【インタビュー】トゥエンティ・ワン・パイロッツ、ジョシュが語る「これが正しいやり方で、楽しいやり方」

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トゥエンティ・ワン・パイロッツが4月9日、主要配信サービスを通じて新曲「レベル・オブ・コンサーン」を突如リリースした。ビルボード誌のホット・ロック・チャート1位を獲得した同曲は、パンデミックの影響下で作られたもの。タイラー・ジョセフ(Vo)が、かつてないほどに不安が高まっている現在の心境を、かつて恋愛中に感じた不安とリンクさせて歌う。また、同楽曲の収益の一部がライブ関連の仕事をする人々を助ける基金『クルーネイション・ファンド』に寄付されることも明らかとなっている。

◆twenty one pilots 動画

タイラーが「シンプルだけど希望を与えてくれる曲」と語る同曲は、ダンサブルでキャッチーなサウンドで彩られていることも印象深い。そのミュージックビデオは自主隔離中のタイラーとジョシュがUSBでデータをやりとりしながら曲(ミュージックビデオ)を作り上げていく様子を描いものであり、彼ららしいユーモアセンスも秀逸だ。オハイオ州の自宅で過ごすジョシュ・ダン(Dr)が、現在の状況、楽曲「レベル・オブ・コンサーン」とミュージックビデオ制作秘話、今後の展望について語ってくれた電話インタビューをお届けしたい。

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■聴いた後にリスナーが曲について考えられる
■そういう余韻を残すことをいつも試みている

──「考えてみれば、これは僕が経験した中で一番の隔離期間だな、君達はどう?」と自身のツイッターでつぶやいてましたけれど(笑)、実際のところどうですか?

ジョシュ:これが僕の初の隔離期間だからね(笑)。“隔離期間”って文字面だけでも強烈な感じがして、かなり怖いことで。隔離されたい人なんかいないと思うし、大半の人は何らかの交流を望むものだよね。だから、誰もがそうだと思うけど、この生活に入るのは少し怖かった、今もちょっと怖いんだ。食品を買う時とか大事な用がある時しか外に出てない現在、外出すると結構人がいることに気づくんだよ。変な話だけど、多分、それが他の人と交流する方法になってるという人も多いんじゃないかな。僕にとってはそうなんだ。でも、何をするべきなのか、本当のところは誰も分かってなくて、それでも誰もが言うように、家にいるのが理に適っていると思っていて。大人しく家にいて、他の人と距離をとって、感染を広めることを避ける。そういうことをやって、感染ができる限り早く消えてノーマルな生活に戻り、またショウをやれるようになることを願ってる。ノーマルな状況に戻ることを願うよ。


──本当にそう願います。そんな中で、新曲「Level of Concern」をリリースしてくださってありがとうございます。素晴らしい曲ですね。

ジョシュ:ありがとう。楽しい曲だよ。この曲は実験だった。タイラーと僕が、作曲、レコーディング中にこんなに離れてたことってなかったから。でも、上手くいったと思う。僕達のスタジオでそれぞれレコーディングをして、曲を完成させたんだ。

──「Level of Concern」はダンサブルなアレンジやサウンド処理が施されていますが、リズム(ドラムレコーディング)の面で心掛けたことは?

ジョシュ:こんな体験って初めてで、将来はもとより現在すらよく見えない。僕達は多くの人々が心配してる状況が分かってたから、曲の感触を少し軽めにすることが大事に思えたんだ。聴いていて楽しめるようにね。それと僕達は大抵、聴いた後にリスナーが曲について考えられるような余韻を残すことを試みているんだよ。誰もが家で座ってて、できることといえば考えることぐらいだからね。同時に、思考から逃避できるような曲にもなっていると思うよ。


──「Level of Concern」のミュージックビデオは、長年のコラボレーター:リール・ベアー・メディアが手掛けたものですが、メンバーからリクエストしたことは?

ジョシュ:これは、昔の僕達を反映したビデオになってるんだよ。僕達が初めてミュージックビデオを撮影した時に関わった人って、僕とタイラーと、僕達の友人だけだったんだ。これまでの僕達のミュージックビデオは、撮影に多くの人達を必要とするものもあったけど、現状では不可能。撮影は最小限の人数に抑えないといけないからね。それで、昔の僕達を思い出すようなミュージックビデオになったんだ。数人で、可能な限り面白いものにしようと。タイラーの奥さんのジェナがライトのスイッチを点けたり消したりするシーンは、僕達の友人がツアー中にステージの照明をやってたときと似てたり。ソーシャルディスタンシングを守って撮影するには、これが正しいやり方で、楽しいやり方だと思ったよ。

──タイラーの可愛い赤ちゃんロージーが見られるのも素敵です。ロージーにはもう会いましたか?

ジョシュ:ロージーが生まれたのは、世界で外出制限が始まった後だったんだ。タイラーは僕の親友だし、彼女が生まれる時に側に居たかったんだけど、タイラーと話し合って「安全を最優先しよう」って結論に至った。新生児の免疫力は低いから、万一、彼女に病気をうつすようなことがあったら最悪だと思ってね。直接会うのは全てが安全な状況になるまで延期したんだけど、フェイスタイムで会ったよ。実際に会うのが楽しみで仕方ないよ。

──そのミュージックビデオは、2人がそれぞれのスタジオで、USBを郵送で送り合いながらミュージックビデオを制作していく過程を描いたものですが、実は隣家だったというオチが秀逸でした(笑)。実際の撮影もこれと同じようにUSBを送り合ったり(笑)?

ジョシュ:ははははは。そういうやり方もありだったけど、ネットでファイルを送るほうが早いからね(笑)。僕がタイラーにそのやり方を教えたんだけど、封筒に入れる時間よりも早く送ってくれるようになったよ(笑)。

──では、先ほど「実験だった」という発言もありましたが、実際のレコーディングも、ネット上でファイルを送りあったんですね?

ジョシュ:うん。今はテクノロジーのおかげで、離れていてもそういうことが可能だからね。「Level of Concern」は、そうやって完成したんだよ。

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