【インタビュー】SuG、武道館前にシングル「AGAKU」で見出した“俺らしかできない音”

■去年偉い人にいわれたな。「全員踊ってみないか？」って。（武瑠）
■あったなぁ〜（笑）。そういうの。（Chiyu）

──「AGAKU」はMVもスタイリッシュでしたね。

武瑠：洋服はボロボロなんだけど、映像では近未来感を出したくて、EDMとかエレクトロな映像を撮るのによく使われている特殊なカメラを使って、ライトが横に1本線のように広がるような感じを出しました。

──EDMで使われるようなカメラをバンドに持ってきてというところは、SuGらしい新しいミクスチャーバランスですね。映像のなかでは赤いロープで縛られて、あがく姿を表現されてましたが。

武瑠：あれは全体の絵が一番綺麗に見えるロープの配置を何回もやり直して作ったんです。時間がなかったんで、自分で高いところに登ってロープを結んで。それぐらい手作りです。


──ダンサー4人をフィーチャリングしたのは？

武瑠：この曲はがっつりダンスを撮りたくて。あそこまでちゃんとしたダンスの振り付けを組んでもらったのは「sweeToxic」以来です。

──ライヴではフロントの4人が楽器を置いてダンスパフォーマンスを？

武瑠：絶対に無理（きっぱり）。めちゃくちゃ難しいんで。

Chiyu：あれ踊れるんなら楽器いまやってないし（笑）。

──せっかく10周年なんだから、ここは猛特訓を重ねて踊っちゃいませんか？

武瑠：わざわざ10年やってきたパート捨ててまでトライする意味が分かんない（笑）。でも去年偉い人にいわれたな。「全員踊ってみないか？」って。

──えーっ！

武瑠：「絶対無理です」って即答で断ったけど。

Chiyu：あったなぁ〜（笑）。そういうの。

武瑠：「このまんまじゃ売れないから」って（笑）。

yuji：CM撮ったことあるんですよ。俺らはスーツ着てて、プロデューサーに無理やりこれをやれって押し付けられるんですけど。

武瑠：それに耐えられなくて、バリバリバリってスーツ破って、衣装に戻って演奏を始める。

yuji：っていうCMを撮ったことがある。

shinpei：タイのCHAKUZAっていう飲み物のCM（※「☆ギミギミ☆」がタイの飲料CMソングに起用され、本人たちもCMに出演）です。

──この10年、他のバンドがやってないようなことをいろいろやってきたんですね。SuGは。

全員：だはははっ（笑）。

武瑠：ここまでなんでもやるバンドってすごいですよ。経歴だけ見たらすごいですからね。

yuji：経歴だけでいったらエグいよ。

武瑠：オリコン3位で活休もして洋服ブランドもやってて海外ツアーもして海外でCMにも出てて映画も作って小説まで書いて。って、意味わかんないよね？（笑）

shinpei：そこに「5人で踊る」が加わったかもしれないんだから。

──新たな経歴がね。

全員：恐ろしいわー（笑）。

▲「AGAKU」LIMITED EDITION

■青だとしっくりこないなと思って。赤の方がより試行錯誤の毎日だったり足掻いてきた10年にふさわしい（武瑠）

──ではこの曲以外についても教えてください。「AGAKU」の前にはSE「mark」があって。

武瑠：ちょっと前までのパリピなEDMから、流れが透明感ある方に変わってきて。これは自分的にはいまどストライクな音です。

──3曲目には「赤春」というナンバーが収録されてました。このタイトルは青春の造語なのかなと思ったんですが。

武瑠：そうです。青だとしっくりこないなと思って。赤の方がより試行錯誤の毎日だったり足掻いてきた10年にふさわしいなと思ってつけました。

──青春よりも足掻いて血や汗が滲み出てる感じがしますもんね。SuGのロゴも流血して血が流れ出してるともとれるし。

武瑠：そういう意味じゃないです（きっぱり）。

──外しちゃいました。

Chiyu：うん、ドンマイ！（笑）

──では4曲目の「CUT」は？

yuji：これは昔作った曲で。選曲会のときに、なんとなくこれになったんですけど。どう思いますか？

（※ここで編集部員も交えての感想会。立会の編集部員の感想は「忘れた頃に急に浮かび上がってくる不思議な曲。カップリング集があったら入れたい」。収録過程で候補曲の中からこの曲を評価する声があったことも明らかになった）

──んん〜…（小声で）。これね、本当に何回も聴き込んだんですけど、着地点がもやっとしてて微妙？

全員：やっぱりー（笑）。

masato：みんなそういうんです。

武瑠：やっぱ全員のビジョンが見えてないとダメなんだね。勉強になった。

shinpei：録りの段階でビジョンが見えなかったんですよ。そんななか、どうかな？　と思いながらドラム録り終えて投げます。

Chiyu：ベース入れました。どうなんかな？　って思いながら投げます。

yuji：ギター弾きます。いいのかな？　って思いながら渡して。

masato：ギター弾きます。いいのかなって？

──ぶはははっ。ぶっちゃけますねー。

武瑠：最初にデモ聴いたときに歌詞がすぐに思い浮かぶ曲は大概いい曲なんですが、今回は完全に外れてたんですよ。それで、上がってきた曲はみんなのビジョンがぐちゃぐちゃにパッチワークされてきたものをカットアップしてる感じだったから「CUT」というタイトルにして。そこから歌詞は書きました。

──7月5日から始まる＜39 LIVE ADDICT chapter2 AGAKU＞はどんな内容になりそうですか？

武瑠：「AGAKU」をテーマにしたツアーになります。なのに「CUT」はカットするかもしれないですが（笑）。最後まであがいてきます。

取材・文◎東條祥恵







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