【ライブレポート】AAA、走り続けることを誓ったデビュー12周年公演
AAAは9月2日(土)よりグループ初の4大ドームツアー<AAA DOME TOUR 2017 -WAY OF GLORY->を開催、先日10月1日(日)には福岡ヤフオク!ドームにて、本ツアーのファイナル公演が行われた。BARKSでは、このツアーのうち9月14日(木)AAAのデビュー12周年当日に開催された東京ドーム公演の模様をレポートする。
◆ライブ画像
AAAは3月末に伊藤千晃が卒業。メンバーたちは彼女の卒業を温かく見守っていたものの、やはりファンの中には少なからず「6人でのAAAはどうなるのか」という不安があったのも事実だろう。だが、今回の<AAA DOME TOUR 2017 -WAY OF GLORY->は、AAAにとって初の4大ドームツアー。これは新たな未来へ向かっていくための、彼らの強い決意の一歩だったに違いない。そんなことを思いながら、会場で幕が開けるのを待った。
開演時間を少し過ぎたころ、ステージのスクリーンにマジシャンの映像が映し出され、手品の合間合間にメンバーの映像と名前が大写しになる。この映像からどんなライブが始まるのかと思っていたら、日高光啓のラップから「MAGIC」が始まる。そして妖艶なこの曲に合わせ、まるで手品のように観客の持つペンライトが一斉に輝く。このツアーから発売されたペンライトは遠隔操作で演出にあわせて光る仕様なのだ。一面ピンク色に染まった美しい会場を見て、“MAGIC=魔法”にかかったかと思うくらい、既にAAAのステージに魅了されているのを実感した。
火花があがった「Mosaic」。アリーナ中央の客席の頭上をステージが動いていくという大掛かりなセットチェンジが行われた「Next Stage」、ドームという大きな会場にぴったりの迫力ある演出に驚かされ続ける。メンバーも「12年間で一番熱い夜、今日作るぞ!」とファンを煽るなどテンション上々だ。パーティーナンバーの「NEW」ではファンも一緒になって踊り、一体感が生まれる。途中メンバー同士が肩を組みじゃれあう場面もあり、その姿に開場前に思っていた不安は一蹴。こちらまで笑顔にさせられる。こうしたメンバー間の友情を見ることができるのが、AAAのステージの魅力だと思う。
序盤から盛り上がるナンバーが怒涛に披露され、さすがと言わんばかりの華やかなステージが繰り広げられたが、ここで一転、雨の中で切ない表情を浮かべるメンバーたちの映像がスクリーンに映し出される。先ほどまでのムードとの違いに驚きつつ、様々な表情を見せる彼らの姿に目は釘づけ。そして映像から一続きのように流れ出したのは末吉秀太、浦田直也、日高光啓による「OVER」。椅子を使ったダンスと技巧派ラップでオトナの色気を表現した。
ヤシの木の柄の衣装に着替えた全員が登場して情感たっぷりに「涙のない世界」を歌い上げたあとは、宇野実彩子がアコギを持って「聴いてください」とひとりで「ココア」を歌い始める。この曲はもともと伊藤千晃とのユニット「MisaChia」で最後に発表されたもの。“さよならを決めたその日は いつもより空が青く見えた”など、泣けるフレーズが満載だ。だが切ないだけでなく、伊藤との“さよなら”を乗り越えこの曲をひとりで美しく歌い上げる宇野の姿には、ココアを口にしたときのような温かな気持ちにさせられた。
そして流れ出したのは日高の奏でるピアノの音色からの「風に薫る夏の記憶」。メンバーはひとりずつトロッコに乗り、会場のひとりひとりと目をあわせるようにして歌う。トロッコから中央ステージに移ったメンバーは、ピンクの紙吹雪が舞う中でそれぞれのボーカルが冴えわたる「恋音と雨空」を披露した。
こうして綺麗で切ない楽曲に彩られた第二パートが終わった後はMC。ここではメンバーの仲睦まじいトークが繰り広げられる。西島がコミカルな動きと声で「晴れてよかった」と歌い続けたり、日高がその真似をしたり。浦田と末吉がデビュー当時のことをからかいあう場面などもあった。最初のパートで見せた華やかなアーティストオーラ、先ほどのパートで見せたしっとりとしたアダルティな雰囲気。そしてこのMC。目まぐるしく変わっていくAAAの表情は、一瞬も目が離せない。
と、そんな仲睦まじい雰囲気を引き継ぐかのようにはじまったのは西島と與による「Dangerous Gamble」。2人は顔を近づけあったり、西島が後ろから與に抱き着いて2人でハートサインを作るなど、可愛さにメロメロにされていく。それに負けじとピンクのミニワンピを着た宇野も「永遠のアイドル、みさこ。」と宣言して、可愛くポップに「Jewel」を披露。途中、セクシーなダンスを見せるシーンもあり、会場はアイドルのライブ会場さながらに。それにまけまいと男らしいラップから始まる「GAME OVER?」ではファンが一斉にジャンプし、圧巻の盛り上がり。「No Way Back」では火柱があがり、「S.O.L」では小道具をつかいながらコミカルなダンスを見せるなど、まるでパーティー。
と、ここでまたもアンニュイな表情のメンバーの映像が流れる。こうした対照的な姿を挟み込むことで、より個々の楽曲が際立っていくのだろう。メンバーそれぞれが出かける準備を終え、こちらに向かって歩き出してくる映像が終わると近未来的なバック映像とともに蛍光色の衣装にチェンジしたメンバーがステージに登場。日高の「準備はいいか、Are you ready?」の声と共に「LEAP of FAITH」が披露された。ここからはまるでクラブのようなキラキラな世界。「One Nighe Animal」ではメンバーのフリに合わせてファンも踊り、「Calling」ではキラキラと輝く星屑のような幻想的な灯りの中、一人一人の歌声が響き重なり合って壮大な世界が描かれた。ここまでで2時間半の本編。時間の経過に驚かされるぐらい、あっという間の時間だった。
本編終了後、客席からはどこからともなく「ハッピバースデー、AAA」と歌う声があがる。その歌声はどんどん大きくなり、その声に応えるようにアンコール一発目は「Yell」。明るく前向きな曲で、ファンが歌っていたバースデーソングへのアンサーソングのよう。
新曲「LIFE」も初披露された。それぞれメンバーが絡みながら歌う様子は本当に楽しそう。この曲では手でL字を作って踊る、「Lダンス」を会場全体で楽しんだ。この新曲がフジテレビ系月9ドラマ『民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?~』の主題歌になっていることから、何と同ドラマに出演する篠原涼子、千葉雄大、前田敦子、斎藤司(トレンディエンジェル)がAAAデビュー12周年を祝してサプライズ登場。篠原はお祝いの言葉と共に花束を西島にわたし、新曲とドラマをアピールした。斎藤司が「恋音と雨空」の替え歌を披露する場面では、会場が爆笑に包まれた。
その後のMCではAAAスタッフからサプライズの映像が。先日行われたばかりの名古屋公演、京セラドームの模様も盛り込まれたこの映像を見て、メンバーたちはこれまでの活動を振り返った。お祝いのケーキのキャンドルを6人全員で吹き消し、代表して浦田が「これからもっともっと頑張っていきたいと思うのでみなさん応援よろしくお願いします」とファンに感謝の気持ちを伝えた。そしてラストは「Beat Together」「I4U」「ハリケーン・、リリ、ボストン・、マリ」のメドレー。フロートにのって、ファン一人一人に目を合せていたのが印象的だった。「I4U」の“いつだって絆信じてる”という歌詞にぴったりの光景だ。
金テープが舞う中、ツアータイトルにもなっている「WAY OF GLORY」を歌い上げると、浦田が「ほんとにここまで頑張ってきてよかったなと心から思いました。13年、14年、15年と走り続けられるようみんなで頑張っていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!今日もありがとうございました!」とファンに誓う。そして会場全体で「WAY OF GLORY」と叫んでAAAのデビュー12周年の公演が大団円で締めくくられた。
取材・文◎服部容子(BARKS)
セットリスト
2.Mosaic
3.Next Stage
4.PARTY IT UP
5.NEW
6.OVER
7.涙のない世界
8.ココア
9.風に薫る夏の記憶
10.恋音と雨空
11.Dangerous Gamble
12.Jewel
13.GAME OVER?
14.No Way Back
15.S.O.L
16.LEAP of FAITH、SHOW TIME、Eighth Wonder
17.One Night Animal
18.Calling
en.
1.Yell
2.さよならの前に
3.LIFE
4.Beat Together、.I4U、ハリケーン・リリ、ボストン・マリ
5.WAY OF GLORY
55thシングル「LIFE」
■CD+DVD
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LIFE
LIFE(Instrumental)
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◆AAA オフィシャルサイト
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