【インタビュー】Street Story、デビュー・シングル「もっと明日へ」から始まる奇跡のストーリーに注目せよ

ポスト

声優の沢城千春(Vo&G)を中心に、fin(Vo/G/SEPTALUCK)、サンライズ太陽(Dr/メメタァ)、高田雄一(B/ELLEGARDEN、MAYKIDZ)という凄腕が揃ったロック・バンド、その名はStreet Story。世代もフィールドもバラバラに活動してきたメンバーが、運命の糸に手繰り寄せられて集結したのは、2015年4月のこと。当初の勝手きままなカバー企画が次第にバンドの形になり、オリジナル曲が生まれ、遂にデビュー・シングルを完成させた、その道のりを奇跡と呼ばずに何と呼ぼう。純粋に音楽を楽しむためだけに生まれたバンド、Street Storyのデビュー・シングル「もっと明日へ」から始まる奇跡のストーリーに注目せよ。

■自分で一から苦労を知りながらやっていくことが自分のためになる
■それがこのバンドのコンセプトでもあったんです


――なぜこの4人がバンドを始めたのか。まずはそこから行きますか。

沢城千春(以下、沢城):けっこう長く話しちゃっていいですか? 僕は元々声優をやっていまして、自分の番組をやりたいと思ったんですね。それでニコニコ生放送で「チハ生」という番組を始めて、ギター弾き語りをやってたんですけど、そんなに音楽ができるわけではないので仲間がほしくて。ちょうどその頃、とある飲み会で出会ったfinさんと意気投合して、「一緒に番組やりましょう!」ということになったのがきっかけです。それからだんだん「バンドやりたいね」ということになってきて、高校の同級生で同じ部活だったサンライズ太陽くんに連絡したら「やりたい」と言って、ドラムが決まったんですよ。で、ベースは誰かいないかな?と探していた時に、スタッフがELLEGARDENのメンバーと親交があって「高田雄一くんだったら弾いてくれるよ」って言うんですけど、僕は高校の時に毎日ELLEGARDENを聴いてたから、完全にスターなんですよ。そんな人に弾いてもらうってどういうこと?と思ったんですけど、本当に来てくれて、かれこれ4年ぐらいずっと一緒にやらせてもらってます。最初の3年ぐらいは本当に遊びで、お楽しみ会みたいなノリでしたけど。

fin:ゆるーい感じで。月イチのニコ生配信でカバーを1曲演奏するみたいな。最初はアコギだったよね。

沢城:そう。僕がアコギを弾いて、finさんは歌うだけだった。

fin:そもそもその番組は、「沢城千春が何かやってみよう」ということからスタートしているから。趣味でやっているギターを披露して、せっかくだから歌える人を呼びましょうということで俺が呼ばれたんですよ。でも視聴者の人たちは千春の歌が聴きたいだろうし、千春も半分ぐらい歌ったほうがいいと思ったから、自然とこの形になった。

沢城:そうでしたっけ。

fin:そうですよ。僕は、歌うだけでいいということで入ったんですよ。それがいつの間にかギターを持たされているんですよ(笑)。

沢城:僕の理想としては、みんなで楽器を持ちたいなと思っていたので、finさんに「楽器やりませんか」ってずっと言っていたんですけど、「いや、俺はやらない」って、かたくなに3年間ぐらい断られ続けていて。


――finさん、自分のバンドのSEPTALUCKではピン・ボーカルでしょ。

fin:そうです。そのイメージを崩したくないというのもあって、でもこのぐらいならやれるよということで、精一杯タンバリンを叩いてみたり、鈴を振ったりとか(笑)。それで3年間乗り切っていたんですけど。

沢城:でも何度か番組のイベントで演奏するうちに、鈴じゃまずいと思い始めた(笑)。元々、ギターを弾いていたんですよね?

fin:中高の頃はやってた。だから千春が「ちゃんとバンドとしてやっていきたい」と言い出した時に、俺も意を決して、自分のバンドでは絶対やらないけど、このバンドのためだけにエレキ・ギターを買って、今練習してるところです。

沢城:みんなで集まってワイワイやるだけでも楽しかったんですけど、やるからにはもっと広く、ちゃんとした音楽をやりたいねということになって、今年からバンド名も決めて、シングルも出していこうということになりました。“チハ生バンド”っていう緩い名前でやっていたんですけど、“Street Story”というバンド名に変えまして、色んな人達の協力も得て、大きくしていこうという動きの最中です。それまで僕は声優をやらせていただいていて、自分で全部やるということをやったことがなかったんですよ。たとえばイベントでも朗読劇でも大人が全部土台を作ってくれて、僕は当日行って整えられた環境の上でやらせていただくのが当たり前だった。でも、このバンドをやり始めて、イベント会場を押さえるのもレコーディング・スタジオを決めるのもツアー組むのもグッズを作るのも、全部自分たちでやってみて、ものすごい大変なんだということを今めっちゃ痛感してます。

fin:でも、それをやりたかったんだよね?

沢城:そう! 整えていただいた上に乗っかれるのはすごくありがたいですし、幸せなんですけど、自分で一から苦労を知りながらやっていくことが、後々自分のためにもなるんじゃないかな?というのと、そっちのほうが、たとえば大きい場所でライブができるようになった時に、喜びが違うだろうなということで。それがこのバンドのコンセプトでもあったんですね。


▲左より:fin、沢城千春

――声優とバンドでは、まったく表現方法が違うんでしょうね。。

沢城:声優業もかなり自由にやらせてもらっていますけど、でもバンドのほうがより自分を出しやすいというか、バンドは自分たちが作りたい曲を作って歌いたいように歌って表現したいように表現できるので。このバンドには、自分のやりたいことの全てが詰まっていると言っても過言ではないと思います。

fin:へえー。初めて聞いた。

沢城:今このメンバーといる時が一番楽しいし、地方にクルマでライブに行く移動中も楽しいですし。

fin:このバンド名も、移動中に決まったんだよね。

沢城:大阪のライブが終わって、クルマで移動している時にずっと話していて。いろいろ出たんですよね。

fin:ニコ生からの流れがあるから、アットホームに自分の素を出せる場所だからこそ「等身大の雰囲気が出るバンド名がいいよね」という話で。何が出たっけ?キャンプとか、ロッジとか。

沢城:ホームとかハウスとか、そういうイメージで考えていたんですけど、ことごとくダサい名前しか出てこない(笑)。Street Storyというのは、僕が元々HYさんが大好きで、HYさんのアルバムに同じタイトルがあるんですよ。僕がやらせてもらっていた深夜のラジオで、ずっと「HYが好き」って言い続けたら、最終回でコメントをいただいたこともあったりして、「そういえばStreet Storyっていうアルバムあるよね」と誰かが言って…。

fin:「それいいじゃん」って。

沢城:いつかHYさんと共演出来たらというリスペクトの気持ちも含めて、Street Storyというバンド名をつけさせていただきました。

◆インタビュー(2)へ
この記事をポスト

この記事の関連情報