フェンダー、リーズナブルなエレキギター新シリーズやエフェクトペダル、アコギなどSUMMER NAMM発表の新製品をお披露目
フェンダーが、最大規模の楽器ショー「THE SUMMER NAMM SHOW 2018」で下半期に向けた新製品を多数く発表。NAMM SHOWに先駆け、フェンダーミュージックが国内でも関係者向けの新製品展示会を開催。エレキギター/ベースの新シリーズやエフェクトペダル、アコースティックギター/ベース、ウクレレなど数多くのモデルを披露した。
■次世代のプレイヤーに向け多彩なモデルを揃えた「Player」シリーズ
今回の新製品の目玉は、NAMM開催の一週間前にリリースされた「Player」シリーズ。若いプレイヤーに向けたモダンな仕様が特徴で、ストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスター、ジャガー、プレシジョンベース、ジャズベース、さらにジャガーベースをラインナップ。豊富なカラー、多彩なタイプの21モデル94製品を揃えた。
▲ストラトキャスターはシングルコイル×3のスタンダードなモデルから、ハムバッカー搭載のHSS、HSHなど多彩なモデルを用意。カラーは左からButtercream、Tidepool、Sage Green Metallic。
▲一番左が新色のSonic Red。2番めがフレイムメイプルのStratocaster Plus Top。テレキャスターもシングルコイルの他HHモデルも用意。本体に合わせてピックガードの色が異なるのも見どころ。
▲ベースはプレシジョンベース、ジャズベースに加えジャガーベースもラインナップ。ジャズベースには5弦やフレットレスモデルも用意。
中でもハムバッカー搭載モデルの比率が高く、テレキャスターやストラトキャスターでは、HSSモデルやHSHモデルも用意。Floyd Rose搭載モデルやフレイムメイプルのモデル、さらに今回展示はなかったがレフトハンドモデルも多くラインナップする。ジャガーやジャズマスターはエントリーユーザー向けに、トラディショナルなモデルよりもスイッチなどを減らし、極力シンプルかつモダンな仕様。また、指板に関してはMade in Japan Traditionalシリーズなどヴィンテージ・モデルを踏襲したモデルのようにRがきついとハイポジションでチョーキングした時に音づまりがするということで、今回のモデルはすべて9.5インチラジアスとなっている。
このほかルックスで際立っているのが新色の存在。Buttercream、Polar White、Sonic Red、アメリカン・クラシックカーを彷彿させる落ち着いた味わいが魅力のTidepoolやSage Green Metallicなど、多彩な色が揃った。
価格は72,000円から(税別、以下同じ)。Fenderブランドでは最も低価格なエントリークラスモデルとなる。
■Parallel Universe「Troublemaker Tele」&ジャズマスター60周年モデル
▲Troublemaker Tele(左)とLimited Edition 60th Anniversary Classic Jazzmaster(右)。JazzmasterはDaphne Blue、Black、Vintage Blonde、Fiesta Redの4色を揃える。
Winter NAMMで発表され、フェンダーを代表するモデルのDNAを掛け合わせたハイブリッドなモデルとして話題を集めたParallel Universeシリーズからは、フェンダー自らが“衝撃作”と呼んだ「Troublemaker Tele」が登場。メイプルトップのマホガニーボディに2基のハムバッカーピックアップ&切り替えスイッチ、カブロニータのピックガード、そしてラッカー仕上げとGibsonのギターを思わせる仕様で注目されたモデルだ。テレキャスターのボディにストラトキャスターのネックという構成なので、実物を見ると意外とGibsonっぽさは感じられないという人が多いそう。カラーは展示機のIce Tea BurstのほかIce Blue Metallicもラインナップする。
ジャズマスターの60周年記念モデルにも新機種が登場。「Limited Edition 60th Anniversary Classic Jazzmaster」(170,000円)は、シングルコイルピックアップを2基搭載、リズム/リード切り替えコントロール、21本のナロートールフレットを装備した9.5インチR指板、メイプルCシェイプネックなどモダンプレイヤーが求めるスペックをフィーチャー。ピックアップ製作の名匠Tim Shawによる3基のハムバッキングピックアップを搭載した「Limited Edition 60th Anniversary Triple Jazzmaster」(250,000円)もラインナップされる。
■エフェクトペダルにはファズ、ディストーション、ブースターが追加
Winter NAMMでデビューしたFenderエフェクトペダルに、ファズ、ディストーション、ブースターの3種が新たに仲間入り。いずれも先にリリースされた6モデルと同様、バックライト付きで暗いステージでもセッティングの確認が容易なノブ、マグネット式でねじ回し不要で開けられるバッテリードアを搭載。そして、いずれも独自のエッセンスを加えるフィーチャーが盛り込まれている。
▲左から、The Pelt Fuzz、Full Moon Distortion、Engager Boost。
「The Pelt Fuzz」はLevel、Fuzz、Toneのおなじみのコントロールに加え、サウンドの輪郭を調整するBloomコントロール、ミッドレンジをブースト/カットするMidスイッチ、サウンドに厚みを加えるThickスイッチを用意。ファズはスイートポイントを探すのが難しいエフェクターの一つだが、このモデルはどんな設定にしてもおいしい音が作りやすいのが特徴。艶のある魅力的な音色を聞くことができた。
「Full Moon Distortion」は、前回リリースされた「Plugilist Distortion」がけっこう歪むオーバードライブといった印象だったのに対してもっと定番寄り。「これぞディストーション」というサウンドに仕上がった。音の質感が変えられるTEXTUREスイッチで、荒々しいサウンドと、よりシルキーな感じが選択可能。BITEスイッチは、クランチっぽいチャキチャキした歪みが得られる。4つのEQも備え、かなり幅広い音作りができる。
最後の「Engager Boost」はフェンダーらしく、どこまでもクリーンなブースター。20dBの範囲でレベルが変えられるが、どこまで上げても歪まないのが特徴。音色を変えずに全体を持ち上げたいという時に重宝する。
価格は順に16,500円、20,000円、13,000円。手軽に試してみたくなる価格も魅力だ。
▲電池ボックスのドアは倒すだけで開けられる便利な仕様。つまみには暗所でも見やすいLEDを備える。スイッチの状態を示すジュエルLEDはモデルごとに色が異なる。
■Squier Contemporaryシリーズ&アコースティックギター新モデル
▲SquierのContemporary Active Jazzmaster(左)と、アコースティックギターCaliforniaシリーズのKingman Bass、Villager 12-String(右)。
モダンなギターを求める若いプレイヤーに向け、WINTER NAMM SHOWでデビューしたSquier Contemporaryシリーズからは、ジャズマスター・バージョンが登場。アクティブピックアップ搭載のパワフルな「Contemporary Active Jazzmaster」は、マッチングヘッドに、フェンダーの中でもかなり平らな12インチラジアスの指板を採用。高音でのチョーキング、速弾きに威力を発揮する。このほか実機展示はなかったが、Jazz Bass、Active Jazz Bass HHと同5弦モデルがラインナップに加わっている。
同じくWINTER NAMMで登場したCaliforniaシリーズは、ストラトヘッドと斬新なカラーで注目を浴びたアコースティックギター。今回新たにアコースティック・ベース「Kingman Bass」(89,000円)と、12弦アコースティックギター「Villager 12-String」(75,000円)がラインナップに加わった。ベースはジャズベースのネックをそのまま使用。エレキから持ち変える際に違和感なく弾けるのがポイント。このほか、Californiaシリーズの「Redondo Player」、「Newporter Player」にはレフトハンドモデルが追加された(いずれも49,500円)。
■グレース・ヴァンダーウォールのシグネチャー・ウクレレが登場
▲Grace VanderWaal Signature UkuleleとGrace VanderWaal Moonlight Ukulele。カラーはどちらもこの一色のみ。ヘッドストックの裏にサインが。
ウクレレでは、2017年にアナウンスされていたグレース・ヴァンダーウォールのシグネチャーモデルがついに登場。2種の実機が展示された。
グレース・ヴァンダーウォールは2016年に12歳でデビュー。13歳の時にフェンダー史上最年少でエンドース契約を結んでいる。今回展示されたのは、彼女愛用のソプラノウクレレにインスパイアされたソプラノサイズの「Grace VanderWaal Moonlight Ukulele」と、コンサートサイズのシグネチャーモデル「Grace VanderWaal Signature Ukulele」。どちらもゴールドスパークルロゼッタ、ゴールドのハードウェア、4インチのテレキャスター・ヘッドストックを採用。ネック裏には彼女のサインが入っている。リリースは秋頃を予定。
▲コンサートサイズの「Zuma」、ソプラノサイズの「Venice」に新しいカラバリが登場。
テレキャスター・ヘッドストックを採用したCalifornia Coastシリーズウクレレには新しいカラーバリエーションが登場。ソプラノサイズの「Venice」(10,000円)、コンサートサイズの「Zuma」(22,000円)に、それぞれポップな3色が追加されている。
▲このほか、アクセサリーからはピックの新モデルが登場(左)。爪に似た質感のウルテム素材を使用したものや、フェンダーとしては初となるデボス加工を施しすべりにくいピックをラインナップ。写真右はジミ・ヘンドリックスのシグネチャー・カールコード「Hendrix Voodoo Child Cable」。伝達効率のよい無酸素銅を使用したケーブルで、プラグは片方がストレート、もう一方がヴィンテージスタイルの平型L字プラグ。カラーはPurple、White、Blackの3色。
▲Made in Japanシリーズからは、リクエストに応えて特別に作られるFSR(Factory Special Run)モデルを展示。TraditionalシリーズとHybridシリーズの色違いで、黄色がVintage White、ブルーがMidnight Blue。指板はローズウッドを採用している。
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