【インタビュー】第一興商が強力プッシュする7月度D-PUSHアーティストにFIVE NEW OLDが決定!

ポスト

■「Not Too Late」を踊れる曲に持っていけたというのは
■今回の制作の大きなポイントの一つになった気がしています


――「Too Good To Be True」を聴くと、FIVE NEW OLDが独自の黒っぽさを持っていることがよく分かります。では続いて、今作を録るにあたって、それぞれプレイヤーとしてこだわったことなども話していただけますか。

YOSHIAKI:ベースは、「By Your Side」に関しては、アレンジャーの俊君もベーシストなので、サビはHIROSHIのメロディーに対してのアプローチの取り方を一緒に考えました。それに、レコーディングする中で、もうちょっとシンプルにしたほうがロックっぽくなるんじゃないかとか、指弾きでいきつつ途中でピック弾きしたい場所もあるんですけどと言ったら、「それは、すごく良いアイディアだと思う」と言ってくれたりして。WATARUと俊君と僕の3人で、ああだこうだ言いながらベースを録っていくのがすごく楽しかった。そういう意味で「By Your Side」は今回の4曲の中で一番印象が強いし、ベーシストとしてまた新しい一面を見せることができて満足しています。


――「By Your Side」のAメロは、ベースとシンセで同じフレーズを弾いて、シンベっぽいテイストにしていませんか

YOSHIAKI:しています。「Ghost In My Place EP」の時からシンベを使うようになって、生ベースは弾いていない曲とかもちょいちょいあったりするんですけど、やっぱり生ベースでやりたいという想いがあって。メンバーも、それがFIVE NEW OLDらしくて良いんじゃないかと言ってくれたので、今はこういう手法で落ち着いています。そこも含めて、「By Your Side」は聴いてほしい1曲です。ただね、「By Your Side」の最後のほうでベースソロ的なフレーズをチロチロ弾いているところがあるんですけど、フェイドアウトであまり聴こえないんですよ(笑)。でも、そこは隠れたポイントなので、耳を傾けてもらえると嬉しいです。

HAYATO:ドラムは基本的に4曲通してですけど、前作、前々作よりも自分のフレーズを主体にしたドラムを叩かせてもらいました。今回僕の中では、フィル・インとかに惑わされずにビートで勝負したいというのがあって。僕はいつも色々な外国人ドラマーを見て研究しているんですけど、彼らのリズムは淡泊に聴こえるけど、その後ろにいろいろなものがあるんですよね。僕もそういうドラムにしたくて、裏拍だったり、タメだったり、アクセントだったりといったことを、すごく考えました。

――ドラムの質感が打ち込みと生の中間という感じになっていることも印象的です。

HAYATO:それは、ブレンドしています。

HIROSHI:1年前くらいからそういうことをするようになって、HAYATOが叩いたトラックに、僕がサンプリングしているドラムの音源をあてたりしています。


▲YOSHIAKI(Ba.)

――音が打ち込みっぽいのに、ノリは人間味に溢れているというのが絶妙です。スネアも少し後ノリでしょう?

HAYATO:そう。僕は元々洋楽をずっと聴いていたので、若干後ノリのビートが染みついているところがあって。それが自分の個性だと思っているので、気づいてもらえたのはすごく嬉しい。そこに気づいてもらえたなら、僕はもう何も言いません(笑)。

――そう言わず、特に印象の強い曲などを教えてください(笑)。

HAYATO:「Not Too Late」かな。この曲を作っている時に、HIROSHIにポロッと言われた一言があって。「Not Too Late」は今の完成形になるまでに、ちょっとベタついていたんですよ。湿気感があった。そうしたら、HIROSHIが「これを、どうにか踊る曲にして」と言い残して、いなくなってしまったんです(笑)。それで、WATARUと二人でいろいろ分析して、こうかな、ああかなとやっていったら、“あっ、踊れた!”みたいな(笑)。「Not Too Late」を踊れる曲に持っていけたというのは、今回の制作の大きなポイントの一つになった気がしています。

WATARU:ちょっと余談になるかもしれないですけど、今回の4曲のデモが最初に出来た時は、全曲ギター・ソロのパートがあったんですよ。それで、これだと全部同じような印象になってしまうんじゃないかと思ったし、敢えてギター・ソロを抜くことで映えるパートが出てくる曲とかもあって。それで、さっき話が出た「Too Good To Be True」のサックスに繋がっていったりしたんです。そういう意味で、ギターから生まれていったものが、この4曲の中には結構ありますね。あと、今までの音源のギターはライン録りしていたんですけど、今回の「The Dream」と「Too Good To Be True」はスタジオにアンプを置いて、マイクを立てて録りました。ギターの質感だったり、後で修正できないニュアンスといったアナログならではの良さを活かすことができて正解だったんじゃないかなと思っています。特に、「Too Good To Be True」は、僕達はAORのサウンド感がすごく好きなので、コーラスを掛けているけど乾いた質感のギターを生で録ることでパッケージ出来て、すごく良かった。アンプを鳴らして録ることの良さが分かったのは、今回の制作の大きな収穫でした。

――WATARUさんは、本当に楽曲を重視したプレイをされますね。ギタリストは自己主張が激しい人が多いじゃないですか。

一同:そう!(笑) まさに、そうですよね。でも、WATARUは違うんです。

YOSHIAKI:だって、普通は4曲全部にギター・ソロがあると、ギタリストは喜ぶじゃないですか。WATARUは違うんですよ。


▲WATARU(Gt.,Key.)

――ギターで壁を作ったりせずに、隙間を活かされていますし。

WATARU:うちのバンドはHIROSHIと僕という二人のギターがいて、バッキングはHIROSHIが主体になって考えることが多いんですよ。なので、ギターが隙間を活かしているのは、HIROSHIのセンスが良いからです。あとは、うちの場合は鍵盤やシンセサイザーのパッド系とかも鳴っていて、そういう音はかなり強く楽曲を支配するんですよね。それに、そういう音を、ギターよりも先に入れるんです。そこにヘタにギターをあてると音が聴こえなくなってしまったり、ギターとシンセが重なって強調したくないものが強調されてしまうこともあったりするんです。サウンドメイクは美しくありたいので、その辺はしっかり見極めて、両方が映えるギターを入れ込むようにしています。

YOSHIAKI:WATARUは、すごく面白いですよ。シンセとかを入れる時はすごく時間が掛かるんですけど、ギターは10分くらいで「できたぁー!」とか言うんです(笑)。ギタリストなのに(笑)。

HIROSHI:そう(笑)。WATARUは、うちのバンドにとって理想的なギタリストです。歌は、僕は今回のレコーディング当日に、本当に体調を崩してしまったんです。前日から喉風邪をひいて、喉がイガイガの状態だったんです。なので、“響声破笛丸”というボーカルさんがよく飲まれる漢方を飲んだり、お湯に蜂蜜を入れたのを飲んだりしながら歌録りしました。

――そういう状態とは思えない、聴き応えのある歌を歌われていますね。

HIROSHI:うちのバンドはプリプロダクションをしっかりやるので、いつもその段階でどういう歌い方にするかを、ほぼほぼ自分の中で固めるんです。今回も世界観的にこういう表現をしたいというのが見えていて、録りの時は良い歌を歌うことだけに集中できたのが良かったですね。本当に歌えない日もあって休みを一日もらったりもしましたけど、最終的には一日くらい巻いて終わりました。

YOSHIAKI:今回は、本当にスムーズだったよな。時間的な余裕はあるけど、HIROSHIの体調面の余裕がない…みたいな(笑)。

HIROSHI:アハハ(笑)。このバンドを始めて歌い始めた頃は、自分のピッチに自信がなかったんですけど、ゲネプロとかをした時にライン録りした自分の歌を聴いてからは、もっと深いところを気にすることが出来るようになった。だから、歌録りは、いつもあまり時間が掛からないんですよ。それに、今回のレコーディングは体調が良くなかったけど、4曲全部自信を持って聴いてくださいといえる歌になっています。

――楽曲の上質さに加えて、それぞれのプレイやアプローチやの聴きどころが多いことも「BY YOUR SIDE EP」の魅力になっています。音源のリリースに併せて、7月から8月にかけて行われる全国ツアーは、どんなツアーになりますか?

WATARU:今度のツアーは7月30日の東京と8月27日の大阪が、初のワンマンなんですよね。自分達はまだワンマンというものをしたことがないので、どういう景色が見れるのかは想像できなくて。今回のツアーと2本のワンマン公演をすることで新しく見えるものがあるんやろうなというところで期待を持ちつつ、緊張感のあるツアーになると思う。そういう意味で、すごく良いツアーになる予感がありますね。あとは、同じようなワンマンを2回するつもりはなくて、東京でしか出来ないこと、大阪でしか出来ないことをやろうと思っているので、そこも楽しみにしていて欲しいです。

YOSHIAKI:自分達の主催ツアーは今回で4回目になるんですけど、今までの3回のツアーは結構ドタバタだったり、自分達が思ったことをまだ形に出来なかったりしたんです。今回のツアーは、それをクリアしたいというのがまずあって。あとは、ワンマンと対バンが混じっているという自分達の中でも新しい挑戦が入っていて。ワンマンにはワンマンの良さがあるし、対バン・ライブは対バンならではの良さがあるので、両方をしっかり見せたいと思っています。

HAYATO:ファイナルのワンマンに照準を合わせたツアーになりますけど、対バンの時もワンマンと変わらない熱量を出していきます。そうやって、各地で自分達の良さを出し切っていきたいですね。今回の「BY YOUR SIDE EP」でFIVE NEW OLDのことを知った人は、ライブも落ち着いた感じなのかなという印象を持つかもしれないけど、そんなことはなくて。基本的にアッパーで、聴かせるシーンもあるというライブをしています。老若男女問わず、幅広い層の人に楽しんでもらえるライブをしているので、ぜひ今回のツアーで生のFIVE NEW OLDを体感して欲しいです。

HIROSHI:最近はライブに来てくれた人が、それぞれの楽しみ方で楽しむというのがすごく難しくなっていることを感じていて。良くも悪くも、うちのライブはこうやって、こうやって、こうするんですよ…ということを、バンドがものすごく提示してるライブが多いし、そうじゃないと安心できない楽しみ方に偏っているような気がします。僕は、FIVE NEW OLDのライブは、そういうあり方に対するカウンター・カルチャーでいたいなと思っているんです。本当に自分が自由になるというのはどういう感覚なのかを知ってもらえるライブをしたいんですよ。自分達も含めてみんなが本当に自由になった時に、とてつもない一体感が生まれることを、僕は信じているから。特にワンマンがそうですけど、そういう空間を、お客さんと一緒に創り上げたいと思っています。

取材・文●村上孝之

FIVE NEW OLDはDAMの7月度D-PUSH!アーティストに抜擢されており、「BY YOUR SIDE EP」のリード曲となる「By Your Side」がカラオケDAMで配信中。さらに今だけクリップ(期間限定映像)として「By Your Side」のMVも7月4日よりカラオケ背景映像に順次登場する。夏にぴったりのサウンド&ゴスペルのコーラスで友達といっしょに盛り上がろう。

カラオケの合間に流れる音楽情報コンテンツ「DAM CHANNEL TV」のD-PUSHコーナーにも、ゲストとして登場。番組パーソナリティとのトークで、彼らの素顔に触れることができる(7月4日より順次配信~7月末まで)。また、全国のビッグエコーではフロント設置の店頭モニターで「By Your Side」のMVを放映(7月初~7月末)、渋谷街頭ビジョンおよび新橋ビジョンでもカラオケ本人映像を紹介するCMがオンエアされる(渋谷は7/1~7/6、新橋は7/1~7/30)。

カラオケDAMの目次本「DAM express」7月号も要チェック。D-PUSH!コーナーに彼らのインタビュー記事が掲載。また、ウェブサイト「clubDAM.com」でもインタビュー記事&リリース情報をチェックすることができる(7月初~7月末)。


リリース情報

Major Debut EP「BY YOUR SIDE EP」
2017.6.21 (wed) Release
TFCC-89619 / ¥1,300 (+tax)
1. Not Too Late
2. The Dream
3. By Your Side
4. Too Good To Be True

ライブ・イベント情報

<BY YOUR SIDE TOUR>
・7/21(FRI) 愛知・名古屋ELL FITS ALL
・7/30(SUN) 東京・新代田LIVE HOUSE FEVER 【ONEMAN】
・8/6(SUN) 宮城・仙台enn 2nd
・8/18(FRI) 石川・金沢vanvan V4
・8/25(FRI) 福岡・福岡Queblick
・8/27(SUN) 大阪・梅田Shangri-La 【TOUR FINAL ONEMAN】

<「BY YOUR SIDE EP」発売記念インストアライブ>
6月24日(土)タワーレコード渋谷店
HIROSHI・WATARUによるアコースティック編成のミニライブ
6月25日(日)タワーレコード梅田NU茶屋町店
HIROSHI・WATARUによるアコースティック編成のミニライブ

<ネコフェス2017 くだけねこロックフェスティバル>
6月25日(日)
神戸地区ライブハウス10会場 (Kobe SLOPE 16:00~16:30)
出演者:アルカラ/ircle/赤色のグリッター /alcott/印象派/植田真梨恵/uchuu,/A(c)/キュウソネコカミ/go!go!vanillas/ドラマチックアラスカ/Brian the Sun/more...

<夢チカLIVE VOL.121>
7月1日(土)札幌 KRAPS HALL
出演者:Survive Said The Prophet/Sunrise In My Attache Case/The Hurry's/バンドハラスメント


◆インタビュー(1)へ戻る

関連画像&映像

◆FIVE NEW OLD 画像&映像
この記事をポスト

この記事の関連情報