【インタビュー】スコット&リバースが語る「曲作りは日本の方が自由」な理由

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■日本に比べて、今のアメリカの音楽には自由がない

──曲を作るときはメロディが先ですか? どういう風に曲を作っていくの?

スコット:いろんなパターンがあるんだけど、リバースは最初がメロディで、それに合わせてコード作る。

リバース:たいていコード進行が最初かな。そしてメロディ。でも本当のJ-POPスタイルの曲の「変わらぬ想い」とかはメロディが最初。

──日本の場合でもいろんなタイプがあって、シンガーソングライターの人はメロディと歌詞が最初にできるというケースが少なくないですけど、バンドの場合はコード進行でオケだけ(演奏部分だけ)先に作ってしまって、後から歌詞やメロディを乗っけるケースが多いような気がして。だから引っかかりのあるメロディが生まれることでクセになって、サビとかみんな歌いたくなると思うんですよね。コード進行が変わっているからこそ、面白いメロディが生まれることもあるというとも事実ですよね。

リバース:はい、でもアメリカではいつも音楽は最初だし、歌メロと歌詞が後で、だいたいいつもコード進行はよく繰り返す感じ。

スコット:ウィーザーのアルバムも全部そういう書き方?

リバース:そう。90年代はもっと自由があったかな。でも、今のトラックはすごくシンプルで繰り返す。後でボーカルメロディと歌詞(を乗せる)。でも日本ではもっと自由がある。「変わらぬ想い」とか、前作の「朝は近い」は日本作曲者とこの歌を作りました。コード進行はいつも展開しています。

──日本の方が自由で、アメリカの方が自由じゃないというのはどういうことですか?

リバース:すごくいい質問。「日本の音楽はシンガロング(編注:Sing a Long、みんなで歌うの意)がOK、でもアメリカでは踊る音楽が人気」というのが僕の説で。アメリカでは複雑なコード進行の音楽は絶対無理です。みんな、ついていけないし、わからない。

──音楽の面白さをそこに求めていないからですか?

リバース:アメリカの音楽は、今は昔の古いアルバムの曲をサンプリングしてループするスタイルとかが主流だから。ヒップホップとかベースになっているのは4小節のループだね。

──スコットさんも、アメリカの今の音楽には自由がないと思います?

スコット:最近はそうだね。ずっと同じコード進行の上に歌が乗っている、というのは一般的だし。

──特にEDMが入ってきてからは、そういう形が多いですよね。

スコット:そう。その意見は正しいね。

──アメリカは新しい音楽をやるというより売れる音楽という風潮、大ヒットメイカーのプロデューサーが出てきたら、その人に仕事が集中するような流れがずっと続いていますよね。

スコット:うん、そうだね。

──では、2人がいいと思うのはどういう音楽ですか? 歌詞を見ていると、自分たちはちょっと弱い面があるけれど、ポジティブになろうとする歌詞が多いように思うんです。だからみんな励まされるし、つい一緒に歌いたくなる。シンガロングできる歌は常に意識しています?

リバース:そうだね。シンガロングと発散できること。いろんなパターンがある。朝起きたばかりで「今日は頑張るぞ!」みたいな曲も好きだし、なんかちょっと切なくて歌詞がグッとくる感じの歌にも素敵な曲がいっぱいあるし、その日のムードとか……。

──気持ちを動かしてくれる音楽が好きという?

リバース:そう。でも歌詞で言えば、最近のアメリカの歌詞はすごくシンプルで、あまりグッとこない。その歌詞を聞いて、自分の気持ちを燃やすとか、自分でちゃんと考えないといけないという気分にさせるような歌詞が好き。それと、戦いのような、エネルギーが満ちていて、爆発するような音楽も好き。

──でも曲が激しくなくても、歌詞がうまく乗っていれば爆発できることはありますよね? そういうものを目指しているのかと。

リバース:両方が好きです。メロディとコード進行、全部戦い(笑)!

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