【速レポ】モンパチフェス＜WWW!! 16＞、MONGOL800「素晴らしき世界、素晴らしき景色だね」

場内にSEの「Enjoy Yourself」が流れ始めた時点で、会場中の人がエリア埋め尽くす。その至るところでカチャーシー(沖縄の手踊り)や指笛が鳴らされるのは、沖縄フェスならではの光景だ。

◆＜What a Wonderful World!! 16＞MONGOL800 画像

オープニングナンバーに据えられた「あなたに」のイントロが鳴らされると、会場のテンションがさらに急上昇。それにしても、フェス2日目の最後だというのに、疲れを見せるどころか最大で最高の盛り上がりをみせるのだから、ステージにも客席にも畏れ入る。加えて、キヨサクのマイクに乱入して来たのはKjと島袋優(BEGIN)だ。出演者も、出演者でない先輩（笑）も交え、1曲目から大パーティの様相を呈した大トリのステージに、ワクワクドキドキ感が止まらない。




続く2曲目に据えられたのは「himeyuri ～ひめゆりの詩～」だった。忘れてはいけない70年前の沖縄の夏を刻んだ大切なこの歌が、“沖縄の夏”の終わりに演奏された意味合いは強く深い。胸に染みた＜モンパチフェス＞オーディエンスも多いのではないだろうか。“平和と呼ぶにはまだ遠く、歴史にするにはまだ早い”という歌詞が歌われる頭上を、民間機の間に戦闘機が飛ぶ沖縄の空の下、何を思う。

「＜What a Wonderful World!! 16＞もモンパチで最後だよー。嬉しいような寂しいような。最後まで力を残さず、あーそびーましょー！」──キヨサク


そして、「OKINAWA CALLING」を聴くと、あのゲストが来るなと期待しちゃう。初日に続き、トランペットのシーサーを呼び込み、粒マスタードの安次嶺がお隣のマングースステージから登場…って演出は初日と同様のものだけど（笑）、昼と夜ではパフォーマンスもだいぶ違って見えて、2倍楽しむことができた。

「まだまだいけますかー!?　もういっちょ、元気なヤツをぶちかましちゃってもよろしいですか〜!?」というキヨサクの問いかけに続けて、「小さな恋のうた」へ。老若男女がひとつのウネリとなって聞こえる大合唱は圧巻。さらには“小さな島の沖縄のもとへ！”と歌詞を替えたキヨサクに、場内の大歓声が溢れ出した。極めつけは同曲のブレイク後、「この続き、歌ってもらってもいいですか？」と客席にマイクを向けたキヨサクに笑顔のオーディエンスが割れんばかりの歌声で応えた。そして、最新アルバム『Pretty good!!』から頭打ちのビートが心地よい「Cinderella」を披露した後、キヨサクがこの2日間を振り返る。

「2009年から始まった＜What a Wonderful World!!＞は、2011年、台風でとんだ2013年とリベンジの2014年、そして2016年が第4回目の開催でございます。長いような短いような感じがしますが、ようやく天気に恵まれて（笑）。アーティストからも喜んでもらって、晴天の有り難さを知った。最高です。本当に素晴らしい＜What a Wonderful World!!＞が開催できてると思います。いい感じ？　楽しい？　普通にいいよね。沖縄の人はもっと早く前売り券買いなさいよ、僕たちを安心させなさいよ、という本音もありつつ（笑）。素晴らしいアーティストがいっぱい、最高やね。感謝を歌で返したいと思います。残り2曲ですけど楽しんでいってください」──キヨサク




続けて披露されたナンバーは、「琉球愛歌」だ。静かなイントロを序章に、歌が入ると地面が揺れるほどにオーディエンスが踊り出すみんなが愛してやまないナンバーだ。この2日間、いや準備期間を含め、その疲れからか、高音域が出づらそうなキヨサクを会場の大合唱が温かく包み込んでいく場面は、感動的な１シーンとなった。名残惜しい本編最後は「Party」。「使い残さないように、最後の力を！」と全身全霊で楽しむ姿が至るところでハジけた。終わりたくないけど、終わりが来てしまった。しかし、会場のそこかしこから思い思いの歌や、かけ声でアンコールを続けるオーディエンスに応えて、メンバーがステージに再登場。


「アンコールありがとうございます！　暗転のうちに隠せない物が出て来てしまった（笑）。呼び込みましょうか。RIP SLYME！」とキヨサクに呼び込まれたRIP SLYMEがMCを引き継いだ。「おじゃましてもよろしいでしょうか!?　モンパチのアンコールだというのにシャシャってきました。モンパチと一緒にやった曲があるんですけども。remember me? remember you?」。『2007年 全国高校サッカー』応援歌としてRIP SLYME with MONGOL800名義でコラボした「Remember」が華やかに披露され、続けて「DON'T WORRY BE HAPPY」へ。




今年最後の夏フェス＜What a Wonderful World!! 16＞のラストは、シーサーと粒さまが再登場、さらにキヨサクの「みんな出てきちゃいなさいよー」という呼びかけに約50名の出演者がステージに溢れるカオス状態となった。

「本当にありがとうございました！　すばらしき僕らの仲間、アーティストにあらためて大きな拍手を！　素晴らしいお客さんに大きな拍手を！　「What a Wonderful World！」──キヨサク

「What a Wonderful World」を最後に長いようでアッという間だった2daysが終了した。楽器を置いたモンパチメンバーは、出演者とオーディエンスと記念写真の撮影を。「素晴らしき世界、素晴らしき景色だね。やってて良かったなと思います。心から感謝です。ありがとうございます」という言葉を残して、＜What a Wonderful World!! 16＞が全2日間の日程を終了した。



＜What a Wonderful World!! 16＞期間中のみならず、前日には会場設営の指示を出しつつ、当日も電源ケーブルを持って走り回り、スタッフや出演者やファンに気を配るモンパチメンバー達を個人的に見ていた。また、出演者のMCの端々からはメンバー3人がミュージシャンとしてはもとより、人として愛されていることが伝わってきた。同時に沖縄への愛と理解の深さなしには成立できないフェスであることを確信した。

その上で改めて、本編7曲のセットリストを振り返りたい。これらは初日のセットリストとは異なるもの。軽快なビートやメロディの奥底に、過去から現在も続く沖縄の傷や痛みを感じながら、それでも“未来への希望”へと紡ぐ楽曲たち。モンパチ自身が渾身の思いで“沖縄の地”で開催する＜What a Wonderful World!!＞で“沖縄への思い”を込めて歌う意味……あえて押し付けがましく意味を持たせるつもりはないが、それらを余韻にジワジワ感じてみるのも、フェス後の楽しみにお勧めしたい。2年後の2018年に＜What a Wonderful World!!＞が開催されるとしたら、MONGOL800結成から20年となる。愛し愛される彼らと仲間の輪はますます広く、絆はますます深まっていくことだろう。また2年後にきっと会いましょう！



取材・文◎KEN子
撮影◎(c)WWW16 OFFICIAL




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