【インタビュー】ZAQ「脇役にも主役にもなれるのがアニソンの魅力。私の曲って、何を作ってもアニソンっぽくなっちゃうんです(笑)」
■熱血漢でありながらもどこか冷めている主人公で退廃的な物語でもある
■カッコ良さと冷めた感じを上手く活かせるように努力しました
──なるほど。納得。「Page」は、歌い方から声の雰囲気からすごく吸い込まれる心地良さ感じがしたから。
ZAQ:嬉しいです。もともとアニソンを探求し出す前は、洋楽のR&Bばっかり聴いていたんです。そこで培っている感覚なのかなって思います。自分でも思ったんですけど、ゆっくりな曲調の方が合っているのかな?
──いや。そこももちろんなんだけど、「割レル慟哭」は誰もが歌える激しさの楽曲ではないからね。惜しみなくスキルを解放した「割レル慟哭」こそもZAQならではだと思うけど。
ZAQ:ありがとうございます! 「割レル慟哭」は熱血なので。やはり、慟哭だけに、叫ばないとダメだなと(笑)。
──ということは、ZAQちゃんの中で1番自分の中に無いものは、「星空を歩く音」的なJ-POP感だったりするの?
ZAQ:いや、J-POPも普通には通っているんです。普通の高校生だったので、トップ10くらいは知ってるって感じの。流行ってた曲は聴いていたので、「星空を歩く音」は、王道なJ-POP感になっていると思います。
──なるほどね。表題曲に合せて選ばれたカップリングという感じではなかったからね。それぞれが独立していたバランスのシングルだなと。
ZAQ:そうですね。歌詞の内容的にもまったく言ってることが違ったりしていますから。歌詞の内容としては、表題曲の「割レル慟哭」に関してはやはり、アニメのストーリーに沿ったモノで、ジャケットもそこに沿わせたものなんですが、カップリングはカップリングで煮詰めて行きました。「割レル慟哭」は、とにかくアニメに忠実に作った楽曲でもありましたからね。アニソンって、“89秒”という枠があって、そこでいかに魅せるか、そこでいかに勝負出来るか、にかかっているんですよ。もっと細かいことを言い出すと、50秒~55秒の間にサビが来なくてはいけないとかね。いろいろな黄金律があるんです。“89秒”とは、つまりテレビサイズのことなんですけど、アニメの主題歌となって流れる尺のタイムなんです。そこでいかに世界観を描けるかが勝負なんです。なので、「割レル慟哭」は、そこに命をかけましたからね(笑)。J-POPの構成って、Aメロがあって、Bメロがあって、サビがあって、リフレインがあって、っていうのが一般的な構成だし、ロックにも流行があって、今だったら4つ打ちやエレクトロが流行っていてって感じなんですけど、アニソンって、決まりがないんですよね。想像を越える展開があるというか。そこも面白いんですよね。流行にとらわれることもないし。何をやっても許される世界というか。私自身、そんなところにアニソンの魅力を感じたので、今回もとことんやりきりました。もともとクラッシックから入っているので、音楽の基礎的なところがあったところから、R&Bにハマり、そこからのアニソンだったので、なんでもありなアニソンの世界で音楽を作るのが楽しくてしかたないんです。今回の「割レル慟哭」は、さらに、このアニメの一期の主題歌も担当させていただいていたので、そのときの楽曲の姉妹曲としての関連性を求められていたのがあったんですよ。なので、とても難しかったですね。熱血漢でありながらも、どこか冷めている主人公で、退廃的な物語でもあるので、カッコ良さと冷めた感じを上手く活かせるように努力しました。
──同期が前面に押し出されているサウンドも力強いよね。
ZAQ:そうですね。トラック数もめちゃめちゃ多いんですよ。今回目指したのは、インダストリアルロックというヨーロッパのロックだったんです。一期のときは、ドラムンベースっぽいことをやっていたので、この曲ではまたちょっと違った要素を入れてみようと思って、ヨーロッパのロックを聴きあさり、ダブステップエレクトロを融合したインダストリアル感を出すために、作り方も洋楽っぽく作っていきました。洋楽って、AメロとBメロとサビの間に8小節のブレイクが入ることが多いんですよ。そんな感じの構成を探求しつつ、作り上げていきました。洋楽って、バース、フック、ブリッジっていう作り方をしていくんですけど、その法則的なものを意識しながらね。
──なるほど。「星空を歩く音」のメロディアスさと違うのは、そういう構成的な違いもあるんだね。
ZAQ:そうなんです。「星空を歩く音」の歌詞は、“引きこもりバンザイ!”みたいな歌詞です(笑)。私はもちろん引きこもりなんですが(笑)、現実逃避しなさい、そんな時間って案外楽しいもんだよっていう歌詞になっています。
──「Page」の歌詞は?
ZAQ:「Page」は、一個一個の奇跡があって足跡があって、今の貴方がいるんですよ。だから、黒歴史すらも、いつか笑って振り返れるようになるから。大丈夫ですよ。一枚一枚ページをめくっていきましょうね。っていう、前向きなR&Bになっているので、きっと聴いてくださるみなさまの、背中をそっと押せる楽曲になるんじゃないかなと思っています。
──表題曲の強さに比べると、カップリング曲の歌詞は、すごく素顔のZAQちゃんが伺える言葉たちでもあるよね。
ZAQ:かもしれないですね。いつも表題曲では外に訴えかけるような感じが多いんですけど、カップリング曲では、シンガーソングライターである私自身からのメッセージになっている気がします。シンガーソングライターって、生き様を歌える存在でもあると思うので、これから先も、自分の絞り出せる人間性みたいなものを、しっかりと見せていけたらいいなと思っています。
──そんなZAQの目標は?
ZAQ:いつか、ワンコードで、まったく展開のないまま、89秒で聴き手を殺せるくらいになりたいんですけど、ビートルズ的なメロディメイクが出来ないので、いつか、シンプルでもすごいパワーを持った曲を作りたいと思っています。いつか作ってみせますので、期待していてください(笑)!
取材・文●武市尚子
(C)BONES・會川 昇/ コンクリートレボルティオ製作委員会
11th SINGLE「割レル慟哭」
【アーティスト盤(CD+DVD)】LACM-14479
【アニメ盤(CD)】LACM-14480
2016.04.27 ON SALE
(CD)
1. 割レル慟哭
2. 星空を歩く音
3.Page
4. 割レル慟哭(OFF VOCAL)
(DVD)
割レル慟哭 Music Video
Making of 割レル慟哭
ライブ・イベント情報
9月17日(土)愛知・名古屋BOTTOM LINE
9月18日(日)大阪・梅田CLUB QUATTRO
9月22日(木・祝)宮城・仙台Rensa
10月2日(日)福岡・DRUM Be-1
10月22日(土)東京・新木場STUDIO COAST
<Animelo Summer Live 2016 刻-TOKI->
2016年8/26(金)、8/27(土)、8/28(日)
会場:さいたまスーパーアリーナ
※ZAQは8/26(金)に出演
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