【インタビュー】あのCMで歌う古澤剛、数奇な人生を明かす。コブクロ小渕や安田顕との運命的な出会い
遅咲きのデビューには、確かな理由がある。古澤剛、33歳。ラグビー日本代表選手を起用したバイトルのCMソング「仲間だろ」で、一躍脚光を浴び、さらに今年のお正月の「箱根駅伝」等で流れた“ニッポンハム企業CM”ソングで注目の男。大分県竹田で生まれ、福岡で活動し、25歳で東京へ、そして2016年9月にシングル「Color」で念願のメジャー・デビュー。なぜ古澤剛の歌は、強く聴く者の心を惹きつけるのか? 波乱万丈のストーリーは、生まれ故郷・大分から始まった。
◆古澤剛 画像
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■ 樋口了一に感化された気持ちと
■ コブクロ小渕から届いた一通のメール
「もともとアコースティック・ギターでしっとり歌うところから入ってるんですけど、高校時代はHi-STANDARDの全盛期で、パンク、メロコアをやってました。でも僕は丁寧に歌いすぎるので、パンクに合わないんですよ。だから歌ではなく、ずっとエレキ・ギターを弾いてました。それとはまた別で、“一番搾り”という名前のフォーク・デュオを組んでいて、ゆずさんみたいな感じでやっていました。違う高校の幼なじみと一緒に曲を書いて、コンテストに応募して、グランプリをいただいて。それがきっかけで“俺はプロになるんだ”という気持ちになっちゃったんですね」
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人の縁とは不思議なもので。その後の彼の歩みは、いくつかの運命的な出会いに導かれてドラマチックに展開してゆく。最初の登場人物は、シンガーソングライターの樋口了一。高校を卒業して福岡のミュージシャン養成学校に入ったものの、23歳の時に母親の死を契機に大分へ帰郷。会社勤めをしながら音楽の夢があきらめきれない彼の前に、地元のイベントに訪れた樋口が現れる。
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「僕の地元の大分県竹田市に、“竹楽”という、竹を切った中にろうそくを立てたものを何万本と立てて町中を彩る、きれいなイベントがあるんですよ。そこに樋口さんが毎年来てくれていて、僕も同じステージで歌う機会があったんですけど、そこで樋口さんが一緒に何かやろうと言ってくれて、「スタンド・バイ・ミー」を一緒に歌ったのを覚えてます。樋口さんのようにプロとしてやってらっしゃる方と関わると、すごく刺激をもらうじゃないですか。それが縁で樋口さんのレコーディングにコーラスで誘われた時に、働いていた店の店長に嘘をついて、抜け出してレコーディングに参加したりとか、勤めている間にもそういうことがあって。俺は音楽の世界で生きていきたいという気持ちが、我慢できなくなったんですね」
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そして25歳で東京へ。彼の歌を認めたマネージャーとプロデューサーと共に、楽曲制作とライブに没頭する日々が始まった。その中でもカバー曲を歌ってYouTubeにアップするという活動が注目を集め、それが新たな次の出会いを呼び込むことになる。
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「当時はユーチューバーという言葉もないし、あれだけのボリュームでカバー曲を上げてる人もほかにいなかったから、いきなり反応が良かったんです。半年後ぐらいに動画が100本ぐらいになったんですけど、そんな時にホームページの問い合わせに突然メールが届いたんですよ。開けてみたら、“はじめまして、コブクロというユニットでギター&コーラスを担当させていただいている小渕健太郎と申します”というメールで。これは小渕さんにも言ってますけど、当時僕はコブクロさんをほとんど聴いてなかったんですね。小渕さんの顔も知らなかったくらいなんですけど、文面を読むと、僕の動画をものすごく真剣に観てくださっていて、これは本物だと誰が読んでもわかる内容で。“こういう歌い方をされているということは、こういう経験をされてたんでしょうね”とか、“古澤さんの歌が自分の歌を見直すきっかけになった”とか、すごくいい言葉を綴ってくれていて。すぐに返信をして、そこから小渕さんとの関係が始まるんです」
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