデビュー。1989年の解散後は、GRAND SLAMでの活動が知られているが、在籍期間が最も長かったバンドはSEXXXXだった。

GEORGEの発案により立ち上げられたイベント<ありがとうRUDEE>は、GEORGE自らが白田“RUDEE”一秀とゆかりのあるバンドやミュージシャンにオファー。その想いに賛同した多くのミュージシャンがここに集結したかたちだ。

▼Zeke Deux


メモリアルイベントのオープニングとして登場したのは、白田“RUDEE”一秀が目を掛けていたV系バンド・Zeke Deuxだ。青赤緑など噴水のようにヘアスタイルを逆立てたのメンバーが華々しい。「Catastrop」のイントロが流れるとKakeru (Vo)がこう語った。

「笑顔になることが何よりも白田さんへ気持ちを届けることにつながります。われわれの音楽で笑顔を届けて下さい!」──Kakeru

1990年代の哀愁を感じさせるHarukaとSatsukiのメロディアスなツインギターが秀逸だ。ミュージカルのような壮大な世界観の「Fata Morgana」では間奏で、「白田さんへの感謝の気持ちを込めて、これからもステージ立ち続けます。白田さん、ありがとう!」とKakeruがシャウトした。

「楽しんでくれたかい? もう一曲だけやらせてほしい。これは、仲間が天国にいってしまったというテーマでつくったデモなんだ。生きるって大変なことだけど、生きた証を残してくれた偉大な先輩がいるから、僕たちはこのステージに立たせてもらっています。大切な人を失ったり、みんないろんな境遇がある。でも、その人が生きてきた証というのは残るでしょう。そんな願いを込めて」──Kakeru

そして、想いを込めて「Never Fade Memory」がラストに披露され、Zeke Deuxのオープニングステージが終了した。

▼タケバン


続いて登場したのは、ロックンロールバンド・タケバン。2002年に解散したCHARISMAの竹入隆行(Vo)、G.D.FLICKERSの原 敬二(G)、元GargoyleのTOSHI (B)、湊谷充 (Dr)といった実力派メンバーが結集したバンドだ。

全員白いジャケット姿で軽快なロックンロールを披露。「恋の逃避行」「ギリギリのロックンロール」といったナンバーを続け、「天国で白田兄さんも見てくれていると思います。みんなで踊りましょう!」とMCで語った竹入。「ひとひら」「届かないラヴソング」「心此処にあらず」「繋ぐ」や、どこか昭和歌謡のように人情味溢れる楽曲「残された力」は彼らならではのオリジナリティに溢れたものだ。

「悲しいことがあってつらいことがあっても、前に進まにゃしゃあないんでね。皆さんの顔が僕らの糧になって、僕らは前に進めそうです。ありがとうございます!」──竹入隆行

さらに「この場所のブギー」「ラヴソングは唄い続ける」と全10曲を披露した彼らは、「白田くんありがとう、GEORGEありがとう!」と最後にメッセージした。全国ライブハウスから出演オファーが殺到しているというタケバンの安定した心温まるライブパフォーマンスとなった。

▼LADIESROOM





そしてLADIESROOMの登場だ。白いシャツを身に纏ったHyaku (Vo)。GEORGE (B)は、派手な長いロングカーディガンと白のボトムという出立ち。艶っぽいHyakuのハイトーンボーカルと野太いパワフルなGEORGEのコーラス掛け合いは、この日も健在だ。LAメタル全盛期を令和に昇華したようなご機嫌なバッドボーイズロックナンバー「Hot Lady」「Dance!! In The Back」では、HIMAWARI(Dr)のワイルドなリズムと、NAO (G)の華麗なギターソロが炸裂した。

「いっぱい集まったな。白田さんも喜んでいると思うよ。追悼とか苦手なんでね、お誕生日じゃないですか!」──Hyaku

とHyakuがGEORGEを祝福すると、GEORGEがこう続けた。

「白田さんも誕生日ですね、61歳。白田さんは絶対に人の悪口を言わない人で…だから今日、僕は悪態をつかずにライブやるよ」──GEORGE

そんなGEORGEのコメントから、「SHE SHOCK ME」「SEX, SEX & Rock'n Roll」を披露。そして再びのMCでは、「LADIESROOMはPRESENCEに凄く可愛がってもらってさ。歌も教えてもらいました、いろいろお世話になりました」とHyakuが語る。GEORGEは、「PRESENCEと目黒の居酒屋で飲んでから目黒鹿鳴館に行って、知らないバンドの本番中に勝手に乱入して、Van Halenの「You Really Got Me」を演奏してた(笑)」と若かりし頃のエピソードを暴露した。

「僕らの中で生まれ変わる前世みたいなものがある。白田さんがもし生まれ変わるなら…」──そんなMCからバラード「Wonderful Tonight」を披露。先輩バンドPRESENCEとの思い出を胸に、このメモリアルなイベントに華と毒のある“LADIESROOMワールド”を捧げたステージとなった。

▼PRESENCE






ゲストバンドとして参加したPRESENCEがついに登場だ。往年のSEが流れる中、黒いレザーのロングコートでステージに現れたSHIGERU (Vo)は、開口一番「こんばんは。PRESENCEです、行くぜ東京!」と煽り、代表曲「ROCK DRIVE」「SHE IS AN AMERICAN」でPRESENCEのステージが幕を開けた。

「ありがとう、こんなに集まってくれたんだね。ありがとうございます! 今日は<ありがとうRUDEE>ということで、RUDEEはここに来てますよ。居るよね、本当に…」──SHIGERU

また、会場内に特別設置された白田“RUDEE”一秀のメモリアルブースを指差し、「ずっと見られてる気がするよ」と少し照れながら「パネルやRUDEEの歴代ギターもみんな観ていってね。今日はRUDEEの誕生日なんだけど、GEORGEの誕生日でもあるんだよね。本当におめでとう。そしてありがとうGEORGE!」と祝福した。

メンバー紹介では、参加が叶わなかった恩田“RADY”快人(B)のベースを弾くゲストベーシストのValentine D.C.のJUNに、「JUNは王子様キャラが似合うね。アマチュアの時に一緒にツアーをまわった仲なんだ。ちゃんとデビューしたよね」と当時を振り返り、オリジナルメンバーのHIBARI (Dr)にあらためて挨拶を。そして、白田“RUDEE”一秀がアマチュア時代にローディーを務めた師匠とも呼ぶべきギタリスト・EARTHSHAKERの石原“SHARA”愼一郎の紹介へ。

「白田が亡くなったときにね。PRESENCEもうダメかな、できないって思っていたときに SHARAさんが、「俺、弾くでっ」て言ってくれて…本当ありがたかったですよ」──SHIGERU
「電話で泣いてたやないか、君(笑)」──石原“SHARA”愼一郎
「白田が亡くなって呆然としていた思いが、その時バーっと溢れてしまって…」──SHIGERU

先輩ギタリストとの絆や熱いエピソードをファンに伝え、デビューアルバムのオープニングナンバー「ROCK ME」へ。さらには、「白田くんと作ったバラードを歌いたいと思います。聴いてください、「蜃気楼」!」とPRESENCEの壮大なバラードが披露され、客席は涙に包まれた。

終盤は、まさに“PRESENCEロック”と呼ぶべき「LET'S DANCE」「ROCK'N ROLL」を続けて演奏。メモリアルイベントの豪華ゲスト“PRESENCEタイム”が幕を閉じた。

▼SEXXXX





SE「INSANE '92」が流れると、トリを飾るSEXXXXのパフォーマンスがスタートした。メンバーはHIMAWARI (Dr)、LADIESROOMの二代目ギタリストであり、GEORGE同様に白田“RUDEE”一秀に可愛がられ、ギターの師と仰ぐShoji (G)、元SEX MACHINEGUNSのSUSSY(G)が参加した。

「The World will not Stop」「WITH YOUR ROCK'N ROLL」「HAUNTED SMILE」を披露したところで、GEORGEが白田“RUDEE”一秀への想いを回想するように語った。

「白田さんが言ってました、SEXXXXが一番長くやったバンドだったって」──GEORGE

また、LADIESROOM解散後のGEORGEの2枚目のソロアルバムで全曲ギターを弾いたのは白田“RUDEE”一秀だった。

「一緒にアメリカに行こうとしたんだけど、いろいろとトラブルがあってダメになっちゃって…。アニキがこの曲すごい好きでさ」──GEORGE

GEORGEのMCから「DEADMAN'S TALK」へ。「SO FUCKIN' COOL」「VIRGIN KILLER」ではアグレッシヴに観客を煽るGEORGE。バッドボーイズロックの熱いメッセージが観客の心を掴む。

「形あるもの、命あるものいつかは終わるんだよ。嘆いても仕方がない。できるかぎり頑張って生きようぜ!」──GEORGE

そしてラストナンバー「DUST AND BONES」へ。全身全霊で「ありがとうRUDEE!」と叫び、ステージを締めくくった。

▼encore session




最後に用意されたアンコールセッションでは、豪華ゲストたちの共演となった。イベント参加メンバーに加え、GEORGEが迎え入れたゲストミュージシャンは、白田“RUDEE”一秀と旧知の仲の“CRAZY”COOL-JOE (B / DEAD END)、元D.T.Rの藤本泰司(G)。そして白田“RUDEE”一秀がGRAND SLAM時代に同じ事務所でもあった44MAGNUMの梅原“PAUL”達也(Vo)の登場だ。

「GEORGE、誕生日おめでとう」──PAUL

このPAULの第一声に、GEORGEが「ありがとうございます!」と応える。するとサウンドチェックするギタリスト達に対してSHIGERUが苦言を呈する場面は微笑ましくも、心に染みるワンシーンとなった。

「うるさいよ君たち、先輩の話が聞こえないだろ(笑)」── SHIGERU
「白田はホントにいいやつだったよ、早すぎるよ…」──PAUL
「そうですね」 ── SHIGERU
「ただ、遅刻魔だった(笑)」──PAUL
「すいません、…なんで俺が謝ってるんや!」 ── SHIGERU
「PRESENCEリーダーだから(笑)」──PAUL



盟友らしく故人を偲び、観客を和ませた。アンコールセッションは、白田“RUDEE”一秀のギタープレイに多くの影響を与えたVan Halenのナンバーから「PANAMA」「YOU REALLY GOT ME」の2曲を全員でセッション。

最後にGEORGEが「Thank you! アニキ!」と叫び、全員で空に向かって手を振り、メモリアルライブ<ありがとうRUDEE>は幕を閉じた。感無量で涙を堪えるファンや白田“RUDEE”一秀への感謝をステージに向かって叫ぶファン。この日、会場を埋め尽くしたすべてのファン、仲間、そして関係者が、白田“RUDEE”一秀への想いを再確認した一日となった。


■メモリアルライブイベント<ありがとうRUDEE>2024年5月1日(水)@東京・赤羽 ReNY alpha セットリスト

【Zeke Deux】
01. Catastrophe
02. Phantom Pain
03. Catharsis
04. Fata Morgana
05. Succubus
06. Zero
07. Never Fade Memory
【タケバン】
01. 恋の逃避行
02. ギリギリのロックンロール
03. ひとひら
04. 届かないラヴソング
05. 心此処にあらず
06. 繋ぐ
07. 残された力
08. 世界にひとり
09. この場所のブギー
10. ラヴソングは唄い続ける
【LADIESROOM】
01. Hot Lady
02. Dance!! In The Back
03. SHE SHOCK ME
04. SEX, SEX & Rock'n Roll
05. Rocking House
06. Get Down
07. Wonderful Tonight
【PRESENCE】
01. ROCK DRIVE
02. SHE IS AN AMERICAN
03. ROCK ME
04. 蜃気楼
05. LET'S DANCE
06. ROCK'N ROLL
【SEXXXX】
01. The World will not Stop
02. WITH YOUR ROCK'N ROLL
03. HAUNTED SMILE
04. ACTION
05. DEADMAN'S TALK
06. SO FUCKIN' COOL
07. VIRGIN KILLER
08. DUST AND BONES
【encore session】
01. PANAMA (Van Halen)
02. YOU REALLY GOT ME (Van Halen)

■PRESENCE<「Hello!RUDEE!」the first anniversary>

2024年8月2日(金) 東京・高田馬場CLUB PHASE
※トーク&ミニライブ
▼チケット
前売:¥3,000(税込)
一般発売:2024/5/25(土)10:00よりイープラスにて
https://eplus.jp/sf/detail/4096620001-P0030001
購入特典:スリーショット撮影有り(終演後お持ちのスマートフォンにて)
▼献花台
当日、会場エントランスにて無料で入場頂ける「HELLO!RUDEE!」メモリアルゴース及び献花台を設置。下記の時間帯にて、献花が可能となります。
16:00〜17:30 / 18:30〜20:00
※公演開場時は一時入場規制となります。
※献花はご自身でお持ち込みをお願い致します。


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