『ボヘミアン・ラプソディ』WOWOWで放映決定

映画『ボヘミアン・ラプソディ』が劇場公開を迎えたのは、2018年11月のこと。それからすでに11ヵ月近くが経過しているわけだが、この映画のことが話題にのぼる機会は今も失われていない。

もちろん、毎週のように興行収入記録が更新され、第91回アカデミー賞で最多となる4部門受賞に輝いた頃のように、この映画の記録的大ヒットが社会現象や事件のように報じられることは少なくなった。

しかし、去る7月上旬から8月下旬にかけて実施されたクイーン＋アダム・ランバートの北米アリーナ・ツアーの盛況ぶりが伝わってきたり、フレディ・マーキュリーの誕生日である9月5日前後にそれにちなんだイベントなどがあちこちで開催されたり、さらには次々と新たな出版物が刊行されたりと、クイーンと彼らの音楽を愛する人たちの間では、熱が冷める暇もまるでないほどの日々が続いている。しかも、いよいよ2020年1月にはクイーン＋アダム・ランバートの来日公演が実現に至るわけで、この熱は今後さらに上昇の一途を辿っていくことになりそうだ。


そして、映画の公開から丸1年を経る直前にあたる10月19日、ついに『ボヘミアン・ラプソディ』がWOWOWで放映されることが決定した。こうして劇場公開から1年を待たずしてこの2018年生まれの名作が公共の電波に乗り、まだこの映画に触れてこなかった人たちを含む多くの人々の目に届けられるというのは、ファンにとっても歓迎すべき出来事であるに違いない。

筆者がこれまでに接してきたクイーン・ファンの方々のなかには、この『ボヘミアン・ラプソディ』を劇場で50回以上観てきたという方も少なくなく、そうしてリピート鑑賞を重ねていくうちに親と子が一緒に観に行くようになった、劇場で世代の異なるファン同士が出会って新たな交流が始まった、というような話も聞こえてきている。この映画が何故、そうした稀有なマジックを起こすことができたのか。今回の放映を通じて、そうしたことについても改めて考えてみたいところだ。


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これまでにもWOWOWでは、さまざまなタイミングでクイーン関連番組の特集が組まれてきたが、10月は『ボヘミアン・ラプソディ』放映に合わせ、初回放送、再放送も含めて9本ものクイーン関連プログラムがオンエアされることになっている。なかでも2018年にアメリカで制作された『フレディ・マーキュリー：キング・オブ・クイーン』は、フレディ自身の生前の映像のみならず、さまざまな関係者たちからのコメントなどを網羅しながら編まれたドキュメンタリーで、映画の面白さを増幅させてくれることになるはずだし、田口トモロヲのMCにより進行されていく『洋楽主義～QUEEN Special～』も必見だろう。他にも1975年や1986年のライヴ・パフォーマンス、長編ドキュメンタリーなど、マニアにはお馴染みでもまだまだ広くは目に届いていないはずの番組が、このタイミングで一挙放映されることになる。まずは10月19日と20日のWOWOWの番組表を、しっかりとチェックしておきたいところだ。

クイーン＋アダム・ランバートの日本上陸が刻々と近付くなか、今一度、クイーンとこの映画の素晴らしさを噛み締めておくにはまさに絶好の機会といえる。そしてもちろん、クイーンとアダムの今後の動向にも注目したいところだ。

文：増田勇一

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