【レポート】VAMPS、東京公演最終日「ヴァンパイアだけど、夏、好きなんだよね」

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最新アルバム『UNDERWORLD』を携えて7都市計22公演を廻る籠城型ツアー<VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD>を開催中のVAMPSが、6月28日にZepp Tokyoにて東京エリアの最終公演を行なった。

◆VAMPS 画像

現地の著名プロデューサーを迎え、アメリカでレコーディングされたアルバム『UNDERWORLD』はVAMPSの核が色濃く反映された作品となった。「目に見える物質的な“表の世界”ではなく、ダークサイドとも言える“裏の世界”にこそVAMPSの本質がある」というコンセプトのもとに制作された本作は重心が低く、ヘヴィにダークに振り切った曲がメインだ。近年のVAMPSが海外、特にアメリカにフォーカスを当てて精力的な活動を展開していることはご存知の通りだが、展開が多く情緒的なメロディが主役であることが日本音楽シーンのメインストリームであるとするならば、エッジーなK.A.Zのギターサウンドと旋律が互角に渡り合い、低いキーで扇情的に歌うHYDEのヴォーカルが全編を支配する『UNDERWORLD』は世界を見据えた挑戦のアルバムといっていい。

と同時に、以前からライヴの中で「EVIL」のようなダークサイドに振り切った邪悪なムードを撒き散らすナンバーが重要な位置を占めていたことや、ヴァンパイアや海賊をモチーフに表現していたことを思うと、そもそもVAMPSは地下世界にスポットを当てたバンドであったわけで、アルバムはまさに彼らの本質を躊躇なく打ち出したものと言うことができるだろう。当初は『UNDERWORLD』が、日本のBLOODSUCKERSにどんな風に受け入れられるのか不安を感じていた部分もあったようだが、ライヴを見る限り、それは杞憂に終わったようだ。


まだツアー真っ最中なので、ステージセットや詳しい曲順についての記述は避けるが、6時66分、約束の開演時刻が近づくと超満員のフロアからVAMPSのライヴを渇望していることが速攻で伝わる大歓声が上がり、闇の祝祭を意味するオープニングナンバーから、攻めの姿勢でBLOODSUCKERSを釘付けにした。“立ち入り禁止テープ”が張り巡らされたステージでまさにアンダーワールドの住人のような出で立ちのHYDEは拡声器とマイクを交互に使って衝動的に動きまわりながらアジテートするように歌い、そのヴォーカルの迫力とオーラでアッという間にBLOODSUCKERSを釘付けにしてしまう。

『UNDERWORLD』の中で最もロックンロール色の強いナンバー「RISE OR DIE」では盛大なコール&レスポンスが巻き起こった。グルーヴ感たっぷりの小気味いい演奏が身体を揺らし、黒いフードの下から覗くHYDEの目が不気味に光る。もはや人間ではないのかも? そう思わせる瞬間がVAMPSのステージにはある。

「溜まってるもの全部、出しといて! 心の準備はできてる? 今夜も楽しもうぜ! Are You Fuckin’ Ready!?」──HYDE

約1ヶ月間にわたるUSツアーを経て、VAMPSのライヴはさらに研ぎ澄まされ、バンドの輪郭を明確に打ち出したものとなっていた。以前はスパイスとして効力を発揮していたダークサイドに振りきる「EVIL」のような楽曲が『UNDERWORLD』収録曲によく馴染んで、VAMPSの現在の在り方を象徴する。より重厚感を増したARIMATSUのドラム、Ju-kenのベース、JINのキーボードの音色がカタマリとなって襲いかかってくるようだ。ヘヴィなミドルチューンではK.A.Zが7弦ギターでエッジの効いた重低音フレーズを弾き、HYDEが身体を折り曲げてスクリーム。静と動が交錯し、ゴシックなサウンドと憂いのあるメロディが妖しさを加速させていくナンバーなど、新曲の迫力にはただただ圧倒された。


誤解を恐れずに言えば、いわゆるメロをすぐに口ずさめるようなキャッチーな曲は1曲もない。しかも歌詞はほぼ全英詞。にも関わらず、オーディエンスはぐいぐいアンダーワールドに引きずりこまれていく。もしかしたら初めて見る人は踏み入れてはいけない世界に来てしまったと、最初は呆然とするかもしれない。それぐらい今のVAMPSは濃厚な匂いを撒き散らしている。しかし、それにしてもBLOODSUCKERSはこの夜も元気だ。最新シングル「CALLING」ではHYDEが両手を広げ、サビでフロアにマイクを向けてシンガロング。K.A.Zのタッピングが曲に彩りを添えると、大歓声が巻き起こった。

「楽しんでる? 東京ラストだよね。わかってる?やれるよな? 普段いいコちゃんにしてるんでしょ? ここでは全然悪いコになっちゃっていいからね。そろそろ本性見せてくれよ!BLOODSUCKERS!UNDERWORLDの奥まで行こうぜ!」──HYDE

HYDEの煽りからライヴは怒涛の後半戦へ。「魂を見せてくれ!」とハンドマイクで動きまわり、K.A.Zが下手、Ju-kenが上手とポジションをチェンジした「DEVIL SIDE」ではHYDEが這うように歌う場面も飛び出してフロアはクラウドサーフ続出。波のようにBLOODSUCKERSが揺れ、Zepp Tokyoは熱帯夜のごとく狂おしい空間と化した。HYDEがギターを構え、K.A.Zとのツインギターを鳴らす「AHEAD」ではHYDEをはさんで弦楽器陣がセンターに集結。この曲の持つ開放感、高揚感が際立って響いてきたのも、VAMPSの現在進行形を伝えていた。ラストナンバーはHYDEがK.A.Zの肩に手をかける場面もフロアを熱狂させたロックチューンだ。嵐のような時間が過ぎ去っていった。


熱狂的なVAMPSコールの中、再びステージに登場したアンコールでは新曲に加えてライヴのキラーチューンを続々投下。K.A.ZとHYDEがBLOODSUCKERSにメッセージを送った。

「東京公演も今日が最後になっちゃいました。ツアーで海外に1ヶ月間行って、日本に帰ってきて。とってもいい感じに仕上がってきたと思います。前のアルバムよりヘヴィになって最初はみんなノッてくれるのかな?と思ったけど、こういうのも楽しいでしょ? ツアーに出て、夏は沖縄ですよ。みんなパンイチで泳ぐんでしょ?(笑)。残りの曲も楽しんで、いい思い出にしてください」──K.A.Z

「夏が来たね! ヴァンパイアなんだけど、夏、好きなんだよね(笑)。<BEAST PARTY>、みんな来てね。沖縄だから今年はちょっと遠いよね。その代わりに夏フェスにも出るから、楽しみにしてて。せっかくいいアルバムが出来たからフェスでいろいろな人に聴いてもらって、みんなが大好きなVAMPSのカッコいいところを見せつけたいと思います。それには君たちのパワーが必要なんですよ。やっぱ俺らの自慢のBLOODSUCKERSだから。沖縄に来られない人はフェスで可愛がってやるから、一緒に夏を楽しもうぜ!」──HYDE

「悔いを残すなよ!」と叫び、ラストナンバーはBLOODSUCKERSと暴れ倒してのエンディング。HYDEは薔薇の花を無造作にちぎってK.A.Zの頭上やフロアにばら撒き、「首洗って待ってろよ!」と投げキスでステージを去った。

VAMPSは夏恒例の野外イベント<VAMPS LIVE 2017 BEAST PARTY>を沖縄・ぎのわん海浜公園屋外劇場で開催するほか、<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017>、<SUMMER SONIC 2017>、<a-nation 2017>、<氣志團万博2017>など、各地の夏フェスに多数出演。既成のカテゴリーをぶち抜く最強サウンドで文字どおりこの夏を駆け抜けていく。

取材・文◎山本弘子
撮影◎岡田貴之



■<VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD>

7月08日(土) ZEPP NAGOYA [SOLD OUT]
7月09日(日) ZEPP NAGOYA [SOLD OUT]
7月11日(火) ZEPP NAGOYA
7月12日(水) ZEPP NAGOYA [SOLD OUT]
(問)サンデーフォークプロモーション052-320-9100 (10:00~18:00)
7月15日(土) 熊本 B.9 V1 [SOLD OUT]
7月16日(日) 熊本 B.9 V1 [SOLD OUT]
(問)キョードー西日本 092-714-0159 (平日10:00~19:00/土曜10:00~17:00)
7月18日(火) 福岡DRUM LOGOS [SOLD OUT]
7月19日(水) 福岡DRUM LOGOS [SOLD OUT]
(問)キョードー西日本 092-714-0159 (平日10:00~19:00/土曜10:00~17:00)
7月22日(土) ZEPP OSAKA BAYSIDE [SOLD OUT]
7月23日(日) ZEPP OSAKA BAYSIDE [SOLD OUT]
7月25日(火) ZEPP OSAKA BAYSIDE
7月26日(水) ZEPP OSAKA BAYSIDE [SOLD OUT]
(問)キョードーインフォメーション0570-200-888 (10:00~18:00)
9月02日(土) ZEPP SAPPORO
9月03日(日) ZEPP SAPPORO
(問)マウントアライブ 011-623-5555 (平日11:00~18:00)
9月17日(日) 仙台 SENDAI PIT [SOLD OUT]
9月18日(祝・月) 仙台 SENDAI PIT [SOLD OUT]
(問)キョードー東北 022-217-7788 (平日10:00~19:00/土曜10:00~17:00)
▼開場/開演
平日 18:00/19:06
休日 16:00/17:06
※上記時間は予定です。変更となる場合もございます。
※9月17日(日) SENDAI PIT公演は OPEN 18:00/START 19:06となります。
▼チケット
6,660円(税別/ドリンク代別) ※1Fスタンディング/2F指定席
※B.9 V1、DRUM LOGOS、SENDAI PIT公演は、1Fスタンディングのみ
※6歳未満入場不可、6歳以上要チケット

■<VAMPS LIVE 2017 BEAST PARTY>

2017年8月5日(土) 沖縄 ぎのわん海浜公園屋外劇場
2017年8月6日(日) 沖縄 ぎのわん海浜公園屋外劇場
OPEN 16:30 / START 17:30 / 終演 20:30予定
▼チケット
9,200円(税込 ※スタンディングブロック指定 / 指定席 / 後方芝生エリア立見 / 見切れ席(指定席))
※年齢を問わず、お一人様1枚のチケットが必要です。
※6歳未満のお客様はスタンディングエリアにはご入場いただけませんので指定席をご利用ください。
※雨天決行、荒天中止
(問)PMエージェンシー 098-898-1331 (平日10:00~18:00)

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