【ライブレポート】DracoVirgo、ツアー最終日に元ハイカラの2人がゲスト参加「最強に輝いて遊ぶぞ!!」

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東名阪ワンマンツアー<DracoVirgo “Opportunity 2020〜Rainbow Butterfly Tour〜”>のファイナルが1月25日(土)、東京・Shibuya WWWにて開催された。同ツアーは1月15日リリースの1stフルアルバム『Opportunity』を携えて行われたもの。2枚組計24曲収録の大作だが、この東京公演ではその全曲をプレイ。ライブならではの流れやストーリー、アレンジやパフォーマンスを伴って集まったファンを魅了した。

◆DracoVirgo 画像

入場時からすでに世界観への誘いは始まっていた。スモーク漂う無人のステージには『Opportunity』CDジャケットが2枚、守護神のように飾られ、淡い様々な着色が施されたベールが敷かれたり、各所に被せられたりしており、それらが醸し出す神秘性が我々を出迎えてくれた。

ストロボが明滅する中、『Opportunity』冒頭インストの「Rainbow Butterfly」がSEとして鳴り渡る。するとステージバックのビジョンに映し出されたCDジャケットがゆっくりと回転をはじめ、まずはmACKAz(Ba)、SASSY(Dr)がステージに登場。続いて、MAAKIII(Vo)が姿を現した。ライブは怪しさを保ったまま、シタールの音色がバンドサウンドにジョイン、1曲目の「“KALMA”」を形成していく。SASSYが生み出すダンスビートとmACKAzによる5弦ベースの躍動感たっぷりなリズム隊が場内をいきなり高みへと引き上げていった。続く「清廉なるHeretics」では美しいピアノの調べも交え、MAAKIIIの歌声にも伸びやかさが加わっていく。中間部では楽器隊のプレイヤビリティも炸裂、そのプレイに会場もグイグイ惹き込まれていった。



「最強に輝いて遊ぶぞ!!」とMAAKIII。ここからは、MAAKIIIのソロアルバム『兎に角、ジェネシス!!!!!』(2015年発表)をDracoVirgoがリメイクし、『Opportunity』のDISC2に収録した楽曲たちが次々と演奏される。合わせて背後の大型スクリーンにパースペクティブな映像が曲ごとに出現。歌世界をより可視化させた。「超感覚的知覚」が会場を引き連れていくかのようにライブを加速させれば、4つ打ちディスコテイックな「DASH!脱出!奪取!」が作品以上のグルーヴ感を伴って会場を踊らせる。また、ミラーボールも回った「kIRA○kIRA」で至福感に場内が満ちれば、「トリックスター」ではMAAKIIIの歌声に艶やかさが加わっていく。

対してDracoVirgoの最新楽曲たちも負けてない。土着的なラテンのリズムが会場をバウンスさせた「Oh Eh Oh」、「阿弥陀の糸」ではサビのストレートさが会場を走り出させ、同曲中盤ではMAAKIIIのスクリームも炸裂。また、疾走感の溢れる「FLY」で会場とステージの手と手が固く握られる瞬間をみたようだった。続くインスト曲「Massatsu」では、これからというところで演奏が一旦ブレイク。mACKAzとSASSYのコミカルなMCを挟んでからリプレイされるなど、客席の心がしっかりと掴んだ以後、ドラムソロ、スラップたっぷりのベースソロなど演奏力の高さに圧倒された。


再び『兎に角、ジェネシス!!!!!』ゾーンに移ると、これまで白基調の衣装だったMAAKIIIが黒い衣装にチェンジ。「いーじゃんっ!」、「ココニオイデヨ」でのラテン性が秘めた情熱が会場を踊らせる。また、「スノーボールアース」の際には会場中が天空まで引き上げられるような感覚を覚えた。

「高品質、高カロリー、高タンパク、初めてにしてベストアルバム!!」とmACKAzが『Opportunity』を称すれば、MAAKIIIも「このアルバムは、聴くより、むしろ食べて欲しいぐらい。今作でぜひパンプアップしてください。これからもいい曲を書いていきます!!」と誓ってライブは後半戦へ。ここからは『Opportunity』からの曲たちが連射され、場内に次々と盛り上がりの爆発が起きるかのよう。「ハジメノウタ」が切なさと疾走感を同居させ、本来高揚感溢れるインスト曲だった「Opportunity」では“opptunity”と叫び、ビーチボールの数々が会場を飛び交った。



DracoVirgoは元HIGH and MIGHTY COLOR(以下、ハイカラ)のMAAKIII、mACKAz、SASSYによるバンドプロジェクトだ。奇しくも同ライブの翌日はハイカラ15回目のデビュー日でもあった。そんな中、「hanaichimonme」からは元ハイカラのMEG (G)もゲスト参加。同曲をより色鮮やかに彩り、次曲「HATENA」では摩訶不思議でキテレツな世界観にギターで演出を加えていく。また、本来インスト曲だった「Magma」からは同じくハイカラのユウスケ(Vo)も加勢し、グロウルなスクリームをアジテート気味に加えていった。「ABRACADABRA」では客席中のタオル回しが壮観、楽しく踊って笑い飛ばそう」と語ったラストは無数のワイパーの花が場内に多幸感を描いた「「SPAAAAAAAAAARK!!!」で本編を終了した。

アンコールは2曲。その前に、「むちゃくちゃエネルギーの交歓ができている気がする。今年もみんなと一緒により音楽を楽しんでいきたい。これからもみなさんの心に傷跡を残していく。そして少しづつでも一緒に強くなっていきたい!!」とMAAKIII。「自分とSASSYは今年、年男。みんなにとっても良い年したい」とmACKAzが場内に今年の抱負を語った。


そして「KAIBUTSU」がこれからの決意と決心、覚悟と誓いを込めてその種をまけば、最後は再びMEGとユウスケが登場。“なんくるないさ”の精神を交え、「RYUKYU」が作品以上の激しさをもって贈られた。

「今日はみんなの厄を全部払ったから、良い一年になるよ」とMAAKIII。それを立証すべく彼らはさらなる“怪物”を目指し、次のフェイズへと力強く向かう。

取材・文◎池田スカオ和宏
撮影◎yukubo

■<DracoVirgo「Opportunity 2020〜Rainbow Butterfly Tour〜」>1月25日(土)@東京・Shibuya WWW セットリスト

SE. Rainbow Butterfly
01. “KALMA”
02. 清廉なるHeretics
03. 超感覚的知覚
04. DASH!脱出!奪取!
05. kIRA○kIRA
06. トリックスター
07. Oh Eh Oh
08. 阿弥陀の糸
09. FLY
10. Massatsu
11. ××××
12. いーじゃんっ!
13. ココニオイデヨ
14. スノーボールアース
15. ハジメノウタ
16. Opportunity
17. hanaichimonme
18. HATENA
19. Magma
20. ABRACADABRA
21. SPAAAAAAAAAARK!!!
encore
en1. KAIBUTSU
en2. RYUKYU


■アルバム『Opportunity』


2020年1月15日(水)発売
UMCK-7048/9 ¥3,600(税込)
※初回生産限定デジパック仕様
▼Disc1
01. Rainbow Butterfly
02. “KALMA”
03. 阿弥陀の糸
04. hanaichimonme
05. FLY
06. 清廉なるHeretics (毛蟹 feat. DracoVirgo)
07. Oh Eh Oh
08. ABRACADABRA
09. RYUKYU
10. HATENA
11. ハジメノウタ
12. KAIBUTSU
▼Disc2 兎に角、ジェネシス!!!!! -DracoVirgo version - 収録曲
01. Massatsu - DracoVirgo Instrumental -
02. ×××× - DracoVirgo NADAR mix -
03. トリックスター - DracoVirgo GAULTIER mix -
04. ココニオイデヨ - DracoVirgo OSSIAN mix -
05. 超感覚的知覚 - DracoVirgo MICROCOSM mix -
06. kIRA○kIRA - DracoVirgo LUCIFER mix -
07. Opportunity - DracoVirgo Instrumental -
08. DASH!脱出!奪取! - DracoVirgo LEONORA mix -
09. いーじゃんっ! - DracoVirgo SHEPHERD mix -
10. SPAAAAAAAAAARK!!! - DracoVirgo OZ mix -
11. スノーボールアース - DracoVirgo ALICE mix -
12. Magma - DracoVirgo Instrumental -


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