【ライブレポート】DAIGO、Beingへのオマージュ「愛してるなんて口が裂けても言えはしない」に拍手喝采

ポスト

豪華ゲストを迎えBeingの1990年代の大ヒット曲や名曲をカバーしたアルバム『Deing』をリリースしたDAIGOが、<ソロデビュー15周年記念ライブツアー>のファイナルを12月24日、東京・神田明神ホールにて開催した。同ホールは12月15日にオープンしたばかり。そのこけら落とし期間の公演となる。先ごろ公開したオフィシャルレポートに続いて、新たな写真を追加したオリジナルレポートをお届けしたい。

◆DAIGO 画像

色とりどりのハート型ペンライトが振られる中、サポートメンバーに続いて登場したDAIGOはサングラスをかけ、ネイビーのスーツでキメたフォーマルな装い。歓声の中、幕開けのナンバーは中学生だったDAIGO少年の心を揺さぶったWANDSのヒット曲「もっと強く抱きしめたなら」だ。両手でマイクを握り締め、大切な思い出の曲を慈しむように歌うDAIGO。続いてZYYGのデビューシングル「君が欲しくてたまらない」を披露。ほとんど動かずに名曲たちに向き合って歌う姿が新鮮だ。


「<Deingツアー>にようこそ! みなさん、メリークリスマス! 平成最後のクリスマスイブに、ここにいて大丈夫ですかね?(笑)」──DAIGO

笑いが起こる中、ホールが神田明神境内に位置することもあって、「お参りしましたか?」と問いかけると客席から手が挙がり、「けっこうしてるね。でも、してない人もいるから。ちなみに俺もしたかったんだけど、並んでてできなかったので」と本堂のある方角 (ステージから向かって左手)に向かってファンのみんなとライブの成功を祈って“二礼二拍手一礼”。「これで大丈夫です。いいライブになること間違いなしです」とうなずくDAIGO。通常とは違うカバー曲を中心としたライブということもあり、左手を挙げたらみんなが声を上げるというルールを設ける一幕も。

「それじゃみなさん“C E T!=クリスマスイブ楽しもうぜ!”」──DAIGO

DAI語で煽った後は、ミリオンセラーを記録したFIELD OF VIEWの「突然」へ。歌っている最中にサングラスをとって笑顔を見せたDAIGOが、爽やかな風が吹いてくるような切なく初々しいラブソングでフロアを海岸線の風景へと連れていった。そして、DAIGO少年がバンダナを巻くヘアスタイルを真似していたという出口雅之のプロジェクト、REVのヒットチューン「甘い Kiss Kiss」へと。セクシーなロックチューンだけあってDAIGOも身体を折り曲げてシャウト気味に歌い、エンディングでは人差指で投げキッスというパフォーマンスを含め、場内を沸かせた。


「今回は大先輩たちの、主に1990年代の大ヒット曲をカバーさせてもらっています。ホントに大好きな曲ばかりで……」と『Deing』にT-BOLANの森友嵐士、大黒摩季、DEENの池森秀一がゲスト参加していることに触れ、Beingでボイストレーニングのレッスンを受けていた19歳の頃、遠くから見ていた池森と、まさか歌番組で見つめあって歌えるなんて想像もしていなかったと感無量の表情。

ソロデビュー15周年記念ライブ(※2018年7月21日@中野サンプラザ<DAIGO VS DAIGO☆STARDUST>)でも共演し、アルバムにもゲスト参加している森友とのデュエット曲「離したくはない」は、この夜のライブではひとりで歌唱。スポットライトが照らす中、哀感を帯びたバラードを40歳のDAIGOならではの情感のあるヴォーカルで届けた。続いてDEENの池森とデュエットした「このまま君だけを奪い去りたい」をしっとりと聴かせ、集まったファンを惹きつけた。

「今日という日をみんなと過ごすことができて本当に嬉しく思っています。今年は節目の1年でした。40歳になり、デビュー15周年を迎えることができました。GLAYのTAKUROさんにも曲を書いていただきました。しかも2曲も。僕が学園祭の初ライブでGLAYさんの「BELOVED」を歌ってから21〜22年です。いろんな方のおかげで、こうやって歌うことができていると改めて思います」──DAIGO


思春期のときに憧れていたアーティストとコラボするなんて、まさに奇跡のような人生だが、DAIGOが持っている資質と秘めた情熱があったからこそ、夢を現実のものにできたのだろう。ライブ中盤では、ソロデビュー15周年記念シングル収録曲であり、サビ始まりで透明感のある「真夏の残響」に続け、アコギを弾きながら歌った「今夜、ノスタルジアで」とTAKUROが書き下ろしたナンバーを連続披露。手拍子の中、ギタリストと向かい合い、バンド感たっぷりのテイクで会場を盛り上げた。

そのMCではTAKUROと共演し、下北沢の一角で撮影したミュージックビデオの裏話も。騒ぎになることを想定して警備を厳重にしたにも関わらず、「ビックリするぐらい人が立ち止まらなくて」と振り返り、TAKUROに「俺たちもまだまだだな」と言われたエピソードを明かした。

「みなさんもいろんな人生を送っていると思います。でも、希望を持って毎日を過ごしていってほしいなと思います。僕もみんなの人生が明るくなるようにこれからもイルミネーションのごとく照らしていきたいなと。共に人生を明るく過ごしていきましょう!」とクリスマスにひっかけてユーモアをまじえて宣言。フロアからは力強い拍手が起こった。

続いて届けられたのは『Deing』でカバーした女性アーティストの楽曲たち。TVドラマ『失楽園』の主題歌になり、大ヒットを記録したZARDの「永遠」はDAIGO自身、「宝物のような曲」と表現していたが、切なさと柔らかさを含んだボーカルがこの曲に見事にマッチ。レコーディングではいちばん難関だったという倉木麻衣の「Secret of my heart」はアーバンでオシャレなアプローチ。サウンドもあいまって恋人たちが肩を寄せて歩く街の風景を浮かび上がらせた。


いつもと違う新鮮なDAIGOの表情がたっぷり味わえるライブの中、後半はMCもふくめてリラックスムード。「日頃のいろんな葛藤だったりとか……葛藤だったりとか(笑)、このライブで思いきり吐き出してほしいなと思います。その葛藤を全部受け止めて、そのあと僕が葛藤します」と爆笑させたほか、グッズ紹介では語尾の“す”が“しゅ”になってファンのみならずベースのMatsuからも「大丈夫?」とつっこまれ、「わかってましゅ」と答えるなど天然モード全開。

そしてクリスマスイブならではの特別企画も飛び出した。「ペンライトを持っていない人は誰よりも目を輝かせてぜひステージを照らしてください」とDAIGO曰く“平成最後のクリスマスメドレー”を披露。ムーディな「White Christmas」からワム!の「Last Christmas」、L'Arc-en-Cielの「winter fall」、GLAYの「Winter, again」と次々とスタンダードなクリスマスソングのカバーが歌われるが、「winter fall」はもとより後半のB'z「いつかのメリークリスマス」あたりから、だんだんモノマネ感が濃くなっていき、真剣に聴き入っていた場内からも笑いが。桑田佳祐の「白い恋人たち」のエンディングがサザンオールスターズの「いとしのエリー」の一節だったりと、やるからには盛り上げずにいられないDAIGOらしいスペシャルメドレーとなった。

会場の空気がすっかり和んだところで届けられたのは大黒摩季の大ヒット曲「あなただけ見つめてる」。ラテンテイストの華やかなパーティーチューンに盛り上がり、クリスマスにピッタリの中山美穂とWANDSによるコラボシングル「世界中の誰よりきっと」は大合唱となった。


まさにイルミネーションにも負けない光を放つライブだったが、平成最後のクリスマスイブはまだまだ終わらない。アンコールでは、最近動画を撮ることが趣味だというDAIGOがスマホでみんなを撮影し、このツアー中に作った新曲をクリスマスプレゼントとして贈った。

「今回、Beingの曲をカバーしたことで、改めてそういう名曲を作りたいなと思ったんですけど、大阪でライブ中に作ろうと思ったら失敗したんですよ(笑)。で、東京に戻って曲を作って名古屋でその曲を披露したんですけど、思いのほか好評で。名古屋でやったヴァージョンよりさらにクオリティーを上げてDAIGOサンタから贈りたいと思います。曲名はBeingを意識した長いタイトルになってます。聴いてください」──DAIGO

その曲名「愛してるなんて口が裂けても言えはしない」が告げられると“本気なのか? ジョークなのか?”とザワつく場内。が、披露されたのはピアノとストリングスが取り入れられたサビのメロディが切ないシリアスな王道バラード。「陽の目を見るかわからないですけど」というDAIGOに「えーっ!?」という声があちこちから飛ぶほど拍手喝采だった。

映画『ニセコイ』が公開中であること、2019年に公開となる『フォルトゥナの瞳』にも俳優として出演すること、2019年4月6日にBREAKERZのライブ(おそらく平成最後のDAIGOのバースデイライブになるとのこと)が開催されることなどが報告され、平成がいかに自分にとって大事な年月だったかを力説。「この曲があったおかげで今こうやってステージに立つことができて、みんなと出会えたと思います。大事な大事な1曲。DAIGO☆STARDUSTの曲をカバーしたいと思います」とDAIGO。

そう前置きしてDAIGO☆STARDUSTのデビューシングル「MARIA」を歌い、ラストナンバーは『Deing』収録の希望に満ち溢れた「果てしない夢を」。東名阪ツアーの千秋楽をシンガロングと笑顔で締めくくった。

取材・文◎山本弘子
撮影◎達川範一(Being)

■<DAIGOソロデビュー15周年記念ライブツアー“Deing”>2018年12月24日@東京・神田明神ホールSETLIST

01. もっと強く抱きしめたなら
02. 君が欲しくてたまらない
03. 突然
04. 甘い Kiss Kiss
05. 離したくはない
06. このまま君だけを奪い去りたい
07. 真夏の残響
08. 今夜、ノスタルジアで
09. 永遠
10. Secret of my heart
11. クリスマスメドレー
12. あなただけ見つめてる
13. 世界中の誰よりきっと
encore
14. 新曲
15. MARIA
16. 果てしない夢を


■Beingカバーアルバム『Deing』

2018年12月5日(水)リリース

▲初回限定盤A

【初回限定盤A (CD+DVD)】ZACL-9107 3500円(税込)
特典DVD:「もっと強く抱きしめたなら」Music Clip+Music Clip Off Shot

▲初回限定盤B

【初回限定盤B (CD+DVD)】ZACL-9108 4300円(税込)
特典DVD:ソロデビュー15周年記念ライブ<DAIGO VS DAIGO☆STARDUST>LIVE SELECT
・「ら・ら・ら」 Being Special Guest:大黒摩季
・「Secret of my heart」Being Special Guest:倉木麻衣
・「離したくはない」Being Special Guest:森友嵐士 (T-BOLAN)

▲通常盤

【通常盤 (CD ONLY)】ZACL-9109 2700円 (税込)
封入特典:通常盤初回生産分のみ「DAIGOカード(全4種の内ランダムで1枚封入)」
▼CD収録曲 (※全形態共通)
1.世界中の誰よりきっと
2.もっと強く抱きしめたなら
3.突然
4.永遠
5.離したくはない Guest Vocal 森友嵐士(T-BOLAN)
6.君が欲しくてたまらない
7.あなただけ見つめてる Guest Vocal 大黒摩季
8.甘い Kiss Kiss
9.このまま君だけを奪い去りたい Guest Vocal 池森秀一(DEEN)
10.Secret of my heart
11.果てしない夢を 森友嵐士(T-BOLAN), 大黒摩季, 池森秀一(DEEN) &DAIGO

▼「もっと強く抱きしめたなら」「このまま君だけを奪い去りたい」音源配信
・iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/id1441097912?app=itunes&ls=1
https://itunes.apple.com/jp/album/id1441098443?app=itunes&ls=1
・mora https://mora.jp/artist/346238/
・レコチョク http://recochoku.jp/album/A1011033952/
・BEING GIZA STUDIO https://sp.being.co.jp/music/daigo/ZACL-9109

この記事をポスト

この記事の関連情報