【インタビュー】山陰発のニューカマーOfficial髭男dism、「新しいスタンダードになりたい。」

　今回のアルバム『ラブとピースは君の中』には珠玉のラブソング8曲を収録。最新曲「恋の前ならえ」は、カルピスソーダのCMを勝手にイメージして書いたという甘酸っぱい恋の微炭酸チューンで、恋に恋してるような中学生くらいのカップルが目に浮かぶ。

「イメージしたのは背の低い男子と背の低い女子がふたりで前ならえをしてる光景。一般的には女子のほうが小さいから前に立つはずなんだけど、私は後ろがいいとか言って、後ろから男の子をからかってくるっていう。そんなカップルを想像して書きました」──（藤原）

　本作の歌詞に登場する主人公の多くは、かっこつけたいんだけどまだちょっとドジなところがあるような男性像で、非モテではないけれど、女の子の扱い方がイマイチわからない恋愛下手タイプ。要は母性本能をくすぐる系のちょっと不器用キャラなのだ。

「そんな不器用なことを歌ってるのにダンディズムって言ってるのがかわいいじゃないですか、すでに（笑）」──（藤原）

「背伸びですよね。“髭”も“ダンディズム”も衣装の蝶ネクタイも、なんとなく紳士感が欲しかったんです。ガキンチョが紳士感出してるなぁー、くらいの雰囲気が出ればいいなって」──（楢崎）

　そんなヒゲダンが目指すのは、国民的ポップバンド。「ポップ」であることに強いこだわりを持っている。

「国民的ロックバンドは多いけど、モータウンとかのバックグラウンドを持つ国民的なポップバンドはあまりいないと思うんです。ライブ会場でも40代の方から、すごく良かったですって話しかけられることも多いし、性別も年代も超えて幅広い人たちに聴いてもらえるような新しいスタンダードになりたい」──（小笹）

「トキメキみたいなのが曲を作るたびにいつもすごくあるんです。そのワクワクが8曲まとまって一枚のCDとして世に出せる喜びもあるし、本当に自分たちの自信作がここには8曲集まってる。これから先もこの作品以上の音楽を作り続けていきたいと思ってますし、全国に名を知られるバンドになりたいです」──（藤原）

　そういえば世界を股に掛けて活躍する錦織圭も鳥取県松江市出身。彼はテニスだが、音で聴く人をハッピースマイルにするヒゲダンが、彼に負けずその名を轟かす日はそう遠くないはずだ。

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