【特別対談】Be Choir×KAMIJO、『もしクワ』第3弾としてヴァンパイアの世界をライブで!
■ゴスペルを歌うといういままでにはない僕をとことん楽しんでいただきたい
■僕はお鍋でグツグツ煮ても電子レンジでチンしても香りはKAMIJOだと思うので
──KAMIJOさんのステージは、ライヴでありながらSHOWですからね。演劇を見ているような感覚というか。観劇に近い。
KAMIJO:ありがとうございます。
長谷川:そんなKAMIJOさんの普段のステージとの違いといいますか、対極さこそが、この『もしクワ』の狙いでもあるわけです。僕たちのフィールドに入ってゴスペルを歌っていただくことになるんですが、相互にアクションを起こして一つの世界を作っていく音楽なので、今の段階ではお客さんのリアクションも想像つかないですし、どう返してくれるんだろう? っていう楽しみがあります。まったく違う畑のアーティストさんが、フロントでクワイアを引っ張ってゴスペルを歌うというスタイルは前代未聞なので、僕たちも本当に楽しみなんです。
──なるほど。でも、オペラ的な歌唱法などで歌われることもあるKAMIJOさんにとっては、そこまでまったく別の畑ではないのでは? とも思いますが、いかがですか?
KAMIJO:そうですね、現代のシンフォニック・メタルって、ゴスペルクワイアがとても大きく取り入れられていたりするので、そういう意味では、僕としてもすごく理想的な共演だなと感じています。そして、僕がゴスペルを歌わせていただくというところに至っては、とにかく、いままでにはない僕をとことん楽しんでいただくといいますか。どんなふうに料理をされても、出来上がるモノは同じなので。僕はね、お鍋でグツグツ煮ても、電子レンジでチンってやっても、何をやっても、形は違ってしまっても、香りだけはKAMIJOだと思うので。
長谷川:おぉー、素晴しい表現ですね!
KAMIJO:もしも曲の中で、僕にフェイクを任せていただけるとするならば、ブルーノートとかペンタトニックではなく、ハーモニックマイナーだと思います(笑)。
長谷川:痺れますねぇー。
KAMIJO:でも、本当に僕は、今回の『もしクワ』を、ただのコラボレーションだとは思っていないんです。ボーカリストである以上、聖歌隊であるクワイアのみなさんと一緒に歌うということはとても誇らしいことですし、自分としても責任と一緒にその喜びが溢れ過ぎてしまわないように気をつけなければなと思っているんです(笑)。僕は今、シンフォニック・メタルを中心に歌っていますが、いろんな音楽が好きなので、今回のこの企画をきっかけに違う僕が目覚め過ぎてしまわぬようにしないとなって思ってます。それくらい魅力的だし、危険だなと(笑)。
──あははは。KAMIJOである以上にアーティスト魂に火が付いてしまうというか(笑)。
KAMIJO:そうです(笑)。
長谷川:あははは。逆に目覚めさせてみたいですね、ぜひとも(笑)!
KAMIJO:そういう駆け引きも面白いですよね。
──今回12月13日に東京キネマ倶楽部で行なわれるライヴは、具体的な内容として、どのようなライヴになっていくんですか?
長谷川:今回のライヴは、『Symphony of The Vampire』のアルバムの世界観と、何を伝えたいかというのと、どれだけクワイアという分脈と、KAMIJOさんの表現というところで伝えられるか? というのが大きなテーマです。Be Choirがコーラスアレンジを加えて再現させていくものになりますね。一度KAMIJOさんにもリハで聴いていただいたんです。僕たちは、どう表現するかというテクニック的なところを優先しがちなんですが、リハーサル現場でKAMIJOさんが、“『Symphony of The Vampire』の世界観を理解してくだされば、表現の仕方や、どう振る舞ったら良いのかが解ると思います”とおっしゃられていて。その言葉を聞いたとき、なるほど、それこそが今回の本旨なんだなと改めて思ったんです。なので、僕らは、参加させていただくメンバー全員で、『Symphony of The Vampire』の内容や登場人物とか、第一楽章からの流れを全員で共有してそこに向き合っているんです(※台本のようなプロットを見せながら)。『Symphony of The Vampire』にどう応えるのか。ルイ17世を主人公としたストーリーをどう伝えるかというところをテーマにして、世界観を伝えられるように頑張っています。
──この台本のようなプロットは、長谷川さんが書かれたんですか?
長谷川:いや、これは、東京キネマ倶楽部の支配人が書いて下さったんです。支配人が『Symphony of The Vampire』の世界とKAMIJOというアーティストをとても深く理解していて、愛しているのが本当に伝わってくる文章で。ちゃんとそこにはKAMIJOさん的な言語があるんですが、この台本が僕たちを『Symphony of The Vampire』の世界に誘ってくれているんです。
──素晴しいですね!
KAMIJO:本当に素晴しいんです。僕も自分のアルバムを作っていくときは、プロット作りから始まって、短編小説まで書いて、そこから曲にしていくので。支配人は今回のこの企画にあたり、そのすべてをご理解いただいた上で、なおかつご自身の独自の視点での資料を何十ページと用意してくださっていたので、この愛情に応えないわけにはいかないなと思いました。すごく忠実にいい形になっていたので、まったく突っ込みどころがなかったんです。これを、ライヴでその瞬間瞬間に、ファンの方たちと作っていけるか? というところですよね。ファンの方を目の前にしたときに生まれるものが一番大きいと思うので。ファンの方達が絶対的に受け入れてくださる内容になっているので、実際のライヴでは、その何十倍も何百倍もになるであろうパワーを楽しみにしています。
──支配人、この対談に入っていただくべきでしたね。
KAMIJO:あははは。本当に、そうですね。
長谷川:本当にそれくらい、東京キネマ倶楽部というハコでやる意味のある、支配人も深い気持ちを持って向き合ってくださっているイベントライヴであるということが伝わればと思いますね。
──本当にこの場所ありき。という感じですよね。
KAMIJO:本当にそうですね。
長谷川:支配人の熱も深いですし、KAMIJOさんは本当にファンの方達に対してとても誠実な方なので、そのファンの方達に認めてもらうというところまで頑張っていかないと! というプレッシャーが今回はすごくあります。本当に。楽しさ以上に怖さに近いモノもありますからね。とにかく緊張しています。
KAMIJO:あははは。ヴァンパイア自体が怖いですからね(笑)。いやいや、こちらこそどうぞよろしくお願いします。この『もしクワ』というイベントには、【もしもBe Choirが○○とコラボしたら?】という由来があると思うのですが、もしもBe Choirが私KAMIJOとコラボしていただけるのなら、本当に一緒になってメッセージのある公演をお約束したいと思います。
──KAMIJOさんは緊張はまったくないですか?
KAMIJO:いやいや、もちろん、僕も普段は歌わないゴスペルを歌うということへの緊張はありますが、そこも含め楽しんでいこうと思っています。
──ご自身のルーツの中にゴスペルというジャンルはまったく無いですか?
KAMIJO:まったくないですね。聖歌隊というものはもともと好きではあったんですけど、ゴスペルはまったく通っていないんです。今回初めてちゃんと向き合わせていただいたという感じですね。普段は出ない自分の一面を今回は遠慮なく出していきたいと思っています。
──たしかに、ゴスペルって、大勢で大きなクラップを挟みながら豪快に歌うというイメージですからね。そんなKAMIJOさんが見れるなんて……ちょっとドキドキしてきました(笑)。そんなKAMIJOさん見ていいのかな? って。
KAMIJO:あははは。そうですか?
──だって、暗黒か光かっていったら、確実に暗黒ですもんね、KAMIJOさん。
KAMIJO:あははは。たしかに(笑)。
──でも、ゴスペルも手放しにハッピーなところから生まれた音楽でもないですしね。
長谷川:そうなんですよね。表裏一体だと思いますね。ゴスペルは黒人の方が、本当に苦しかった奴隷時代に、その辛さを消化するために生み出した音楽でもあるので。僕はクリスチャンなんですが、ゴスペルは、クリスチャンではないと歌ってはいけないと言う人も中にはいるんですけど、僕は神様という存在が居るとしたら、その人は誰がその歌を歌おうと拒みはしないだろうと思っているんです。なので、ゴスペルはみんなが歌ってもいい歌であると思っています。KAMIJOさんとご一緒させていただいて、人柄に深く触れさせていただいて、音楽と歌にも触れさせていただいてすごく惹かれたんです。KAMIJOさんは信じているものがある。薔薇一筋20年以上ですよね? ファンの方に対しても真っ直ぐに向き合っていらっしゃってるし。それって素晴しいなと思うんです。絶対的に信じていらっしゃる部分というのは、ゴスペルを生み出した彼らたちが信じていたモノというところと通じるところがあると思うんですよね。そういうモノを持っている人の歌って、宗教とかそういうことを取っ払ったとしても、必ず聴く者の心を打つんです。
KAMIJO:純粋にみんなで歌う楽しさというのも、今回のライヴではとても楽しみにしているところではあるんです。バンドとはまったく違う感じですからね。人間だけの声のオーケストラでもありますからね。
──ヴィジュアル面もとても楽しみなところですけど。
KAMIJO:そうですね。歌う曲に合わせたヴィジュアルになっていくと思います。楽曲のために存在するヴィジュアルになったらいいなと思っています。ヴィジュアル面は音楽のためにあるとするなら、音楽は何のためにあるのか? と言ったら、音楽はメッセージとか主張であったりとかっていう音楽の原作があるわけなんですよね。そこを見つめていれば、自ずと音楽もいヴィジュアルも見えてくると思うので、そこを大事にしたいと思いますね。
──今回のライヴにはギタリストのケリー・サイモンさんも参加されるということで。
KAMIJO:そうなんです。
長谷川:日本で一番と言われるくらいの素晴しいギタリストの方ですからね。参加していただける事を光栄に思っています。実は、このブッキングも支配人なんです。
KAMIJO:本当に素晴しいご縁だと思っているので、ぜひ、多くの方々に観ていただけたらと思います。
取材・文●武市尚子
<もしクワ The Third Symphony Of The Vampire>情報
もしクワ The Third Symphony Of The Vampire
日時:2015年12月13日(日)
出演:KAMIJO
Be Choir
もしクワ☆スペシャルバンド
Gt Kelly SIMONZ
Ba 関谷友貴
Dr 渡邊シン
Key 佐山こうた
チケット料金 ¥3,500(ドリンク別)
企画制作:もしクワ実行委員会
お問い合わせ 東京キネマ倶楽部 03-3874-7988
リリース情報
発売中
BYOM0006 税込2,500円
【収録曲】
1. Lift
2. 雑食Animal
3. 彼岸
4. 種
5. Give Your Love
6. When I See Your Grace
7. Keep On Tryin’
8. Last Be
9. You Move Me
10. LIFE
11. ムジクス
12. Our Eyes
13. To Our Children
14. 風にまかせて
KAMIJO最新アルバム『Royal Blood ~Revival Best~』
発売中
【初回限定盤デラックス・エディション[CD+DVD](フォト・ブックレット付き三方背BOX仕様)】WPZL-31045/46 ¥4,000(本体)+税
初回限定盤のみKAMIJO本人が自ら全曲を解説するセルフ・ライナーノーツ付き
【通常盤】WPCL-12157 ¥3,000(本体)+税
収録曲
CD
1.Emblem
2.Imperial Concerto
3.薔薇は美しく散る
4.Aristocrat’s Symphony
5.蝶の花
6.Audrey
7.この世で一番美しい薔薇よ(新曲)
8.冬東京
9.HELL(新曲)
10.God Palace
11.Royal Blood(新曲)
初回限定盤DVD収録内容
Documentary of KAMIJO 20th Anniversary
1. LAREINE 第一期
2. NEW SODMY
3. LAREINE 第二期
4. Versailles
5. KAMIJO
KAMIJO TOUR 2014<THE DEATH PARADE>FINAL
The Empire of Vampire
at 2014.12.13 AiiA Theater Tokyo
1.Symphony of The Vampire 第一楽章 「Presto」
2.Bastille
3.抱きしめられながら
4.サンクチュアリ
KAMIJO ライブ・イベント情報
3月05日 町田The Play House(ファンクラブ会員限定)
3月06日 高田馬場PHASE(男性限定)
3月20日 仙台MACANA
3月27日 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
4月03日 柏PALOOZA
4月10日 東京キネマ倶楽部
4月29日 名古屋ell.FITSALL
4月30日 OSAKA MUSE
5月03日 福岡DRUM SON
5月08日 札幌Cube Garden
5月30日 赤坂BLITZ(詳細は近日発表 ファンクラブ最速先行販売有り)
<東上線沿線の会vol.18~音ドン、弾けメン歌合戦!~>
2015/11/14(土)初台 LIVE-BAR-The DOORS
<問い合わせ>
AMG:03-5937-3713
LIVE-BAR-The DOORS:03-5350-5800
<World Tour 2015 -20th ANNIVERSARY BEST- SPECIAL ENCORE NAGOYA>
11/21 (土) 名古屋ell.FITS ALL
■チケットぴあ http://pia.jp/
0570-02-9999 Pコード : 277-498
■ローソンチケットhttp://l-tike.com/
0570-084-003 Lコード : 43650
■イープラス http://eplus.jp/ PC・携帯共通
<World Tour 2015 -20th ANNIVERSARY BEST- SPECIAL ENCORE OSAKA>
11/23 (月・祝) OSAKA MUSE
■チケットぴあ http://pia.jp/
0570-02-9999 Pコード : 274-915
■ローソンチケットhttp://l-tike.com/
0570-084-003 Lコード : 52239
■イープラス http://eplus.jp/ PC・携帯共通
<World Tour 2015 -20th ANNIVERSARY BEST- SPECIAL ENCORE & ROYAL NIGHT>
2015.11.27
a Boule Noire (Live Concert)
118 boulevard Rochechouart, 75018 Paris
2015.11.28
le Pavillon Dauphine (Royal Night)
Place du Marechal de Lattre de Tassigny, 75116 Paris
チケットの購入は b7klan.com
<World Tour 2015 -20th ANNIVERSARY BEST- BRASIL>
2015/11/4 (Friday) Sao Paulo @ Inferno
チケットの購入は b7klan.com
<KAMIJO World Tour 2015 -20th ANNIVERSARY BEST- Grand Finale>
2015/12/28(月) Zepp DiverCity Tokyo
DISK GARAGE 050-5533-0888
<Mad Tea Party vol.031>
2016年1月16日(sat) 新宿BLAZE
(問)ディスクガレージ/050-5533-0888
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事の関連情報
KAMIJO、2025年夏より活動拠点を米国LAに「大きな節目を迎えます」
【インタビュー】KAMIJO、ギタリストHIROと語る『VIOLET DAWN』と'90年代の正解「一番のテーマは新しいライヴのスタート」
KAMIJO、ミニアルバム『VIOLET DAWN』から表題曲の先行配信決定
KAMIJO、全7公演のヨーロッパツアー<The Anthem>完遂
KAMIJO、“EPIC INTENSE”がコンセプトのミニアルバム『VIOLET DAWN』を7月リリース
【インタビュー 後編】KAMIJO、新曲「美しい日々の欠片」を語る「だけど、愛だけが残ってしまった…」
KAMIJO、新ビジュアルはアニメ風
【インタビュー 前編】KAMIJO、10年の集大成『LOUIS XVII』を語る「表現不可能なものは何もなくなりました」
KAMIJO、新曲「美しい日々の欠片」先行配信+Zepp Shinjuku公演を4月開催