【速レポ】モンパチフェス＜WWW!! 16＞、レジェンド＝紫の出演に全世代恍惚

沖縄がまだ日本ではなかった1960年代末、米兵を相手に磨き上げられた“ロックの町コザ”で生まれたバンドが、紫だ。

◆＜What a Wonderful World!! 16＞紫 画像

沖縄に県外からのフェスが入って来る遥か前に、この灼熱の太陽の下で野外フェスやロックの祭典を始めたレジェンドが、次世代の作るロックフェスに出演するという事実。コザロックのリアルタイム世代やその子どもの世代まで揃った＜What a Wonderful World!! 16＞にて、同じ時間に同じステージ上で見られるとは、何と感慨深いことか。



色あせない名盤にして1stアルバム『MURASAKI』リリースから40周年となる今年、彼らは新譜『QUASAR』を発表した。「映画『スタートレック』からそのタイトルを取った」というエピソードを聞いたからか、SEから1曲目が始まるまでの空白の瞬間に、飛行機が頭上を通過するその轟音さえも演出と思えるような幕開けが、偶然にしても印象深い。

早速、その新譜から「Heaven's Gate」「Red Line」を演奏。新曲にもかかわらず、懐かしさも感じる安定感の中に“今”が詰め込まれたようなサウンド、その唯一無二の存在感にテンション上がる。最前列には紫と同世代と思われるファンが恍惚の表情でステージを見つめていたり、一緒に口ずさんだり、明らかに紫を知らない若い層が拳を突き上げて吠えていたりと、世代を超えて聴衆を魅了するパワーが全開だ。




「40年前は自分たちももっと小さかったけど（笑）。ジョージ、頑張ろうな」──JJ

ボーカルのJJがMCでこう声をかける微笑ましいシーンも。過去曲へフラッシュバックした「Doomsday」ではキーボードのジョージ紫のオルガンソロが堪能できた。そして、初期メンバー時代の「Starship R&R」ではドラムのChibiのハイトーンが際立つコーラスワークが見事。どの曲のどこを切り取っても分厚く、アンサンブルが圧巻だ。



ラストナンバーはやはり「Double Dealing Woman」だった。歴史に残るあのイントロのリフが流れた瞬間、かぶりつきで見てる最前列のファンはもちろん、会場の至るところから歓声が湧いた。前述したように世代を超えたファンをはじめ、複数の先輩後輩ミュージシャンや、中学生当時紫に憧れていたがPAスタッフなど、それぞれが様々なシーンを思い出していることだろう。多幸感に満ちた表情が場内に溢れていた。

取材・文◎KEN子
撮影◎(c)WWW16 OFFICIAL




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