【短期集中連載】第一回・BugLug優の“解体新書”

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■『KAI・TAI・SHIN・SHO』はイチからやろうっていうのがBugLugにとってテーマだった

――自分も武道館は観ましたけど、一聖くんが怪我で1年以上ブランクがあって、その復活の場が武道館っていうのはなかなか難しいんじゃないかと思いましたけど。

優:そうですよね。でもなんか……武道館ワンマンをやるってことで、妙にカッコつけちゃったんですよ。「武道館だからイヤモニつけよう」とか。

――形から入ってますね(笑)。

優:思いっきりそうですね(笑)。で、求められてないライヴをやってしまったというか、BugLugらしくないことをやって、あれでファンからも事務所からもバンドが浮いちゃってる状態になって。それでメンバー同士ギクシャクしちゃってる状態でヨンナナに出ちゃったから、もうヤバかったですよ。

――47都道府県ツアー中、メンバー内で一悶着あったらしいですね。

優:そうです。で、酒でも飲みに行こうってなって、そこでお互い言いたいことをぶちまけて、なんとかバンドの危機は乗り越えましたけど。

――そんな自分たちに野音でケリをつけたいってことなんですね。

優:そうですね。そこで自分らもファンも納得できるものはやらないといけないと思ってます。武道館みたいに勘違いして求められてないライヴをやるつもりはないです。

――そうですか。ちなみに武道館でそういう悔しい思いをしたバンドが作った『KAI・TAI・SHIN・SHO』はどんなアルバムだと思ってますか?

優:とにかく自由に作りました。初めてのアルバム、それこそファーストアルバムみたいに何も考えず、初期衝動だけで作ろうって。だから言いたいことも曲調もバラバラなんだけど、それでもいいから好き勝手に作って。そのおかげか評判はけっこういいです(笑)。


――「ファーストアルバムみたいに」ということは、イチからバンドをやり直そう、みたいな気持ちだったと?

優:あ、そうかもしれない。たぶんヨンナナ含め、イチからやろうっていうのがBugLugにとってテーマだったのかな。で、その成果みたいなものを野音で見せたいと思って、今は意気込んでるんでしょうね。

――じゃあ野音も『KAI・TAI・SHIN・SHO』みたいに、初期衝動というか、自分たちの好き勝手にやってもいいのでは? 「ファンが納得できるもの」とか意識するのではなく。

優:一聖だけは好き勝手にやればいいと思ってます。アイツはそれでいい。そのぶん俺らがちゃんとしないといけないっていう意識ではありますけど。

――なるほど。

優:そうじゃないとアイツの良さって、映えないと思うんですよ。いいところでもあり悪いところでもあるんだけど、アルバムのインタビューでも変にカッコつけてもっともらしいこと言おうとして矛盾しちゃうんです。「自分のやりたいようにやりました」って言えばいいのに。

――確かに(笑)。

優:だからやりたいようにやらせるのが一番で。本当はめちゃめちゃ内気だから、一聖って。石橋を叩いて壊すタイプというか、たぶん周りが彼に自信をつけてあげないといけないんですよ。

――すごく……彼のことを理解してるんですね。

優:しようとはしてます。ちゃんとできてんのかはわかんないけど(笑)。やっぱりお互い人間性で集まったバンドなんで、細かいところでぶつかるところはありますけど、根本的なところでは肌が合う5人だと思ってます。

――メンバーそれぞれキャラも立ってるし個性も強いバンドだけど、自分よりバンドのことを大事だと思ってるんでしょうね。

優:そうでしょうね。でも本当は……俺のギターソロの時だけ火とか出して欲しいですけど(笑)。

――はははははは!

優:さすがにそんなことできないですから(笑)。

――そういう自分たちのバンドに対する思いがちゃんと前に出てるステージになるといいですね。

優:そうですね。

――ちなみに秋の野音は嵐とか大雨に見舞われたりして、それが逆に伝説のライヴを生む要因の一つになったりすることもあるんですけど、今のBugLugにはそういうシチュエーションが似合うかもしれないって思ったんですけど。

優:雨か……。俺、オデコが広いから雨はちょっと不安ですね……(笑)。ていうかもうこれ以上伝説は要らないです(笑)。

――でもそういう出来事をここまで乗り越えてきたから今があるわけで。

優:まぁそうなんですけど。でも、あんまりそういう部分を大ぴっらにするのもどうかと思っちゃうタイプなんで。ま、俺はバンドが楽しくやれればそれでいいって思ってるんで、そこまで苦労とか大変だったことを自分からフィーチャーするのもどうかな?って思っちゃうんですよね。

――そういえばそうですね。大変なことがあっても、音楽だったりバンドをやることを楽しむことを忘れないでいようとするのは、BugLugのいいところだと思います。

優:俺もそう思います。でも、次に出そうと思ってる新曲とかも、楽しいだけじゃないところ――例えばネガティヴな部分を爆発させてみようかなって思ってますけど。

――いいですね。ぜひ野音でもそういうBugLugの一面が観たいです。そのためにもぜひ当日は台風の中で伝説を作って欲しいです。

優:じゃあ……帽子を用意しといてもらっていいですか?(笑)。

取材・文◎樋口靖幸(音楽と人)

<BugLugワンマンライブ「KAI・TAI・SHIN・SHO」>

9月1日(土)日比谷野外大音楽堂
開場 17:00/開演 18:00
チケット 前売¥5000/当日¥6,000

一般発売中
・チケットぴあhttp://w.pia.jp/t/buglug/
・ローソンチケットhttp://l-tike.com/buglug/
・イープラスhttp://eplus.jp/buglug/

(問)NEXTROAD 03-5114-7444(平日12:00~18:00)

<BugLug主催Fes「バグサミ」>

8月9日(木)新木場STUDIO COAST

【出演】
BugLug/甘い暴力/アルルカン/Anli Pollicino/A9/キズ/CLØWD/ザアザア/The THIRTEEN/ジャックケイパー/ぞんび/ダウト/DIAURA/DaizyStripper/Neverland/BAROQUE/RAZOR(全17バンド・50音順)

開場 12:30/開演 13:30
前売 5,500円/当日 6,500(税込/ドリンク代別)

一般発売 7月14日(土)
・ローソンチケット http://l-tike.com/bugsum/
・イープラス http://eplus.jp/bugsum/
・チケットぴあ http://w.pia.jp/t/bugsum/

バグサミ特設サイト
http://buglug.jp/special/bugsum/

(問)NEXTROAD 03-5114-7444(平日14:00~18:00)

<BPR vs レジレコ TOUR「シバきあい!!」>

8月04日(土)名古屋ダイアモンドホール
8月05日(日)なんばHatch
8月11日(土)高松festhalle
8月12日(日)広島BLUE LIVE
8月19日(日)福岡DRUM LOGOS
8月26日(日)Zepp Tokyo

【出演】
BugLug/DOG inTheパラレルワールドオーケストラ/Blu-BiLLioN/己龍/Royz/コドモドラゴン

チケット一般発売中:¥4,800(税込/ドリンク代別)

シバきあい!!特設サイト
http://shibakiai.com/

(問)NEXTROAD 03-5114-7444(平日12:00~18:00)

◆BugLug オフィシャルサイト
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