【特集 vol.4:対談 番外編】植田真梨恵×阿部真央、エンタメとアートを語る「どっちが大事!? 」

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■メジャーデビュー5周年の今年は
■今までで一番アートしたい──植田

阿部:真梨恵ちゃんは最終的にエンターテイメントへいきたいの?

植田:うーん……。

阿部:どっちが大事!? もう絶対にどっちかしか選んじゃダメ!だったら。でも、私には見えます! いや、研究者をやりながら、エンターテイメントもできるんだよ。

植田:そのバランスを図りながら、なんとかかんとかやっていると自分では思っているところで。でも、どちらかしか絶対に選べないってことを、今リアルに想像しました。そうしたらやっぱり、研究者側でしたね(笑)。

▲植田真梨恵×阿部真央 画像ページ (※画像6点)

阿部:そうだよね。新しいところにいこうとすると、必ずこれまでとは違うことが生じたり、壁もあると思うけど、今やっている研究者側のことをエンターテイメント寄りにも広げていけばいいよね。だっていち真梨恵ちゃんリスナーからすると、今、エンターテイメントできてないとは全然思わないし。イメージしているエンターテイメントとは違うっていうだけなんだと思うんですよ。

──「エンターテイメント」というのは他人が使う言葉なんです。“ポップス”とはポピュラーミュージックのことですが、それはすなわち売れた曲のことでジャンルではない。レッド・ツェッペリンもヒップホップも売れた作品はポップスです。ポップではないですよ。そういった職人たちが新しい音楽を作り、人々が感動して一気に広まっていく……時代はそれの繰り返しです。ネット時代の今は広まり方に多様性があるけど、いつの時代も職人が信じたものがあり、何かのきっかけで世の中がそれに大きく振れる。それをポップスというんです。

阿部:じゃあ、ポップスっていうのは現象の結果なんですね。

──それを客観的に見たメディアや一般人がエンターテイメントと言っているだけ。エンターテイメントをエンターテイメントとして作っても、ろくなことはないですよ。

植田:そっかー。そんなに意識しすぎなくてもいいっていうことですね。

阿部:ポップスにしちゃえばいいんだよ、今、植田真梨恵がやっていることを。

──スタッフが勝手にエンターテイメントにしていくんですよ。

阿部:あー、それ嫌い。

植田:ははははは!

──阿部真央は職人として研究を重ねていけばいい。阿部真央も植田真梨恵もずっとそういう生き方をしてきているでしょう? そのようにしか見えてないけど(笑)。

▲植田真梨恵 画像ページへ (※画像3点)

阿部:ははははは! そうなんですよね。真梨恵ちゃんもまるっきりこっち側だと思ってたから、そういうふうに考えてるとは思ってなかった。

植田:うーん……たぶん行きすぎるんですよね、私。どんどん視野が狭くなってハマっていくのが自分でわかるくらい。

──本人は認めたくないかもしれないけど、ふたりともオタク気質なんですよ。

阿部:それは全然うれしいです(笑)。

植田:はい(笑)。そういう気質なんだと思います。

阿部:真梨恵ちゃんは芸術家だし、すごくアーティストだなって思う、今日話を聞いてて。

植田:今だからこそ、そういうものがおもしろいというのもあるんですね。メジャーデビュー5周年の今年は、今までで一番アートしたいんです。なので、「プライベートタイム」みたいな曲が入った『F.A.R.』っていうミニアルバムをリリースして、次に出す『W.A.H.』も、しっかりアートに寄ったものを作りたかったというのはありますね。

──ほら、答えは出ているじゃないですか(笑)。

阿部:そうなんですよ! だから、この感じはなんなんだろうっていう(笑)。言われたときに気持ちいいかは別として、結果、「植田真梨恵、エンターテイメントだね」ってなれば目標達成じゃないですか。ポップスとして認識されれば。……でも、売れるっていうのもどうなんでしょうね。良いものばっかりが売れてるわけではないですからね、マジで。

▲阿部真央 画像ページへ (※画像3点)

──今の時代は売れていることを表す指標がセールス枚数とか再生回数しかないけど、本来の音楽の“売れた”というのは、そういう指標ではないですからね。

阿部:うん、残るほうがいいと思うな。

植田:私もそうです。数がどうっていうことではなく、みんなが口ずさめる歌。そういう現象にはパワーがある。みなさんに届くメロディーを作ることができればいいなって思っているんですよね。

阿部:絶対そのほうがいい。音楽は今、ビジネスにはなってるけど、童謡だってもともとは歌い継がれるもので。そういうもののほうが尊いと思うんだよね。

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