【インタビュー】山陰発のニューカマーOfficial髭男dism、「新しいスタンダードになりたい。」

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山陰を中心に活動しているバンド「Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)」が、4月22日にデビューミニアルバム『ラブとピースは君の中』をリリースした。

◆Official髭男dism 画像

彼ら4人は、2014年3月に行われたV-air-(FM山陰)主催<第8回アマチュアバンドコンテスト2013あまばん>にてグランプリを受賞し、同年10月には日本最大級のショーケース・ライブフェス<MINAMI WHEEL 2014>にも出演している。さらに、『ラブとピースは君の中』が全国のTOWER RECORDSスタッフによるイチオシアーティストのピックアップ企画“タワレコメン”にも選出され、6月1日からは、アルバムのリード曲「恋の前ならえ」が札幌大学入学「私を変える大学2016」TV CMのタイアップにも決定。山陰に根付きながらも全国に向けて積極的な活動を展開している、期待のニューカマーだ。今回BARKSでは、そんなバンドの成り立ちから(もちろんこのキャッチーなバンド名の由来も含め)、ジャズ~ソウル~ポップを自由に消化した人懐っこい音楽性まで、いち早く迫ったオフィシャルインタビューをお届けする。

取材・文:猪又 孝(DO THE MONKEY)

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 宍道湖、石見銀山、出雲大社。どじょうにシジミ、アゴ野焼き。これらは島根県の名所・名産品だが、近い将来それらと並ぶポピュラリティーを得るだろう大型ルーキーが島根県松江市から登場した。

 その名はofficial髭男dism。通称ヒゲダン。大学の軽音楽部の先輩・後輩とかつての対バン仲間で2012年に結成された4人組バンド。一見フザけてるようなバンド名は、練習スタジオに貼られていた名も知らぬ海外ギタリストのポスターから着想。ちなみにメンバーはひとりも髭を生やしちゃいない。



「そのギタリストの髭が超いい感じで。かっこよくてノリで決めちゃいました(笑)。髭が似合うような年齢になってもこの4人で楽しく音楽をやっていけたらいいなっていう思いも込めてます」──(楢崎誠/Bass & Chorus)

 ヒゲダンの魅力は親しみやすいポップな音楽性。全曲の作詞作曲をするヴォーカルの藤原聡はスティーヴィー・ワンダーなどのモータウンの音楽が好きだそうだが、4人の好きなアーティストを羅列すると、Fall Out Boy、ONE OK ROCK、大橋トリオ、キリンジ、銀杏BOYZ、SUPER BUTTER DOG、スピッツ、JUDY AND MARYと見事にバラバラ。ところが彼らはそこからポップなエキスを巧みに抽出して、胸が弾みまくるビートとメロディーを生み出す。隔世遺伝なのか、往年のシティポップやAORなんかも連想させるメロディーは抜群にキャッチーで、実に伸びやか。グルーヴィーでポップなサウンドにハードな音色のロックなギターが顔を出すのも良いスパイスになっている。

「変なユニゾンとかアクの強いフレーズを途中でちょこっとブッ込むのがアクセント。『恋の前ならえ』はAメロ前もそうだし、間奏もそうだけど、面白いフレーズや展開を一回入れるっていうのはヒゲダンにあります」(小笹大輔/Guitar & Chorus)

「でも基本的には歌メロ重視。一回聴いただけで爪痕を残せるフレーズを作ることを意識してるし、メロの良さを消すアレンジは御法度というのが暗黙の了解」──(藤原聡/Vocal & Keyboard)

「アレンジは全員でやりますが、大体、足し算担当はサトシとダイスケ、引き算担当はナラチャンと僕。不快な音や余計な音は入れず、聴きやすくなるよう心掛けてます」──(松浦匡希/Drums & Chorus)

◆インタビュー(2)へ
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