【連載】フルカワユタカはこう語った 第2回『僕はギタリストだ』
今回は今まで意外と語ってこなかった、ギタリスト「フルカワユタカ」について。
◆フルカワユタカ 画像
僕はギタリストだ。作曲家であり、アレンジャーあり、ボーカリストあり、今や時にエンジニアでもあるけど、胸に秘めているのは「僕はギタリストだ」という強い想い。
上京してタロティ(ex doping panda)のバンドに加入した時、そこには浪人生のボーカリストがいた。その人が大学受験で練習に来れない時に代わりに僕が歌っていたら、いつの間にかそこが僕の席になっていた。そのうち曲のほとんどを僕が書くようになり、ほどなくしてそのバンドは「doping panda」という名前なり、最後にハヤト(ex doping panda)が加わった。僕はたまたまマルチ型ミュージシャンになってしまっただけで、もしあそこで浪人生の彼が受験よりバンドをとっていたら歌なぞ歌わず、ましてや自ら録音など有り得なかったのかもしれない。僕はギタリストだ。
世間的なイメージとは違うかもだけど、僕はギター以外のことは謙虚だったりする。歌やミックスのことをあまり褒められ過ぎると、相手の真意を疑ったり直接否定したりしてしまう。が、ことギターに関しては真逆。褒められると素直に「だよね」って態度になる。「古川さんってギター上手いですよね」に対する「失礼だな。君はイチローに野球上手いですよねって言うのかい?」っていう必殺の文句(もちろんネタよ!!)を持っていたりもする。僕はギタリストだ。
残念に思われるかもだが、ギターそのものに関しては無知と言わざるをえない。前述にある、ギタリストとしてのプライドの高さや、プレイに対するストイックな姿勢から、機材としてのギター・エフェクターへの研究心やら収集癖が結構エグいのではと思われがちだが、例えばリハーサルスタジオのCD-R録音を人に頼んでしまうぐらい機材という”モノ”を知らない。むしろ機材音痴と言って構わないだろう。
足下のエフェクターもドーパンのころはそれなり(それでも少ない方)にあったのだが今や皆無。現在使用しているのはアンプ2台のスイッチャーとチューナのみ。さらには、唯一のフットペダルであるそのチューナーですら本番中9割方使用しないという始末。歌や作曲に関しては、才能あふれるナチュラルボーン達への羨望と嫉妬が止まない僕だが、ことギターに関しては、とんでもないナチュラルボーンなのかもしれない。僕はギタリストだ。
僕の愛用ギターはマーク・ケンドリックという人が作ったフェンダーのテレキャスター。同じタイプでメインとサブを2本所持している。ちなみに僕はその2本しかギターを持っていない。あと数本持っていたのだが、どうせ弾かないからと友達やら後輩に全部あげてしまった。
2ハムのテレキャスターということで、レスポールとストラトの合いの子みたいな音がする超個性的なギター。他で似た音のギターを聴いた事も無く、換えが全く効かないので誰かに壊されたり盗難されたりが心底怖い。ツアー中も機材車に置きっぱなしにせずに必ず部屋に上げる。スタッフはじめ、他人に持たせることも基本的にはない。昔は「こいつは俺の体の一部だから」みたいに言っちゃうミュージシャンのことが大嫌いだった。しかし、今や喉の奥にその類いの言葉がスタンバってる自分に気づく。仕様がない、色んな場所で色んな経験を一緒にしてきた大事なギター、もうこいつらは僕の体の。僕はギタリストだ。
弦の高さは他の人に比べて少し高い方だと思う。弦高は低い方が弾きやすいとされているが、僕は弦の跳ね返りが感じられる位にしか押さえないのであまり弦高が低すぎるとその感覚が分からずにかえって弾き辛い。なにより、弦高が高い方が音に厚みがあって良い。鳴らす音は高いのか低いのか分からない様な音にしたいと常に思っている。言い換えるとたくさん倍音がある豊かな音。だからギターはあまりひずませない。確かにギターは上手いが、死ぬ程速いフレーズが弾けるわけではない。とはいえ、倍音の無い音でいくら速弾きしたって意味が無いと思っているのでそこは気にしていない。もちろん、それなり以上には速くも弾けるのだが。
ピックはあまりこだわらずに使ってきたが(時には削れまくって丸くなった物でも平気で)、ごく最近、ナイロンのペラッペラのやつにはまってしまった。指で弾いてる様な感覚が良いので、もう固いものには戻らないだろう。
なぜだかギターを始めた頃からダウンピッキングが異常に早い。これはあまりスポットがあたってない僕の個性だが、尋常ならざるスピードなのでライブでは是非チェックしてみて欲しい。ちなみに右手親指の側面にタコがある。もちろん理由があって出来たモノだ。もし僕みたいな弾き方をしたいという人がいればまずはそこからコピーしてみてはいかがだろうか。
手癖はそれなりについてしまっているが、最近少しづつ歌う様に音を出せるようになってきた。頭で思ったことが全てアンプから出てくるようになることが理想。ずっと言い続けてること、とにかく喋るように弾きたい。どう考えても、僕はギタリストだ。
ということで、そんなフルカワユタカのギタープレイが拝めるライブ、<無限大ダンスタイム>が来月東京と大阪で開催予定(詳細下記)。ドーパン時代無敵を誇った「無限大ダンスタイム」を今の僕が演じる。最高のミラクルを起こせるように只今絶賛準備中につき、乞うご期待下さい。よろしく!
■ミニアルバム『I don’t wanna dance』
NIW113 2,000円 + 税
1. I don’t wanna dance
2. deep sleeper
3. slow motion
4. 君は神様だったから
5. in my dreams
6. LIVE at 渋谷WWW 0517
■ライブ<無限大ダンスタイム EAST&WEST>
OPEN 18:30 START 19:00
(問)YUMEBANCHI 06-6341-3525 平日11:00~19:00
●2015年12月4日(金) 東京 恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:00 START 19:00
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888 平日12:00~19:00
[チケット]
全会場前売り¥3,990(税込、D別)/オールスタンディング
2015.11.21(土)~各プレイガイドにて発売開始
[サポートメンバー]
bass: 村田シゲ (ロロロ, CUBISMO GRAFICO FIVE, Circle Darko)
guitar: 新井弘毅(ex serial TV drama, alice in underground)
drum: カディオ (QUATTRO)
◆【連載】フルカワユタカはこう語った
◆フルカワユタカ オフィシャルサイト
◆フルカワユタカ オフィシャルTwitter
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