MONO始動、新ドラマーDahm独占インタビュー
MONOが、バンド結成20周年目を迎える2019年1月25日に、10作目のアルバム『Nowhere Now Here』をリリースすることを発表した。アルバム発売直後となる1月27日からは東京を皮切りに待望の全国ツアー<MONO 20 Year Anniversary Japan Tour 2019>が開催されることも明らかになった。
アルバム『Requiem For Hell』から2年3ヶ月ぶりにリリースする今作は、前作同様、長年の友スティーブ・アルビニをプロデューサー/エンジニアに迎え、アナログテープに一発録りするライブレコーディングを実施。シカゴ在住の10人のストリングス・プレイヤーと2人のトランペット・プレイヤーがゲスト参加し、マスタリングも前作と同じくボブ・ウエスタン(Shellac)が担っている。
そして暗闇に独り立つ女性が眩い光を受けている印象が深いアートワークは、ピンク・フロイドのアルバム『The Endless River』を手がけたアハメッド・エマッド・エルディンによるものだ。
今作からはデジタル・シングル2曲「After You Comes the Flood」「Breathe」がすでにリリースされ、後発の「Breathe」ではベースのTamakiがボーカル・デビューを果たしたことで世界中のファンを驚かせている。
しかし、何よりも注目されているのは2018年春に正式メンバーとして加入したアメリカ人のドラマー、Dahmがレコーディングに初参加し、新体制となって以降初めてリリースするアルバム作品の仕上がりだろう。筆者は一足先に試聴させてもらったが、日本のバンドがこんな音を出せるのかと懐疑的になるほど途轍もなく良質なサウンドにまず驚いた。2019年に結成20周年を迎えるバンドが時間をかけて築き、紡いできたキャリア、そしてMONO独特の重厚でありながらフラジャイルな繊細さで心の琴線に触れる他にはないサウンド、そこに骨太なアメリカン・ドラマーのパワフルさが融合したことでこれまでにない確固たるバンドの強さを感じさせられる作品だ。
そこで今回は、MONOに新たな風を吹き込んだドラマーDahmこと、Dominic Majuri CipollaにMONOに加入した経緯やこれまでのキャリアについて訊いた。なお、日本メディアのインタビュー取材はこれが初となる。
──自己紹介をお願いします。
Dahm:ルイビル(Louisville/アメリカ合衆国ケンタッキー州にある都市)出身のマルチ・インストゥルメンタリストです。
──MONO加入以前はどんな活動を?
Dahm:ルイビルにいた頃は、The Phantom Family Haloというバンドでメイン曲を書いていて、Bonnie Prince Billy、Sapat、Evan Patterson(Young Widows、Jaye Jayle)やSlint、Shipping Newsのレコーディングやツアーにもプレーヤーとして参加していました。9年前、ニューヨークに移ってからは、Lydia LunchやTorres(4Ad artist)、Martin Bisi(Swans、Sonic Youth)の作品への参加や、最近ではWatter(OM、Grails、Slintのメンバーで構成されるアメリカのバンド)のドラマーとしてヨーロッパ・ツアーに参加していました。
──MONOとの出逢いは?
Dahm:テンポラリー・レジデンス(Temporary Residence Ltd./Mogwai、Explosions In The Sky、BEAK>などが所属するアメリカのレーベル)のオーナーのジェレミー(Jeremy deVine)が、MONOと僕を引き合わせてくれました。3年間共にツアーをしたTorresを辞めた僕は、自分が大事に思えて興奮できる何かを探していて。ちょうどその時、MONOは新しいドラマーを探していた。タイミングは完璧でした、不思議なくらいに。僕はMONOのファンだったし。
──MONOのファンだったんですか?
Dahm:そうだよ。昔からずっとね。
──現在の拠点は?
Dahm:ニューヨークに住んでいるので、今のところはアメリカと行き来しています。とは言え、ツアーが多いから、どこに住んでいようが家がどこにあろうが大したことじゃない(笑)。大好きな日本でもっと時を過ごしたいですし、願わくば日本に住みたいです。
──MONOの正式メンバーになったことをご自身ではどう感じていますか?
Dahm:感謝していますし、光栄に思っています。僕にとっては非常に大きな変化ですし、人生すべてが大きく変わりましたから。
20周年という区切りの年、この渾身の音霊『Nowhere Now Here』を我々に差し出し、眩しいほどの美しい朝日と共に新しいチャプターに入るMONO。
リーダーのTakaakira 'Taka' Gotoは、新メンバーとして迎えたDahmについて「Dahmは彼の転機を迎えるタイミングだったし、MONOも新たなチャプターに入ろうとしていた。彼の地元はインストゥルメンタル・ロックの発祥地なんだけど、そこでMONOのライブを見ていた過去があると聞いて不思議な出逢いだと感じています」と次回掲載するインタビューで応えている。
年明け1月27日の東京・LIQUIDROOM公演を皮切りに、同29日には大阪・梅田Shangri-Laにて、3月からはメンバーの故郷を含む福岡、広島、島根、山口にて20周年イヤーを記念した全国ツアー<MONO 20 Year Anniversary Japan Tour 2019>が開催される。そこではきっと世界基準で作られたアルバム『Nowhere Now Here』をはじめとする新生モンスターバンドMONOが生み出す轟音で彩られた美世界を体感できるいいチャンスだ。チケットは、東京大阪公演は発売中、3月公演のチケットは12月22日(土)より発売となった。
また、今回はDahmのインタビュー・パートのみをご紹介したが、年明けにはバンド解散危機を乗り越えて制作したアルバム『Nowhere Now Here』について訊いたMONOのメンバー全員インタビューを掲載する予定なのでそちらも楽しみにしていて欲しい。
Artist Photo by Chigi Kanbe
Live Photo by Sero, courtesy of New Noise China
取材・文:早乙女‘dorami'ゆうこ
アルバム『Nowhere Now Here』
Labels:Temporary Residence Ltd.(North America & Asia),Pelagic Records(UK, Europe & Oceania)
Formats:CD, LP & Digital
1.God Bless
2.After You Comes the Flood
3.Breathe
4.Nowhere, Now Here
5.Far and Further
6.Sorrow
7.Parting
8.Meet Us Where the Night Ends
9.Funeral Song
10.Vanishing, Vanishing Maybe
◆アルバム先行予約
http://www.smarturl.it/mono-nnh
◆Single 1「After You Comes the Flood」
http://www.smarturl.it/mono-ayctf
◆Single 2「Breathe」
http://www.smarturl.it/mono-breathe
<MONO 20 Year Anniversary Japan Tour 2019>
2019年1月29日(火)梅田 Shangri-La, 大阪
2019年3月16日(土)西小倉WOW, 福岡
2019年3月19日(火)広島CLUB QUATTRO, 広島
2019年3月22日(金)出雲APPOLO, 島根
2019年3月24日(日)周南LIVE rise, 山口
Open: 18:00 or 18:30 | Start 19:00
前売:¥4,000* / 当日: ¥4,500*
* ドリンク代別 All Standing
チケット(ぴあ/ローソン):
東京: 130-341(ぴあ)/ 73668(ローソン)
大阪: 130-641(ぴあ)/ 52805(ローソン)
福岡: 135-943(ぴあ)/ 81919(ローソン)
広島: 135-397(ぴあ)/ 63912(ローソン)
島根: 135-398(ぴあ)/ 63913(ローソン)
山口: 135-397(ぴあ)/ 63912(ローソン)
チケット(e+):http://smarturl.it/mono-jpn19-eplus
Tickets for English speakers:http://w.pia.jp/a/mono-eng/
◆MONOオフィシャルサイト
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