【インタビュー】DracoVirgo、全24曲収録アルバムにハイカラメンバーも集結「高カロリー、高タンパク、高品質です」
DracoVirgoが1月15日、1stアルバム『Opportunity』をリリースした。DISC1には自身の初音源となった「KAIBUTSU」をはじめ、TVアニメ『ありふれた職業で世界最強』エンディングテーマ「ハジメノウタ」、ゲーム『Fate/Grand Order』テーマ曲「清廉なるHeretics」ほか、新曲を含む全12曲を収録。一方のDISC2は2015年リリースのMAAKIIIソロアルバム『兎に角、ジェネシス!!!!!』収録曲を現在のメンバーで再構築したものだ。ハイカラ(HIGH and MIGHTY COLOR)のMAAKIII(Vo)、mACKAz(B)、SASSY(Dr)によって2017年に結成された同バンドプロジェクトの1stアルバムが、DISC1と2の2枚組、合わせて全24曲の特大ヴォリュームで届けられる。
◆DracoVirgo 画像
元ハイカラメンバーによる新たなバンドプロジェクトという話題性もそれだけで十分魅力的だが、注目すべきは彼らの音楽性にある。結成からの2年間のすべてが濃縮されたサウンドは濃厚にして多彩。アルバムタイトルの『Opportunity』(=チャンス、機会)が象徴するように、ミュージシャンとしての飽くなき探求心が感じられる仕上がりだ。また、“Opportunity”とは初ツアーから現在までのライブに冠されてきたタイトルでもあり、その集大成とも言える作品には彼らの意思が刻み込まれたようでもある。もちろんユウスケ、MEG、カズトといったハイカラ初期メンバーが約10年ぶりに集結した楽曲「RYUKYU」は、当時からのファンにとって嬉しいサプライズでもあるはずだ。
BARKSはメンバー3人に、DracoVirgoの成り立ちから、ハイカラ時代との違い、アルバム制作の裏側、そして今後についてじっくりと話を訊いた。「経験を積んで、成長した姿で、胸を張って実家に帰れる感じ」とMAAKIII自身も意欲的に語ったロングインタビューをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■バンドという旗を掲げようって
■覚悟のもとに始めたんです
──DracoVirgoのメンバーやアルバム『Opportunity』の内容を考えると、やはり3人が以前一緒にやっていたバンド(=HIGH and MIGHTY COLOR)のことに触れなきゃいけないですね。MAAKIIIが2008年にHIGH and MIGHTY COLORから脱退しました。その後、2013年からソロとして活動もスタートさせていますが、その前の約5年間も音楽は続けていたんですか?
MAAKIII:全然やっていなくて。でも突然、ふつふつといろんな思いや感情という塊が湧いてきて、これを発散したいぞと思ったとき、自分ができるのはやっぱり音楽かなって。曲をいっぱい溜めていくうちに、“これはアルバムになるぞ”って2015年にソロアルバム『兎に角、ジェネシス!!!!!』をリリースしたんですよ。でも曲を作り始めてからアルバムを出すまでに、自分の中でもけっこう時間が経っていたんです。マイペースな性格もあって、曲を作ったことに自分で満足しちゃって、パッケージとして出そうってことは周りから急かしてもらわないとできなくて(笑)。でも楽曲に掛けた愛情はすごくあるので、ずっと音楽をやりたいなって考えていたとき、バンドをやりたいと思い始めたんです。それで“MAAKIIIがバンドやります”って旗を掲げたのはいいんですけど、メンバーは揃っていなくて(笑)。そんな時期にINKT (mACKAzとSASSYが活動していたバンド)の活動休止の発表があって、“どうしているのかな?”と思って、久しぶりに声を掛けたんです。
──それが脱退してからの、本当に久しぶりの会話だったんですか?
MAAKIII:そうなんです。
SASSY:俺は、MAAKIIIがソロで音楽を始めたときにSNSで発見して、お互いにコンタクトは取るようになっていたんです。でも互いに忙しかったので、直接、会うタイミングはなくて。INKTの休止のタイミングで、MAAKIIIが連絡をくれたんだっけ?
MAAKIII:だってすごいニュースになっていたので。それを知っているのに連絡しないなんて、寂しいし、単純に二人のことが心配になって。SASSYの連作先を知っていたので、“どうしたの、大丈夫?”って。
▲1stアルバム『Opportunity』初回仕様限定盤 |
mACKAz:俺も久しぶりに言った(笑)。
SASSY:まあ、それで久しぶりにMAAKIIIと会うことになって、mACKAzも“楽しそうだから行きたい”ってなって。普通にみんなでワイワイ飲みながら話をしたんです。
MAAKIII:そのときに、「バンドのメンバーがいないから、どうかな?」って、ほんとに軽い気持ちで(笑)。
mACKAz:それはもうちょい後からだったよ。最初に会ったときは「大丈夫!?」みたいに本当に心配してくれていて。その何日間か後、「こういうプロジェクトをやることを考えていて、時間があったら一緒にどう?」みたいな。
SASSY:こっちは、時間はあるわけですよ(笑)。
──MAAKIIIが“音楽をやるならバンド”と考えたのは、やはりバンド経験で得たものが自分の中で大きかったからですか?
MAAKIII:そうですね、大きかったのもあるし。バンドというパーマネントな形じゃなくても、バンドプロジェクト的にいろんな人が参加して、グルーヴやフィーリングが合ったらできるものがあるだろうし。自分でもどうなるか分かんないけど、とりあえずバンドという旗を掲げようって覚悟のもとに始めたんです。
──ひとりだけで音楽をやろうと思っても、なかなかね。昔は「メカも使えないんです」とか言ってましたし(笑)。“メカって……サンボマスターの山口さんみたいな言い方するな”とも思いましたけど(笑)。
MAAKIII:メカは未だにダメ(笑)。もう原始人みたいなもんなんで。楽器も弾けないし。
──バンドというスタイルなら、お互いに音を出せば何かが生まれやすいですよね。
MAAKIII:そう、とにかくそういう仲間が欲しくて。
◆インタビュー【2】へ
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